第368回 小学生が作った安全マップ

2022/04/22
千葉県八街市の小学生が通学路の「安全マップ」を作りました。
八街では昨年6月、トラックドライバーの飲酒運転により、児童5人が死傷する事故が起こりました。
「安全マップ」作成は、その事故とは関係ありませんが、
今週は子どもたち自身の交通安全への取り組みをお伝えしました。





「安全マップ」を作成したのは、八街市立 二州小学校と沖分校の5年生21人。
もともとは八街市の教育委員会が去年から行っている「学校安全 総合支援事業」の一環として
子供達が能動的に参加できるような交通安全教室を行いたいという考えから発案したものです。

マップ作りに利用したのは、立正大学 データサイエンス学部 
原田豊 教授が中心となり開発した「聞き書きマップ」。
「聞き書きマップ」はGPS・ボイスレコーダー・カメラ内蔵の端末で記録した
道路の危険情報をパソコン上の地図で編集、地図化できるソフトウェアで、
原田教授は「安全マップ」づくりにも協力しています。





安全マップ作成は、まず調査の前に学区を8つのエリアを設定。
各エリアにつき5つの危険な箇所を選びました。

その上で、この学区内には狭い道や車の往来が多い道が多いそうで
小学生たちは通学路でそういうところがどこなのか
携帯電話のアプリケーションを使って実地調査をしました。

そして、模造紙4枚分の地図上に付箋に書いた文字情報と写真を貼り付けて
子供の目線から見た、危険箇所、危険内容、犬を回避するために気をつけることなどを記載。

調査した子供たちは、この安全マップを使って、全校生徒の前で発表。
現在は校内掲示し、全校で情報を共有しています。





参加した子どもは、安全マップを作る学習を通して
毎日歩いてるところにたくさんの危険な箇所があることを知ったと言います。
「マップを活用して横断歩道ではしっかり手を挙げて渡り、
安全帽子をかぶって、自分の存在を知らせるようにしようと思います」と話してくれました。
また「ドライバーの方にはしっかりと周りを見て、必要な時にはスピードを落としてほしい。
地域や行政の皆さんにはマップを見て危険な場所を減らす取り組みを進めてほしい」とのことでした。





八街市教育委員会 栗原直行さんによると
今後は完成した安全マップの内容を充実させるために
PTA や見守りボランティアなど大人の意見を追加したり
市役所の方に見ていただいたりすることで道路整備の参考してほしいと考えています。
また、今回の取り組みは市内の他の小学校でも実践していきたいと考えているそうです。





こうした、子どもたちによる「安全マップ」づくり。
全国に広がっていくと、周囲のクルマを運転する大人の意識も、
さらにグッと引き締まっていくでしょうね。

番組を聴いてくださっている、お父さん・お母さん、
お子さんが通う学校に取り組みを呼びかけてみてはいかがでしょう?
地域の交通安全に一役買うことになると思います。

今回は 二州小学校5年生の 瀧口優人さん、細谷斗真さん、錦織穂香さんが
インタビューに答えて下さいました。ありがとうございました。