「交通安全少年団」という存在をご存知ですか? 
野外訓練や交通安全活動を通して交通ルールやマナーを身につけ、
学んだことを社会に伝え、将来は優しさと思いやりをもつ大人を目指す子供たち。
今週は、東京を例に、その活動を紹介しました。

東京都内では、98の交通安全協会が、
管轄地域で交通少年団を結成し、活動を行なっています。
団員数は3千人ほど。その集合体が「東京交通少年団」です。

高度経済成長期まっただ中の昭和40年代前半。
交通事故死者数は東京都内だけで毎年700人 から 800人にもいました。
子どもの死者数も100人以上。

そんな状況の中、昭和45年、
全国で初めて東京の小松川で「交通少年団」が結成されました。

子どもの交通事故をなくすため、子どもたち自身を主体とした組織を結成。
活動を通じて、子どもに交通ルールや交通マナーを身につけてもらい、
交通安全意識が高まることを、目指したのです。

翌年、小松川地域では、子どもの交通事故が激減。
このことが注目され、全国で交通少年団が結成されていきます。

そして、東京では4年後の昭和49年、
地域交通少年団の連合体「東京交通少年団」が誕生しました。


それから45年。
今では夏休み中に「東京交通少年団」はリーダー研修会を開催しています。
今年も8月19 日と20日に1泊2日で行われました。
その目的は参加している子どもたちが、
各地域にある交通少年団のリーダー的な団員になること。

川奈副団長にお話を伺ったところ
こうした経験を踏まえて団員同士が親睦を深めるとともに
規律を守ることを身につけ、大人になった時に、
交通ルールに対する責任を持って成長していれば未来の事故防止に繋がる。
同時に友達との交流を深めることはいじめがない社会づくりに繋がる。
そう話して下さいました。

真面目な交通ルールの講習ばかりでは
さすがに子どもたちも飽きてしまいます。
そこで、楽しみながら、真剣に交通安全の知識を習得できるよう、
考えて、カリキュラムも作られているのだとか。
    
リーダー候補の研修会なので、もともとは知らない子どもたちの集まり。
少しずつ打ち解けていって、最後には泣きながらお別れする子もいるとか(笑)

参加している子どもたちに話を聞いたところ
いろんな感想を聞かせてくれました。

・自転車でヘルメットを被らなかったとしたら、
 交通事故に遭った時に命を落とす危険性があることなどを学んだ

・これから全国にこのような活動があることを広めていきたい

・安全第一の事故を起こさないドライバーになりたい

・周りにある危険性
 例えばカーブで左右をきちんと確認せずに命を落とした子どももいるので、
 ちゃんと学習して気をつけていきたい。
 そして、リーダーとして習ったことを身の回りの人に伝えたい


こうした意識を持って大人になる人が増えるほど交通事故は減っていくことでしょう。
でも、 最近は「交通少年団」に参加する子どもは少なくなっています。

「交通安全教育は小さい頃から教える必要があります。
守らせるのも大人の責任。それが自己抑止に一番つながっていくと思います。
交通戦争と言われている時代に子供の事故をいかに減らしていくかということで
発足したのが交通少年団。その趣旨は今も引き継いでやっている」とは新田団長の弁。

名称はかつてからのもので「東京交通少年団」となっていますが、
4年前からキャッチフレーズ「BAGS(バッグス)」を打ち出しています。
これは「Boys And Girls for Safety」の頭文字からつくった造語。
「あらゆる安全のために活動・行動する少年少女たち」という意味です。


