第12回 チャイルドシートが子どもを守る 前編

2015/06/18
今年4月でチャイルドシート着用が義務化されてから15年。
しかし、その使用率は、まだ「万全」というには程遠い状況です。

今週は「チャイルドシートが子どもを守る 前編」。
コメントはご自身の育児経験から「チャイルドシート」や
「子どもを連れたドライブ」について執筆している
自動車生活ジャーナリスト 加藤久美子さんでした。

まず、前提として法律上で何歳の子供までが
チャイルドシートの使用を義務付けられているかというと6歳未満。
でも6歳になったからチャイルドシートをしなくて良いという事ではありません。
車についているシートベルトが安全に締められる身長になるまでは、
安全のためにジュニアシートを使うべきです。

広義の意味でのチャイルドシートは0〜1歳ぐらいの乳児用、ベビーシートと言われるもの、
1歳から4歳ぐらいまでの幼児用で狭義のチャイルドシート、
3〜4歳ぐらいから身長150cmぐらいに達する小学校5〜6年生まで使うジュニアシート、
大きく分けて、その3種類になります。

最近、ジュニアシートをするべき子どもが事故に遭った時、
シートベルトはしてなく、ジュニアシートも使ったおらず、
最近、ファミリーカーとして人気のミニバンは車高が高く、重心が高いので、
ぶつかった衝撃で簡単に窓から飛び出してしまったというケースが起こっています。
ジュニアシートは必ず使うようにしましょう。

2014年の警視庁とJAFの調査によると、
チャイルドシートの使用率は・・・

1歳未満 → 83%
1歳〜4歳→ 64%
5歳   → 41%
6歳未満全体だと→ 62%  

全体で使っているのは6割。
5歳の子どもはわずか4割しか使用していないのです。
車のシートベルトをつけられる身長になっていない6歳以上で、
「ジュニアシートを使っている」子どもはもっと少ないでしょう。

さて、いま日本ではチャイルドシートに関して、
ヨーロッパ統一基準「ECE規則44号」が採択されています。
2012年から国内の新製品は、この基準をクリアしたものしか販売できません。
子どもの安全のためには、オレンジ色の四角の中に、
「ECE R44」と記されたマークがあるものを選びたいものです。

この基準はかつてのものよりもかなり厳格なもの。
衝突の時に子供の頭はどれぐらい動くのか、シート自体の移動が何ミリまでとか、
前後の衝突はもちろん横からの衝突にも耐えられるとかが定められています。
ただ、リサイクルショップや、個人売買、オークションでは、
古い基準の物も売られているので「ECE R44」に適合しているものを選びたいものです。

そして、チャイルドシートは装着の方法でも種類が分かれています。
シートベルト固定するタイプとISOFIXという
現在の車の後部座席に必ずついている金具にとりつけるタイプ。

またチャイルドシートには車との相性もあります。
チャイルドシートの売り場に適合表があり、
各チャイルドシートメーカーの公式サイトでも検索できます。
年式と車種名で分かります。

皆さん、どのくらいチャイルドシートについて知っていたでしょうか。
来週はこの続き「チャイルドシートが子どもを守る 後編」です。