第202回 コリジョンコース現象の事故対策

2019/02/07

田んぼのように見通しが良く
視界を遮るものがない道路でも交通事故は起こっています。





視界が開けた環境で、交差する道路を、
交差する点に向かって走る2台のクルマ。

同じスピードで走っているため
人間の感覚では動いているものと認識できず
交差点でぶつかってしまう「コリジョンコース現象」。
道路を走るクルマだけではなく空の飛行機でも起こる事故。

このところ地域・地点によっては設備による
コリジョンコース現象による事故対策が図られています。

去年12月に設置されたのは栃木県下野市の交差点。
この場所では過去5年間で14件の交通事故が発生しました。
11件は出合い頭による事故で2年連続で死亡者も出ています。

以前はこの交差点に下野市などが
標識の増設や「交差点注意」の路面標示を設置していました。

それでも死亡事故が続く。
そこで栃木県警察が各地で効果が出ている対策を市に持ち掛けました。
下の写真にある「視野対策ポール」です。





この「視野対策ポール」は 交差する道路の
交通量の多いほうの道路の両側に 8メートル感覚で
高さ2.6メートルの白いポールを20本設置したもの。

ポールによってドライバーの視界から車が一定間隔で遮られるため
ドライバーが車を「動いているもの」として 認識することができるという狙い。
確かにクルマの動きがわかりそうです。

視野対策ポールをいち早く2003年に導入したのが千葉県。
年間11件の事故が起きたその場所では対策後1年間は無事故でした。

今回の下野市によるポール設置費用は44万円。
田園では費用面から信号機の設置は難しく
44万円という金額は信号機の設置よりも安いとのこと。

全国の「コリジョンコース現象」危険箇所に
こうした対策が講じられるようになるといいですね。