第277回 京都府自転車運転免許証

2020/07/17

多くの警察や自治体では自転車の安全利用促進に取り組んでいます。
今週はそのうち1つ、京都府警が発行している自転車運転免許証を紹介しました。

お話を聞いたのは、京都府警警察 交通企画課
交通安全教育センター 交通安全教育係 主任 前田尚子さんでした。

対象としているのは、京都府内の4年生以上の小学生。
自動車の免許証のように学科テスト、実技テストがあります。
免許証は受けた子どもはみんな手にできて
結果をもとにABCのランク分けされ
氏名、学校名、公布日と合格証名文が書かれたカードとして授与されます。
免許証を手にすると子供たちは非常に喜ぶそうです。





京都府警の自転車運転免許がスタートしたのは平成18年。
自転車に乗る子どもの交通安全意識を高め、
事故を防止することが目的でした。

学校の授業や地域の交通安全教育の場で行われ、
府内およそ380ある小学校のうち、
9割ほど経験したことがあるそうです。





もうすぐ夏休み。
子どもは自転車に乗る時間が増えます。
夏休みは気分が高揚して、飛ばしたり、危険な運転をしがち。
交通事故に遭わないよう、また歩行者、特に小さな子どもやお年寄りを相手に、
交通事故を起こさないよう、注意してほしい・・・ということで
今回は学科の問題をクイズ形式で3つ出題してみました。



Q1)自転車は、夜ライトをつけなければならない。マルかバツか?


A1)答えは○
   車両等は夜間、道路を通行する時は灯火を点けなければならないと
   道路交通法でも定められています。


Q2)警報機や遮断機のある踏切では、自転車は一時停止をしなくても良い


A2)正解はX
   車両等は踏切を通過しようとする時は、  
   踏切の直前で停止し安全確認をした後でなければ、
   進行してはならないとなっています。
   子供達に実際に教える時には、踏切では必ず手前で一旦降りて、
   右、左の安全を確かめて自転車から降りて押して渡ると教えて下さい。


Q3)自転車で歩道を通る時、歩行者がいる場合は、
   ベルを鳴らして歩行者によけてもらう。


A3)正解はX
  歩行者の通行を妨げることとなる場合は、
  一時停止をしなければいけません。
  歩道はあくまで歩行者のためのもの。
  歩行者が優先であるということを忘れてはいけません。






クイズにすると、頭ごなしに「こうしなさい」というより、
子ども自身が考えるから、頭に残るでしょう。
交通安全について何かを教えたい時はクイズにしてみるといいと思います。
      
自転車で特に危ないのが信号や横断歩道がない、見通しの悪い交差点。
そのままのスピードで進むと交差している道路から自動車が出てくるケース。
「自転車でいちばん危ないのはどんなところだと思う?」
という問題を出してみては、いかがでしょう?


前田さんは保護者のみなさんに
こんなメッセージを発信して下さいました。

子供にとっては遊具の延長のような自転車でも
交通場面の中では車両となります。
自転車に乗ることはドライバーの一員という自覚を持って
ルールやマナーを守らなければなりません。
そのことを繰り返しお子さんに伝えて
交通事故の被害者にも加害者にもならないようにして頂きたいと思います。

また、万が一事故にあった時の対処法についてもご家庭でお話し下さい。
子供は事故にあった時の驚きでいっぱいになって、痛いという感覚も感じられず、
相手の運転者から大丈夫か尋ねられても大丈夫と言ってしまいます。
後から骨折していたなどの被害が分かることも珍しくはありません。
自転車で人や車とぶつかった時には、近くの大人の人に知らせる、
相手の人が怪我をしていたら救護する、また警察への届け出が必要
といったことも子ども達が理解できるようにお話いただきたいと思います。



今では自転車保険が条例で加入義務となっている都道府県も多数あります。
子どもは分からないことですので、お父さん・お母さんがきちんと把握して
加入義務となっていれば必ず入るようにして下さい。
義務になっていない地域でも、最近は自転車に乗っていた人が
歩行者にぶつかり、歩行者が亡くなってしまった事故で
多額の損害賠償請求が認められています。
万が一のために、自転車の保険には入っておくようにしましょう。

最後に自転車に乗っていて事故に遭ってしまった時、
多くのケースで頭を打ちます。ヘルメットは必須です。