第272回 梅雨時の運転には注意!

2020/06/12

昨日、気象庁が九州北部・関東甲信・北陸・東北南部の梅雨入りを発表。
日本列島は1ヶ月ほど続く、雨の時期を迎えました。

ハンドルを握る方であれば、少なからず実感しているはず。
雨の日の運転には、特に気をつけなければいけません。
今週はモータージャーナリスト 菰田潔さんに注意ポイントをお聞きしました。





雨の日は危ないと思っている方がほとんどだと思いますが、それは正解。
1ミリ以上の雨が降っている時間を調べると年間の5%程です。
ところが年間事故件数で見ると雨の時間帯は2016年は18%、2017年は18.5%。
1mm以上雨が降っている状態の5%に比べて3倍〜4倍多いというデータがあります。





では、どこに事故の原因があるかというと大きなものはスリップ。
路面が濡れていると、ブレーキが利き始めてから
クルマが止まるまでの距離「制動距離」が伸びます。

雨でなければブレーキを踏んで前の車に追突しないで止まれても
雨の日だと滑ってぶつかってしまう可能性があるのです。

ただ、制動距離を測る試験は急ブレーキで行います。
ふつうに走っている時には濡れた路面でも制動距離の長さはあまり感じません。
「なんだあまり普通と変わらないじゃないか」と高を括っていると、
本当に危ない瞬間がきて、急ブレーキを踏んだ時に思っていたように止まれない。
晴れの日とそんなに変わらないと思ってしまうところに落とし穴があると思って下さい。





そして、雨の日に特に気をつけたいのが、
速いスピードで走っている時に起きやすい「ハイドロプレーニング現象」です。
ハイドロプレーニング現象は道路にできた水たまりの上を走行した時、
道路の舗装面とタイヤの隙間に水があって車が浮いてしまう現象。
ハイドロプレーンは水上飛行機のことです。
水上飛行機のようにクルマが滑走してしまいブレーキもハンドルも効きません。

この時にパニックになってはダメ。
ゆっくりとアクセルを戻し、車の向きが違ったら、
行きたい方に少しだけハンドルを切って待っていると、
その状態が終わった時に、また操作できるようになります。

思いっきりハンドルを切ったりすると状態が戻った時に
勢いよくそっちに向かってスピンしてしまうので要注意。

ハイドロプレーニング現象が起こらないようにするには、
1つはスピードを出さないこと。
さらにきちんと溝のあるタイヤで走行することです。





また、雨天ではどうしても悪くなる視界。
正確な情報をキャッチするためにも、
より良好な視界を確保するように努めましょう。

特に大事なのが小雨でも雨が降ってきたらヘッドライトをつけること。
また、ウィンドウを曇らせないため菰田さんがお薦めなのがクリーンビュー。
内側の曇りは内側につけてタオルで拭き取る、
外側は油汚れなどは取れるので視界がクリーンになります。
そして、走行中に内側が曇ってしまった場合には、
クーラーで除湿することで水滴が付きにくくなります。





視界が悪く、滑りやすい梅雨時の運転。
充分に注意して下さい!