第150回 死角を減らすルームミラー

2018/02/08

最近の技術革新でクルマは過去のものから様変わりしています。
その大きな目的の1つは更なる安全性の確保。
これからルームミラーも大きく変化していきそう。
今朝は『死角を減らすルームミラー』を追跡しました。





静岡市の株式会社 村上開明堂はバックミラー国内シェア4割のNO.1メーカー。
2016年に2種類の「電子ルームミラー」を発表しました。
2種類のうち「ハイブリッド インナーミラー」というタイプは
2020年に発売される量産車への搭載が決まっています。

開発のきっかけは時代の変化。
モーターショーのコンセプトカーにはドアミラーが無いタイプが登場しています。
「いずれルームミラーが無い カメラとモニターを使ったクルマが出る」。
危機感から村上開明堂は自ら開発に取り組みはじめたといいます。

クルマの安全基準も状況の変化から世界的に法改正が進んでいます。
日本ではバックミラーやサイドミラーをカメラモニタリングシステムで代用する
「ミラーレス車」が2016年に解禁されました。

では 村上開発堂の「ハイブリッド インナーミラー」がどういうものか?
リアガラスやリアガーニッシュなどにカメラを設置。
インナーミラーが通常のミラーの役割に加えてモニターにも切り替わります。
クルマには後方に2つカメラがついています。
1つはふつうに後方を写すカメラ。もう1つは死角になりやすい下後方を写すカメラ。
2台のカメラの映像をインナーミラーのディスプレイで見ることができます。
ルームミラーとカメラモニター機能の切り替えはボタンで行います。
     
「この機能を使えば死角を低減できて安全に繋がります」と
村上開明堂でカメラの開発を担当する 杉山亜矢子さん。
後ろの席の荷物やヘッドレストが邪魔で見えないということもなし。
カメラの性能が非常に良くなり 雨の日や夜間でもよく見える。
ミラーとモニターの切り替えができる製品は
日中の屋外だと画面が見にくいことがあるそうですが
特殊ミラーを採用て そこを改良したということでした。
ミラー1つをとっても最近の車が大きく進化していることがわかります。





村上開明堂が2016年に開発したもう1つは「マルチミラーシステム」。
これは3画面のタイプでドアミラーの部分にもカメラをつけて
インナーミラーで後方と後側方を同時に見られることを可能にします。
2車線の道路でドアミラーには写っていないけれど真横にクルマがいる
後方のピラーの角にあたるところにバイクがいる
そういう状況での事故が減ると考えていますと杉山さん。

こうした技術革新は望ましいこと。
日進月歩の技術はさらに交通安全に役立っていくことでしょう。