第377回 車で踏切を渡る時

2022/06/24
クルマを運転していて踏切を渡る時、
安全には十分に気をつけているでしょうか。
ひとたび事故が起きてしまうと、大惨事になりかねない場所が踏切。
今回のテーマは「車で踏切を渡る時」でした。





「踏切での事故なんて、そうそう起きるものでもないだろう」。
そう思う人は多いでしょうか。
インターネットで「車」「踏切」「事故」と入れて検索をかけると
事故や、事故になりかけた事例が出てきます。


<ケース1>

6月22日 午後4時40分ごろ 滋賀県甲賀市の近江鉄道踏切で、
湖南市の会社員(32)の乗用車と日野行きの列車が衝突した。
列車の乗客約35人と乗用車の運転手にけがなどはなかった。
滋賀県警甲賀署によると、乗用車が踏切内で立ち往生したといい、
原因を調べている。



<ケース2>

6月19日午前11時50分ごろ、
群馬県高崎市の上信電鉄馬庭―西山名間 天神谷戸踏切で、
高崎行き上り普通電車が同市の農業の男性(72)の軽トラックと衝突。
男性は前橋市内の病院に搬送され、骨盤骨折などの重傷。
電車の乗客乗員にけがはなかった。



<ケース3>

6月12日 午後7時15分ごろ
JR神戸線 宝殿−曽根間の踏切で乗用車が立ち往生。
踏切の非常ボタンが押されたため、東加古川−姫路間の上下線で、
1時間半にわたって運転を見合わせた。乗用車と電車との接触はなかった。






最近の10日ほどで、これだけ起きているわけですから、
他人事ではありません。

日本の場合は踏切はいかなる場合も、遮断機があって信号機があっても、
必ず一時停止が原則です。

踏切での事故の多くは、
踏切の中でクルマが立ち往生することから起こります。

国際モータージャーナリスト 清水和夫さんによると原因の1つは高齢者の運転。
遮断機のあるところで一時停止すると
高齢者にとって再発進のための右足の動きが少し複雑。
もたついてしまうこともあります。

そして、年齢に関わらず、踏切を渡った先に信号機があった場合
赤信号だと踏切を渡り始めたはいいが先が詰まっていて
渡りきれず、クルマの一部が踏切の中に残ってしまうことがあります。





道路交通法には自動車の踏切の走行が規定されています。

「車両等は、踏切を通過しようとする時は、踏切の直前で停止し、
かつ、安全であることを確認した上でなければ進行してはならない。」


踏切では、遮断機が下りていなくても、
踏切の手前で一時停止する必要があります。

その上で、踏切の中で立ち往生してしまうことがないよう
踏切を渡った向こう側にクルマが進めるスペースがあることを確認、
左右の安全をしっかり確かめて発進します。

道交法に規定はありませんが、渡る前の安全確認の時点で、
車の窓を開け、列車の接近がないことを、耳で確かめましょう。





清水和夫さんによると、
なるべくスムーズに早く渡り切るっていうことが大切。
その際、路面の凹凸が激しく、ハンドルが取られる踏切もあるので注意する。
また、歩行者や自転車、オートバイも一緒に渡ろうとすることもあるので
他の交通参加者との関係にも注意を払う。
なかなか難易度が高い交通のユースケースです。

ニュースでは高齢者の踏切での立ち往生が多く伝えられます。
同居しているご両親や、おじいちゃん・おばあちゃんには、
踏切には気をつけるよう、日頃から声をかけて下さい。

万が一、立ち往生してしまった時の対処法も大切です。
速やかに車から降りて踏切に設置されている警報のボタンを押す。
頻繁に利用する踏切は警報ボタンがどこにあるか確認しておきましょう。
この対処法も家族や友人、知人と共有しておきたいところです。





まったく知らない踏切や
いつも渡っているのでわかっているつもりでいる踏切が、
特に危険かもしれません。
大惨事を招きかねない踏切の利用には気をつけましょう。