第252回 ラウンドアバウトの本格導入から5年

2020/01/24

あなたが暮らす地域には、
円形の交差点「ラウンドアバウト」はありますか?





交通事故の防止と軽減のため
海外では広く普及するラウンドアバウト 。
国内に本格導入されてから、去年の秋で5年が経ちました。

しかし、最近になって初めて導入された都道府県も多く
日本に広く浸透しているとは言えないのが実情です。
運転中に初めて直面すれば、戸惑うドライバーも多いでしょう。

今回は国内のラウンドアバウト研究の第一人者
名古屋大学 大学院 環境学 研究科 都市環境学 専攻 
中村 英樹 教授のコメントを紹介しつつ
日本のラウンドアバウトの現状をお伝えしました。





あらためてラウンドアバウトを説明しておくと
一般的な交差点は複数の道が直接交わり、交通の流れは信号で制御しています。

しかし、ラウンドアバウトでは、道が直接には交わっていません。
交差点中央に円形の道路「環道」があって、そこをクルマが時計回りに流れています。
信号はありません。

交差点に入ってきたクルマは環道内を走る他のクルマに気をつけつつ
あるいは箇所によっては一時停止後 自らも環道に入って時計回りに走ります。
そして、左折ならすぐ次の道路へ、直進なら対面にある2つめの道路へ
右折なら最後の3本目の道路へ左折をするように入り、環道を出ていきます。

少し細かい話をすると、日本ではラウンドアバウトの中でも
警察の規制範囲に該当するものは「環状交差点」とされます。





日本のラウンドアバウトは、改正道路交通法上で「環状交差点」とされ、
警察が把握している数で、去年3月現在、31都道府県 87箇所になりました。
      
そののメリット。
いろいろなことが挙げられています。


◉ 環道に合流するところ以外で出会い頭の事故が起きにくい
        
◉ 環道の走行はスピードを出しにくく、同じ方向に走っているので
  侵入してくるクルマと出合い頭にぶつかったり
  環道上で接触事故が起こっても大きな事故になりにくい

◉ クルマの交差点流入・流出のスピード低下で歩行者の横断時の安全性が向上する

◉ 信号を待っている時間を短縮できる
     
◉ 停電の時でも混乱なく交通処理が可能
      




事故数については、実際に防止効果が出ているとみられています。
今まで信号機の付いた普通の交差点や信号機のない交差点を、
ラウンドアバウトに変えた箇所の人身事故の件数は、
22ヶ所を対象とした平成30年度の末のデータで、
以前の7.37件が2件になったという報告があります。
およそ3分の1です。

ただ、中村先生によると、かなり認知度は上がってきているものの
導入が進んでいないところでは理解が十分ではありません。
そうした値域でラウンドアバウトの特徴を正しく認識、理解してもらい
可能な箇所で、普及させていくことが重要だとのこと。

もう1点、大切なことは信号機に頼らない交差点なので、
交差点の設計がとても重要だとのこと。
スピードが出てしまう、接近車両を見落しがち、
といった構造にしないように進めていくべきだというお話でした。

交通事故軽減の効果がある「ラウンドアバウト」が、
これからも全国に増えていくといいですね。

まだ通行経験がないという方は、近隣の導入箇所についての情報を見て
頭の中でシミュレーションしてみると戸惑わなくていいでしょう。
多くの場合、地方自治体のWebサイトに導入情報が載っています。