長い間、利用者は誰もが渋滞の多さにストレスを抱えていた首都高速道路ですが、
いま、渋滞をなくし、円滑な交通システムを実現すべく、新たな建設が進んでいます。

近い将来、首都圏の高速道路は、
内側から中央環状線、外環道路、圏央道の3つの環状道路が、
東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道と連絡します。
完成すれば渋滞は減って事故も少なくなることでしょう。

先月、中央環状線山手トンネル(高速湾岸線〜高速3号渋谷線)が開通。
湾岸線の大井JCT-大橋JCT間9.4キロが繋がって中央環状線が全線開通しました。
3つの環状道路のうち、最初のリングが、計画から半世紀経って実現したのです。

今回のコメンテーター モータージャーナリストで
高速道路研究家の清水草一さんによると
まだ数字的なデータはありませんが、中央環状線が全線開通を受けて、
都心部、特に南側の渋滞が緩和している模様。
渋滞の代名詞の1つ浜崎橋ジャンクションの渋滞は大幅に減っているようです。

しかし、一方で中央環状線には車が多く流入するようになり、
全体としては交通量が増加、午後5時から7時ぐらいにかけては渋滞します。

これは「混雑時間の料金を上げる」「前後の時間の料金を下げる」など、
何か施策を打たない限り変わらないだろうとのこと。
プロのドライバーではない場合、やはりこの時間に首都高速を使うのは、
できるだけ避けたほうがほうがいいかもしれません。
近い将来、ナンバーによる入車制限なども、検討されるべきでしょうか。

そして、先月8日には3つの環状道路のうち、
一番外側のリング、圏央道の寒川北IC – 海老名JCTが繋がりました。
関越自動車道方面から湘南方面に行くには便利になりました。
圏央道も間もなく開通する割合が8割に達しようとしています。

ただ、構造的に致命的な欠陥があると指摘されているのが海老名JCT。
利用したことがある方は、知っているかもしれません。
合流部分の距離が短すぎて、減速しなければならず、渋滞が起こるのです。
GWに初めてここを通ることになるドライバーは気をつけてください。

近い将来の完成に向けて、変わりゆく首都圏高速道路。
これからも部分的な開通は続きます。
運転に自信がない人や、サンデードライバー、
それからふだん利用しない高速道路を使う時には、
事前に最新情報を確認しておくことが、
事故を減らし、安全なクルマ社会をつくる第一歩です。
そのことをお忘れなく!
新年度。車の購入、買い替えを考えている方もいらっしゃるでしょう。古くなったので、そのもの自体を新調しようと思っている方もいらっしゃるかもしれません。1回目は進化するカーナビを特集しました。カーナビがなかった時代、同乗者なしに詳しくないところに行く時は地図を片手にハンドルを握ったもの。今では音声案内をしてもらえるわけですから、カーナビは安全運転に大きく貢献していると言えるでしょう。

今回、お話を伺ったのはカーAV評論家 会田肇さんです。会田さんによるとカーナビの登場は1981年。しかし、それは透過式のフィルムに目的地をペンで書き入れて進んでいく原始的なもの。広く普及しませんでした。1990年に地図のデータをCD−ROMに入れて、GPSを使い測位するという、現在に繋がるタイプが発売されたことによって、カーナビは多くのドライバーに利用されるようになっていきます。その後、CD−ROMはより情報量を多く入れることができるDVD、HD、メモリと進化してきました。

2015年の今、最新のカーナビは地図をリアルに表現し、地図上に立体的にイラストが描写されるようになっています。さらに視線をカーナビに落とさなくてすむように目の前に進路を示すようなヘッドアップディスプレイという機能を組み合わせて使えます。特に優秀なのは「渋滞考慮」と「音声認識」の性能。総務省・警察庁・国土交通省が提供している交通情報サービスを受けて目的地に最短で到着するナビゲーション、クラウドを使ってSIRIのおうにドライバーが話しかけた言葉を認識して情報提供する性能が格段に向上しています。

カーナビ購入にあたっては純正品か一般メーカー品か、製品も多く価格帯も広いのでどれを選ぶのか悩んでしまうところ。価格については当たり前ですが高額になるもの優れた機能が搭載されています。その上で自分のカーライフをイメージして、どんな目的でカーナビを使うのか、店頭で相談するのがいいでしょうというお話でした。純正品のメリットは保証期間が3年と長いこと。一般メーカーの製品は1年です。さらに自動車メーカーはテレマティクスという通信を使って交通に関するさまざまな情報を提供するサービスを行っています。この点で一歩先を行くのが他社はまだ有料のところを、無料サービスとして行っているのがホンダのインターナビです。今後、テレマティクスはさらに発展していくでしょう。

進化するカーナビは交通安全も考慮しています。道路の一時停止標識をつい見落としてしまうということがあるかもしれません。そんな時でもカーナビがこの先は一時停止だということを知らせてくれたり、逆走しそうになった時は注意してくれるカーナビも出てきました。また、標識を読み取って制限速度を表示するカーナビも出てきています。なぜカーナビにこうした機能が搭載されつつあるかというと、将来的にはクルマそのものと連動して、例えばスクールゾーンに来たらある一定の速度以上はスピードが出ないようにする、一時停止のところではクルマが強制的に停まるというシステムを構築していこうという自動車メーカーの姿勢の表れなのです。
番組では、On AIRで扱った、交通ルールや道路、交通安全に関する最新トピックスや、
地域独自の標識や面白い道路の風景など、リスナーの安全運転に役立つ豆知識を
毎週紹介していきます。

お楽しみに!
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