第298回 冬の悪天候に気をつける

2020/12/11

来週は冬型の気圧配置が高まって
全国的に厳しい寒さとなりそうです。
北海道や東北では大雪の予報が出ています。

本格的な冬の到来。
今週はモータージャーナリスト 菰田潔さんに
冬の悪天候下での運転の注意点を伺いました。





冬の天候は怖いもの。
大雪や吹雪の予報になったら車では出かけないほうが安心です。
前方を走る車がスリップして、数珠繋ぎの渋滞が発生。
動けない時間で車が雪に埋まってしまうことがあるからです。

その時に寒いからエンジンをかけたままにすることが普通ですが
排気ガスが車内に流入して一酸化炭素中毒になる可能性があります。
実際、それで亡くなった方もいるので注意しましょう。

雪に埋まってドアが開かない。寒いのにエンジンもかけられない。
そんな大変な状況にならないよう気をつけなければいけません。





冬の悪天候で、危険な目に遭わないためには、情報収集が大事。
まずは運転前に天気予報を確認してください。

悪天候が予想されている中、運転する時には、
ラジオやスマートフォンを使って状況を把握しましょう。
ただし、スマートフォンを扱う時は必ず車を安全な場所に停めてから。

そして、冬の悪天候で危険なことの1つが強風です。
左から強風が吹くと車が右に逸れてしまわないようハンドルを左に切る。
その時に風がぱたっと止んだら、車は左に向かって進んでしまう。

これが例えば、高速道路で大型トラックを追い越そうとした時だと、
トラックの影に入ると強風が止み、追い越すと再び急に風に煽られます。
スピードが早いほど横に飛んで行く可能性が高まるので
強風が吹いたらスピードを控えて走ることが大事なポイントです。

また、強風の時には、特に高速道路で、
トラックなどから落ちた積荷にも気をつけて下さい。
スピードが出ていて大事故になりかねません。





次に激しく雪が降ってきた時。
雪が降ってきた時の原則はヘッドライトを点けること。
自分の存在を知らせるためにロウビームを点灯しましょう。

最近デイタイムランニングライトがついた車が増えました。
ただ、デイタイムランニングライトは外が明るいと後ろは点きません。
後部ランプを点けるにはヘッドライトをオンにすることを忘れずに。

また、雪の中で道路に立ち往生して車が停まっていることもあります。
その可能を考えて走行するようにしましょう。
雪の状況では急に止まれないので十分に注意をする。
自分が車を停める場合は、他の車の邪魔にならない場所を選びましょう。


それから、濃い霧が出てきた時には、
最近はリアフォグランプがついている車種が増えましたが、
乗っている車がそうであれば点灯して
後続車に自分の存在を知らせるようにしましょう。





冬の悪天候時の運転、大きな危険ポイントの1つが「視界」。
例えば時速50キロで走っている時には1秒間の走行距離は14m。
2秒先見たら28m、4秒先なら約50mなります。

5、60m先が見えていればなんとか時速30km 〜 40kmで走るのは大丈夫。
でも、視界が10m以下になったら、走るのであれば、かなりゆっくりと。
あまりにも先が見えない時は、一時的に走行をやめる。
その時も、クルマを停める場所には、注意を払いましょう。
冬の悪天候下での運転は、危険が伴います。十分に注意してください。