第227回 出会い頭の事故

2019/08/02

クルマを運転していて「出会い頭」に他のクルマや自転車に
衝突しそうになったことがある人は少なくないでしょう。

もしかすると「実際に衝突してしまった」という人もいるかもしれません。
「出会い頭の事故」は、とても多い交通事故のタイプです。




「出会い頭の事故」は交差点などで
違う方向から侵入してきた者同士がぶつかる事故。
交通事故原因の分析には様々な分類があります。
いくつか見てみてみましょう。

警察庁の資料によると2年前
平成29年の交通事故発生件数は47万2,165件。
事故類型別では・・・

?位 『追突』 およそ16万8千件 35.5%

?位 『出会い頭衝突』 およそ11万5千件 24.5%


すべての事故の中で2番めに多いタイプになっています。
同じ年の交通死亡事故を類型別に見ると・・・

?位 『正面衝突等』 1,113件  30.7%

?位 『横断中』 907件 25.0

?位 『出会い頭衝突』 504件 13.9%






それでは、どんな場所で『出会い頭の事故』が起きているのか?
公益財団法人 交通事故総合分析センターの検証によると
7割が「市街地」、家屋や商業施設が密集した区域で発生しています。

一方、『出会い頭』による死亡事故の半分以上は「非市街地」で発生。
そのほとんどは「交差点」で起こり、交差点事故の典型的なタイプになっています。

『出会い頭の事故』の原因。
これは大きくわけて2つあります。


1)交通ルールを守らなかった

2)結果的に安全のため求められる走行をしなかった



当事者がこの2点に当てはまらなければ 多くは未然に防げたはず。
?の交通ルールを守らない、例えば「信号無視」「一時停止違反」など、
これについては、当たり前ですが、常に交通ルールは守るようにしましょう。
?の「安全のため求められる走行をしなかった」。
こちらはいくつかのパターンが考えられます。


<標識の見落とし>

出会い頭衝突の多くは、見通しが悪く、信号がない交差点で発生しています。
そうした場所には「止まれ」の一時停止標識があるもの。
しかし、これに気づかず、止まらずに進んでしまったケースです。

考え事をいていたり、スマホを気にしていたり、
そんな時は注意力が散漫になってしまうもの。
ハンドルを握っている時は、運転に集中しましょう。


<思い込み>

自分が走行している道路は優先道路ではないのにそう思い込み、
そのままのスピードで、止まらずに走って衝突してしまうケース。


<認知ミス>

安全確認の手順はとったのに認識を誤ってしまう、
例えばカーブミラーを見たにも関わらず
クルマや自転車が来るのに気がつかなかったケース。
安全の確認は細心の注意を払って行いましょう。





それではドライバーが、どんな対策を講じれば、
『出会い頭の事故』を回避することができるのか?
重複する部分もありますが・・・


【道路標識を見落とさない】

道路標識を見落としてはいけません。
特に夜は日中よりも標識が見えにくいので注意しましょう。


【停止すべきところでは確実に止まる】
     
一時停止の標識は危険がある場所だから設置されます。
標識を見たらきちんと止まりましょう。
「たぶん来ないだろう」といった楽観的で根拠のない予測は厳禁。
止まる位置は必ず停止線の手前で。

     
【左右の確認をしっかりする】

一時停止の標識で止まってたとしても
左右の確認をしっかりやらなければ意味がありません。
運転に慣れている場所では確認がおろそかになりがち。
注意しましょう。
 
また、場所によっては停止線の位置から左右が見にくいこともあります。
そういうところでは、まずは停止線で止まった上で、
左右が確認できる位置まで慎重に進み、再び止まって安全を確認します。


【優先道路を過信しない】 

「自分は優先道路。止まるべきは他のクルマ」と考えて乱暴に運転していると、
停車をしない、他のクルマに突っ込まれ、事故になってしまうこともあり得ます。
自分が優先道路だったとしても、事故に遭わないためには、
いつでも停まれる気持ちとスピードで走行する姿勢が大切です。


こうした情報をしっかりとインプットして、
『出会い頭の事故』に遭わないよう気をつけて下さい。