第222回 なぜ日本は、歩行者が被害に遭う交通事故が多いのか? 対策編

2019/07/19
先月、交通先進国と比べて、
日本はなぜ歩行者が被害者となる事故が多いのか?
理由についての考察をした回を放送しました。

それでは歩行者が被害に逢う事故を減らすにはどうすればよいのか?
今回はモビリティジャーナリスト 森口将之さんにお話をうかがい
交通先進国に学ぶ「対策編」をお送りしました。

少しおさらいしましょう。
最近のデータで交通事故死亡者に占める歩行者の割合が、
日本は7カ国中、ワースト2の37.3%でした。

四輪、二輪の運転者は、歩行者優先の意識を強く持たなければいけません。
同時に歩行者が事故に遭わない社会インフラも整える必要があります。

以前、意識についての注意点はお伝えしましたので、
今回はインフラ対策に焦点を当てます。
まず、森口さんが指摘する交通先進国に学ぶ歩行者事故の対策は、
国内にも設置が増えてきた「ハンプ」と「ライジングボラード」です。


【ハンプ】 横断歩道で舗装が盛り上がっている場所

→ 特に学校がある横断歩道に多く設置されている
→ 高さはスロープにはなっているが10cmくらい
→ 手前に標識があるので、通過する際はスピードを落とす
→ スピードを落とさずに時速40kmで通過すると車両にダメージを負う


【ライジングボラード】リモコンで伸び縮みするポール

→ 生活道路の入口に設置 
→ 生活する人や救急車など特別車両がリモコンを持ち
  ライジングボラードを下げて通行できる
→ 他の車別の道を利用してもらう。 


そして、海外では日本には数多くあるガードレールがあまりないとか。
むしろ多いのが横断歩道に立っているポール。
交差点での出会い頭での事故が一番多いため。
横断歩道にポールがあると事故で突っ込んできたクルマをポールが守ってくれます。


さらにそして、ヨーロッパでは、
クルマのスピードを制限する施策も進んでいます。
その代名詞がオーストリアのグラーツで始まった「ゾーン30」。
生活空間全体でクルマの速度を30kmに制限するのです。
これはすでにヨーロッパのほとんどの都市で普及。
中には20km制限のところもあるといいます。
日本にもゾーン30は完全に普及してほしいものです。

こうした歩行者の交通事故対策はどうすれば進むのか?
出口さんによると交通に明るい市長や担当者がいる地域と
いない地域では交通政策にかなりの差が生まれるといいます。

そして、市民の交通安全対する意識。
行政や警察に任せるのではなく自分たちで自身や家族を守るという気持ち。
ヨーロッパは日本よりも住民参加によって施策が決められることが多いそう。
そこに関わることによって全体的な意識が高まり危険の共有もできるのでしょう。

高齢者と子どもに多い歩行中の事故。
行政がきちんと取り組んでいるか目を光らせ、
任せっきりにせず、住民が積極的に関わる姿勢が、
地域の歩行者を守ることに繋がります。