第91回 気をつけて! 実はそれって交通違反 episode 2

2016/12/22

今週は『気をつけて! 実はそれって交通違反』の2回目
監修とコメントは東京 麹町「みらい総合法律事務所」吉田太郎 弁護士でした。


1)ながら運転は交通違反 

【吉田弁護士の解説】

ながら運転というのは非常に大きな問題です。
道路交通法71条5号という法律には、自動車を運転する場合、
停止している時を除いて携帯電話やスマートフォンを通話の為に使用したり、
画面に表示された画像を注視してはいけませんという定めがあります。
これに違反すると5万円以下の罰金、
具体的に危険を及ぼした場合には3ヶ月以上の懲役が定められています。

最悪のケースで人を死なせてしまう場合には過失運転死傷に問われ、
禁固1年2か月の実刑に処されたという例もあります。
刑に服する、服さないなどに関わらず、刑罰が重い、軽いいう事に関わらず、
ながら運転で注意が散漫になる事は明らかですのでやめるようにして下さい。
自分は大丈夫という過信は禁物です。


ながら運転というと、今ならすぐ思いつくのがスマートフォンや携帯電話の使用。
これは反則点数 1、反則金は普通車で6千円。
また、運転中にカーナビ・カーテレビを見ると反則点数は0、反則金が普通車で6千円。
その他にも反則点数・反則金はともにないものの禁止されている運転行為があります

X 読書・雑誌を読む   
X たばこを吸う
X ご飯を食べる    
X お茶やジュースを飲む
X 化粧をする



2)サンダルやハイヒールを履いての運転は交通違反

【吉田弁護士の解説】

サンダルでの運転、ハイヒールの運転は、
道路交通法では直接やっていけないという定めはありません。
しかしながら71条の6号で各都道府県の公安員会が道路における危険を防止し、
交通の安全を図るために必要な事を規制して良いと定めています。

それに則り、各都道府県が危険な運転行為を規制する中で、
例えば、東京都では木製サンダルや下駄など、
運転操作に支障を及ぼす恐れのある履物を履いて、
車両などを運転しない事というふうに定めています。
大阪府でも下駄、または運転を誤る恐れのあるスリッパなどを履いて
車両を運転しない事と定めています。

ですので、サンダルでなければOKだとかスリッパでなければOKだとか、
そういう事ではなく、運転操作に支障を及ぼす恐れがあるかどうか、
運転を誤る恐れがあるかどうか、そういう観点から履物に気をつけてください。
これに違反した場合には5万円以下の罰金が定められています。



こうした「意外と知らない交通ルール」は、
万が一、見つかったら点数が引かれるから、反則金をとられるから、
気をつけようと思う人もいるかもしれませんが、それは間違い!

サンダルを履いて、ハイヒールを履いての運転で、
足元の操作に失敗して事故を起こさないために避けるべきです。