第105回 効果的な交通安全教育

2017/03/30

もうすぐ新年度。
初々しい新入生が小学校に通い始める季節です。
可愛い子供たちの命を守るために交通安全の気持ちを引き締めましょう。

今回、取材したのは茨城県 つくば市にある
一般財団法人 日本自動車研究所 安全研究部の大谷亮(おおたに・あきら)さん。、
教育心理学的な観点から交通安全教育を研究している方です。

教育現場では「交通安全」に割く時間が少ないのが現状。
大谷さんは子供の年齢に合わせた交通安全教育のアプローチ方法を考えました。
どんなものかというと・・・

【小学校 低学年】


低学年生には交通安全の基本「止まること」「見ること」を教えます。
ただ、そこは低学年生、いきなり全てを教えても理解できません。
そこで「習得しにくいところ」を集中的にやります。
小学校低学年生は「右・左・右・うしろを見る」と教えると言葉通りに見ますが、
大切なのは動作をすることではなく、動作の背景に潜む危険を回避すること。
首をふった方向に車がいたかどうかを確認することを教えます。
低学年生には繰り返してそれを教えることが大切です。

実験のために「交差点」を学校につくり
見通しの悪いところに車の設定のプラカードを置いて
その絵をしっかりと見ることを伝えてみると
実験後の低学年生は右・左・右・うしろを見る時間は長くなり、
視界に入った対象物を判断できるようになりました。
前述のアプローチは成功していると裏付けられたのです。


【高学年】

高学年生になると低学年の安全安全教育には慣れてしまいます。
そこで教師として低学年生に交通安全を教える役割演技法という手法をとります。

いきなり低学年生教えるのは難しいもの。
そこで、まずは数回の集団討論。
「どうやって教えればいいか」「何を教えればいいか」
「交通事故はどのようにして起きているのか」を議論させ
ある程度の技量や低学年生への接し方を身につけた後で役割演技法を行います。
そのメリットは以下のようなもの。

? 低学年に教えることで自分の行動を客観視できるようになる

? 他者の気持ちがわかるようになる
  ドライバーの気持ちになれるというような応用性があります

? 教えるという行為によって自覚が芽生える


高学年の集団討論からの役割演技法の実験は既にひと段落。
プログラムとして提案できる結果を得ているそうです。
低学年向けも45分で出来るプログラムとしてまとめられています。

子供は1度や2度の交通安全教育では教えられたことを忘れてしまいます。
時間のない学校という枠組みを超えて、
こうした交通安全教育プログラムが地域などで行われれば、
子供が被害者となる交通事故を減らす一助になることでしょう。