第192回 タイヤチェーンの義務化

2018/12/20

国土交通省と警察庁が、大雪の時に、
一部の地域でタイヤチェーン規制をする改正省令を発令しました。
インターネット上では、これに対して批判・非難の声が上がっています。

大雪時のタイヤチェーンの装着が義務付けられたのは、
過去に大規模な立ち往生などが発生したことがある13区間。
いずれにも、以下の場所があります

▷ タイヤチェーンの着脱ができる場所
       
▷ 通行止めが解除されるまでの待機できるスペース

その上で、規制時は区間手前でチェーン装着状況の確認が行われ、
違反者は『道路法』に基づいて6ヶ月以下の懲役、
または30万円以下の罰金が科されます

こう聴くと罰則が結構に厳しい。
さらにSNS時代、ニュースが見出しだけで、瞬時に広がります。

今回のことも「タイヤチェーン装着義務化」
「違反者には罰則」という部分的な言葉が拡散した結果、
「雪国をわかっていない」「チェーン義務化なんておかしい」
という意見が多数ネット上で発信されました。
しかし、これには、少なからず誤解があるようです。





発令に先立つ4日前、国土交通省は、
「チェーン規制の検討状況」を発表しています。
見出しは「大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて」。

その内容と照らし合わせると
現在、大雪時の道路交通を確保するための対策として、
「道路ネットワーク機能への影響を最小化するため」
施策の1つとして「チェーン規制」が導入されたようです。

このチェーン規制が行われる『時期』は、       
大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われる異例の降雪時。
この条件を平成29年で見てみると
       
▷ 大雪特別警報の発令は0回
       
▷ 大雪に対する緊急発表は3回 

つまり、ほとんどないのです。
そして、国土交通省はこう説明しています。

「従来であれば通行止めとなる状況において
タイヤ チェーン装着車のみ通行を可能とするもの」

「あれ?」と思った方も多いのではないでしょうか?
そう、本来なら「通行止め」にすべきところを
チェーン装着で通行を可能にしましょうというものなのです。

今回の「規制」の狙いは異例の大雪の時でも
道路によるネットワーク機能を維持すること。
スタッドレスタイヤではなくタイヤチェーン装着を義務としたのは、
大雪でクルマが立ち往生する数はチェーン装着のほうが少ないから。
規制対象になった13区間を最後に記しておきましょう。





<高速道路> 
      
上信越道 長野県 信濃町ICから新潟県 新井PA間の25km
中央道  山梨県 須玉ICと長坂IC間の9km
中央道  長野県 飯田山本ICと園原IC間の10km
北陸道  福井県丸岡ICと石川県加賀IC間18km
北陸道  滋賀県木之本ICと福井県今庄IC間の45km
米子道  岡山県湯原ICと鳥取県江府IC間の34km
浜田道  島根県旭ICと広島県大朝IC間の27km

        
<一般道路> 
      
国道112号線 山形県西川町志津から鶴岡市上名川の27km
国道138号線 山梨県山中湖村平野から静岡県小山町須走字御登口の9km
国道7号線  新潟県村上市の大須戸から上大鳥の16km
国道8号線  福井県あわら市熊坂から笹岡の4km
国道54号線 広島県三次市布野町上布野から島根県飯南町上赤名の12km
国道56号線 愛媛県西予市宇和町から大洲市松尾の7km