第181回 高齢ドライバーの交通安全

2018/09/13

来週月曜日は「敬老の日」。
高齢者の方たちには、いつまでも健康で、長生きをして欲しいもの。

一方でクルマの運転する高齢者も多いのが現代社会。
交通安全にも気をつけていただきたいと思います。

家族や身近に高齢ドライバーがいるリスナーの皆さんは、
何かの折りには、注意喚起をお願いします。
        




警察庁によると2年前、平成28年の、
75歳以上の運転免許証保有者数は 513万人 。
これは10年前、平成18年 258万人 のほぼ2倍。
この先はさらに増えて5年後には 613万人 となる推計です。

上記の数字は75歳以上。
「高齢ドライバー」は65歳以上を指します。
つまり実際にはもっと多くの高齢免許保有者がいるのです。

覚えておいていただきたいのは、
原付以上の車両を運転して事故を起こした数を
年齢層別に分けて10万人あたりで見てみると

? 圧倒的に多いのが16歳から19歳 およそ2,000人        
? 次に多いのが20歳から29歳   およそ1,000人

同じ免許証保有人口あたりに起こす事故数は、
若者より高齢者のほうが少ないということ。





ただし、問題はあります。
原付以上の車両を運転して死亡事故を起こした数を
年齢層別に分けて10万人あたりで見たデータからわかります。
平成28年の警察庁資料では

? 75歳以上が圧倒的に多く7.9人
? 次に16歳〜24歳が7.2人
? 70歳〜74歳が4.5人
? 65歳〜69歳が25歳〜29歳と同じで3.8人

ここからわかるのは、
高齢者ドライバーが交通事故を起こしてしまった時、
死亡事故になる可能性は若い世代よりも高いということ。





1つ、驚く交通心理学の調査結果があります。
運転をしていて「事故を回避する自信がある」かどうか聞いたアンケート。
世代別でYES=「事故を回避する自信がある」という回答が
最も少なかったのは30代でおよそ10%。

反対に「事故を回避する自信がある」との回答が最も多いのが、
年齢別カテゴリーではいちばん上の70代後半の50%越え。
次に多かったのは70代前半の50%弱。
70代は半分が「事故を回避する自信がある」と答えているのです。

運転に自信がある一方で誰にでも老化はやってきます。
老化と運転について警察庁は以下の注意点を挙げています。

⚫ 視力が弱まって、周囲情報を得にくくなり,判断に適切さを欠くようになる
⚫ 反射神経が鈍くなること等によって,とっさの対応が遅れる
⚫ 体力の衰えで運転操作が不的確になり,長時間運転が難しくなる
⚫ 運転が自分本位になり,交通環境を客観的に把握することが難しくなる

家族や身近にいる高齢者を見ていて、
いま挙げたような行動が見られるのであれば、
十分な注意を促すように心がけてください。