第106回 春の全国交通安全運動 前編

2017/04/06

今年も「春の全国交通安全運動」の期間になりました。
平成29年は今日 4月6日 木曜日 から15日 土曜日まで。
今週と来週は、その大切なポイントを追跡します。

お話は警察庁 交通局 交通企画課 中島篤司さん。

今回の「春の全国交通安全運動」の運動の基本は
「子供と高齢者の交通事故防止〜事故にあわない、おこさない〜」。
次代を担う子供の命を社会全体で守ることが重要です。
新年度が始まる時期、子供も交通ルールや交通マナーをしっかり習得することが大切。

この春から「新たに小学校や中学校に通う」
「転校してこれまでとは違う環境で学校に通う」
という児童・生徒も全国にたくさんいるなか
気をつけなければいけない数字もあります。

中島さんによると、15歳以下の交通事故死者数は10年前からおおむね半減。
しかし、昨年も74人の尊い生命が交通事故で奪われています。
そのほぼ半数が歩行中の事故によるものであり、
中でも小学1年生、2年生の児童が多く被害に遭っています。
歩行中の死傷者では7歳が全年齢層の中で突出して多いのです。

また、小学生全体の歩行中事故を見ますと、
横断歩道や道路を横断中の事故が多く発生しています。
ドライバーの方は、歩行者が横断しているときや横断しようとしているときは、
横断歩道の手前で一時停止して道を譲るなど、
歩行者を守る安全運転の徹底を中島さんは呼びかけました。

そして、子供が交通事故に遭わないために保護者にできることは何か?
いままで一人で道路を歩くことが無かった子供が慣れない道路を歩いたり、
時には一人で歩いたりすることになるといった環境の変化や、
友だちと一緒に楽しく歩いていて周りが見えなくってしまったり、
つい駆け出して車の前に飛び出してしまったりといった精神的な未熟さが、
子供が遭遇してしまう交通事故の原因になります。

そこで、いちど登下校や友達の家に遊びに行くときに通る道路を、
保護者の方には子供と一緒に歩いてほしいと中島さんはおっしゃっていました。
その際、交通量の多い交差点等危険な箇所があれば、
道路に飛び出さないなど注意すべきことを具体的に指導する。
また、判断力を養うために子供のすぐ後ろを歩く。
子供が自分で考え、危険を予測し、行動する状況を見守りながら、
丁寧に指導してあげていただきたいということです。

子供をはじめ何の罪もない交通弱者が、
悪質な交通違反を犯した運転手が起こす交通事故で
命を落としてしまうニュースは無くなりません。
自動車等を運転しながらのスマートフォン等の操作や注視、
運転中のカーナビゲーション装置等の注視は非常に危険。
画面に意識が集中してしまい、周囲の危険を発見することができず、
事故につながりますので絶対にやめるようにしましょう。

例えば、時速60キロで走っている場合、車は1秒間におよそ17m進みます。
携帯電話に着信があって、手に取り、画像を確認しようとするのに3秒かかるとして、
時速約60キロであれば、その間に約50m進むのです。
スマートフォンのゲームをしながら運転するという行為は言語道断ですが、
携帯電話を操作するちょっとした動作でも、それがいかに危険か認識して下さい。