第70回 飲酒運転ができない車の実現

2016/08/04
減少傾向にある交通事故。
飲酒運転もまた、年々減っています。
しかし、ドライバーの意識の問題で、ゼロになりません。
それならば進歩する「技術」で『飲酒運転ができない車』を実現できないのか?
今回は追跡しました。

コメントは自動車業界に詳しい
経済ジャーナリスト 片山修さんでした。

警察庁のデータを見てみると・・・

平成10年の飲酒事故数 — 21,061件
      死亡事故 —  1,268件

平成26年の飲酒事故数 —  4,155件
      死亡事故 —   277件


減っているとはいえ4,155件の飲酒運転事故。死亡事故も277件。
これは交通事故が起こった数。飲酒運転の氷山の一角にすぎません。

飲酒による事故を起こした場合は重い罰則が与えられますが、
巻き込まれた被害者はたまったものではありません。

日本では2011年から、プロのドライバーに対しては、
事業所による勤務前のアルコール検知が義務付けられています。

しかし、一般のドライバーに、それはできません。
そこで、普及しているのが「アルコール・インターロック」。
ドライバーがアルコールを飲んでいると
呼気でそれを感知してエンジンがかからなくなる装置です。

日本にも「アルコール・インターロック」の義務化を求める声があります。
しかし、それには問題も少なくありません。

1台 10万円以上と高価なもの。
義務化された場合、費用は自己負担なのか?

アルコール検知の難しさ。
アルコールが弱い人  強い人。
アルコールを消化しやすい人 しにくい人。
どのような基準にするのか? 世界でも決まっていない。

日本の自動車メーカーも「アルコール・インターロック」の研究開発に乗り出しています。
その気になれば、導入もできるとのこと。
ただ、今のところ、その動きはありません。

また、Hondaは日立と組んでマウスピースなしで利用可能な
呼気認識機能を搭載したスマートキー対応の
ポータブル呼気アルコール検知器の試作に成功しています。
簡易に3秒でアルコール検知ができる優れもの。
ただ、難しい部分もあり「共犯者」がいれば、
お酒を飲んでいない共犯者の呼気を使えば
クルマのエンジンをかけられてしまうのです。

「飲酒運転ができない車」。
技術的には、実現可能なところまできている印象を受けますが、
費用、規則、制度といったところで課題が多いことがわかります。

ただ、いちばん大切なのは、今ある飲酒事故の状況を社会がどうしたいか。
日本はもっと積極的に飲酒運転撲滅に向かったほうがいいのかもしれません。