第59回 蒸発現象

2016/05/12

交通事故に繋がりかねない 「蒸発現象」  を知っていますか?
人間はまぶしい光を見ると、目がくらんで、視界をうばわれます。
今朝は、この「蒸発現象」を追跡しました。

もう少し細かく言うと、蒸発現象は 夜間、対向車と交差する時、
対向車と自分の車のヘッドライトの光が交錯して前方にいる歩行者や
自転車に乗っている人がが見えなくなってしまう現象のことです。
別名で「グレア現象」とも言われます。

光源の前を人や自転車が通過しても認識できません。
その時々の状況によって、見えなくなる部分や、見えなさ具合は変わります。
例えば、光源の強さや、車高の高さ、ドライバーの目の機能、
さまざまな要因によって見えないところが変化する。
それが蒸発現象の厄介なとことです。
また蒸発現象が特に起こりやすい状況としては、
雨が降って道路が濡れていると光りが路面に反射して起きやすくなります。

この蒸発現象には根本的な対策法はありません。
それは人間の目の機能は変えようがないから。
その事を知って対応していくことが求められます。

すなわち「無理な運転をしない」「ゆっくり走行する」、
そして、対処法という部分でいえば、
赤信号の時に先頭で停止していたらライトを消すというような、
配慮をすれば交通安全に繋がるかもしれません。

また、フロントガラスが汚れていると視界はもちろん悪くなります。
蒸発現象の影響を避けるためにフロントガラスを綺麗にしておく。
そのためにワイパーのゴム部分の掃除をする。
これが、かなり効果的。

そして、蒸発現象ではありませんが、
人間の目が環境に順応するまでの間はよく見えないという意味において、

◯ 明るいところから → 暗いところへ
      
◯ 暗いところから  → 明るいところへ

一瞬で周囲の状況が変わる時、やはり運転は危険です。
その典型的な例がトンネルの出入りなので気をつけましょう。

トンネルの出入口は光りの加減が大きく変わり、
目が明るさや暗さに慣れようとしている間は見えにくくなります。

カメラを例に出すと、トンネルに入る時は明るい所から暗い所に行くので、
絞っていた瞳孔を開いていきますが、その際にタイムラグが生じます。

また、トンネルから出る時は暗い所から明るい所に行くので、
今度は絞りを利かすので前方の視野がボーっとしたようなことが起こり得ます。

急に明るい環境から暗い環境に置かれた時に目が順応することを
「暗い」「順応」と書いて 「暗順応(あんじゅんのう)」 と言います。
反対に暗い環境から明るい環境に目が順応することを
「明るい」「順応」で 「明順応(めいじゅんのう)」 と言います。
順応の仕方や時間は、環境とその人の性質によって違いますが一般に・・

⚫ 「明順応」に要する時間 → 15秒〜1分 以外とすぐ

⚫ 「暗順応」に要する時間 → 20分〜30分 長い!

トンネルや暗い駐車場などに入った時は気をつけてください。
また、これは「日没前」/「日没後」も同じです。
日没後は要注意! 早めのヘッドライト点灯を心がけましょう。