第142回 交通安全 思いやり110番

2017/12/14

お酒の機会が多い時期。
飲みすぎて車道を千鳥足でフラフラと歩くと危ないですよね。
高齢者の徘徊も危険です。
そんな交通事故の危険を避けるため、
茨城県警察が行っている取り組みが「交通安全 思いやり110番」。

「交通安全 思いやり110番」は平成21年8月1日に運用を開始。
これは前年の平成20年から21年にかけて 
泥酔して路上に寝込んでいた人や認知症などで徘徊中の人が
被害に遭う交通死亡事故が多発したことによります。
被害に遭いそうな人を発見したら積極的に110番してもらい
未然に事故を防止することを目的にスタートしました。

この施策は さまざまな業界・団体の協力で周知が計られました。
去年は577件 今年は11月末現在で601件の情報が届くまでになっています。

茨城県警察によると 
今年の601件のうち半数以上が高齢者に関係する通報。
そのうち認知症が疑われる高齢者などに関する通報は24%。
泥酔者に関する通報は全体の40%。
通報を受理した後はほとんどの場合において
現場に臨場した警察官が対象者を
発見・保護している状況だということです。

「交通安全 思いやり110番」によって
交通事故を回避できたのではないかと思われるケースもあるといいます。

今年5月 午後9時頃 酒に酔って道路に横たわっていた男性を
発見した女性から110番通報がありました。
その後 警察官が到着するまでの間 
女性は男性に付き添って保護していたそうです。
この勇気ある行動で男性を無事に保護されました。
未然に交通事故を防止したことから
女性には警察署長から感謝状が贈呈されました。

「他にも飲酒した人が車を運転しそうだ」という通報から
飲酒運転を未然に防ぐことができた事案や
「道路の真ん中をふらふらと歩く高齢者がいる」
「一人歩きをしている子どもがいる」などの通報から
無事に保護できた事案も数多くあるということです。

茨城県警察では「交通安全 思いやり110番」をやっていますが
他の都道府県警察でも 交通事故防止に繋がる情報は有益。
拒絶されることはありません。
「交通事故の危険があるかもしれない」という人を見たら警察に連絡しましょう。
あなたの行動が交通事故の芽を摘むかもしれません。