第170回 コリジョンコース現象

2018/07/19
人間の「視覚」 には特性や限界があります。
それによってクルマの運転手が思ってもみない
事故を起こしてしまうことがあります。
その1つが「コリジョンコース現象」。 




    
「collision」は、英語で「衝突」という意味。
別名「十勝型事故」「田園型事故」とも呼ばれます。


▶︎ 北海道の十勝平野のように広く見通しの良いところ

▶︎ クルマを走らせていて視界を遮るものはない

▶︎ 前方には自分が走る道路と交差している道路

▶︎ 隣合う交差道路を交差点に向かい 同じ速度で車が走っている


これが「コリジョンコース現象」の事故が起こる典型的な環境。
見通しが良い道路環境なのに2台の車が衝突してしまうのです。





今年4月、山形県で交通事故がありました。
県道を走行していた大型ダンプトラックと
交差する市道から進入してきた軽乗用車が出会い頭に衝突。
軽乗用車側に乗っていた2人が死傷しました。
現場は畑の中を通る見通しの良い区間。
交差点に信号機は設置されていませんでした。
この事故は「コリジョンコース型」の可能性があります。





このタイプの事故が起こるのは、
我々の「目」の特性に起因しています。

同じ角度で何かを見ていると対象物が動いていたとしても、
人間は止まっているように錯覚してしまうもの。

人間の視界には「中心視野」と、その両側の「周辺視野」があります。
「中心視野」は物を細かく見ることに適しています。
「周辺視野」は、何かが動くのをとらえるのに適しています。

人間は「周辺視野」で異常な動きを感知し、
「中心視野」で、その詳細を解析・確認します。
この視覚の特性から「コリジョンコース現象」のような、
同じ速度で走り、ずっと同じ角度にあるクルマを認識できません。
ぶつかってしまうのです。

JAF 東京支部 事業課 交通環境係 園部拓海さんによると
コリジョンコース現象が起こりそうな道を走っている時は、
首を振って交差する道路に他の車両がいないか確認する。

そして、優先意識を持たない。
自分の方が優先だという意識のもと、
車も来てないから速度を落とさなくていいだろうと、
交差点に進入して、実は車が来ていて事故になってしまうので、
優先意識を持たず、しっかり速度を落とすことを心がけましょう。

コリジョンコース現象での事故は、広大な景色の中、
速いスピードで走っていることが多いため、死亡率が高いと言われています。
充分に気をつけて下さい。