クルマを運転している時、大切なことの1つが、危険予測。
危険を予測できれば、事故回避の可能性が高まります。

今週はJAFが公式Webサイトで無料提供する
「実写版 危険予測トレーニング」を紹介しました。

いま、アップされているのは55本。
クルマの走行中を中心に、自転車に乗っている時、歩行中、
55のケースで、映像を見て事故の危険を学習できます。

JAF東京支部 事業課 交通環境係 高木孝さんによると
運転とは「認知」「判断」「操作」。
このどこかの過程でエラーがあると事故の危険が高まります。

エラーを防ぐためには認知の前に予測する習慣をつけておく。
そうすることで判断の精度が上がり危険回避に繋がります。

危険予測がいかに大事か?
時速40キロで走行する車をあなたが運転しているとしましょう。
    
危険予測をしていない場合、驚いて危険に気づく「反応時間」+
ブレーキを踏む・ハンドルを持ちかえるなどの「動作時間」は1.5秒。

一方で危険予測をしているドライバーは、危険に気づく「反応時間」 +
ブレーキに足を移す・ハンドルを持ちかえるなどの「動作時間」は合計0.75秒
危険を予測できていないと「2倍」の時間がかかるということが
これまでのJAFの調査結果で出ています。

そして、高木さんは日々の積み重ねで
危険に関する感度は確実に上がるといいます。
そのために、現状55の危険パッターンを動画で紹介。
その中にクイズ形式でシチュエーションに潜んでいる危険を
伝えているのがJAFの危険予測トレーニングです。

例えば1つの動画を説明すると・・・
住宅街を走る片側一車線、対面通行の道路。
前方に見通しの悪い右カーブがあります。
ふと見ると、対向車線のちょうどカーブのところに
ハザードを出してクルマが停車している。

さあ、どこに注意したらいいでしょう?

答えは対向車線からカーブに入ってきたクルマが
停車しているクルマに気づいて中央線がわに進路をとり
ともするとこちらの車線まではみ出してくる可能性があること。
その可能性を考えず中央線ギリギリに走って行っては
衝突してしまう恐れもあります。

こうした、危険の可能性を常に考える習慣をつける。
それは事故を回避するための第一歩。
他にも、交差点編、住宅街編、雨天(うてん)編など、シチュエーションは多彩。
危険予測能力を高めるためJAFの「実写版 危険予測トレーニング」を
体験してみては、いかがでしょう?



毎年、夏休みには小学生の自転車事故防止活動の一環として
全日本交通安全協会主宰「交通安全子供自転車全国大会」が開催されます。

今年も、今月7日 水曜日、東京ビッグサイトで行われました。
今週は、54回目となる大会の優勝校インタビューをお届けしました。

「交通安全子供自転車全国大会」は 47都道府県で
代表の座をかけた競技会が行われ代表校1校が全国大会に進出。
頂点を目指して競います。全国大会の競技種目は3つ。


学科テスト

「交通規則」「道路標識・表示」「自転車の安全な乗り方」
各20問、計60の問題を30分で回答します。
1問10点。全問正解だと600点。


自転車の安全走行テスト

「信号機のある交差点」「信号機のない交差点」
「一時停止の標識のある見通しの悪い交差点」における右左折時(うさせつじ)などを
正確に行えるかを競います。減点方式で、減点がなければ、350点。


自転車の技能走行テスト

「遅乗り走行」「S字走行」「八の字走行」「ジグザグ走行」などを競います。
これも減点方式で、減点がなければ、250点。
3つのテストがパーフェクトだと1,200点満点になります。


先日の第54回大会で目覚ましい結果を残したのが埼玉県代表の本庄東小学校。
各小学校4名が出場しますが「個人総合優勝」「団体優勝」
学科と安全走行テストの合計点が最も高いチームが獲得する「文部科学大臣賞」
なんと3冠を達成したのです!


チームを指導する峯岸秩父先生によると
1200点満点中マイナス65点という好成績で優勝しました。
今回、参加した児童は120名の中から募集。
何度かの選考試験で選ばれた9名のうち4名が選手として出場したそうです。

4年生の秋から約2年間練習を続け、
去年も全国大会に出場したところ11位という悔しい結果に。
悔しい思いを晴らすため、しっかり練習した結果、優勝することが出来ました。
来年も大会はあるので優勝メンバーと下級生の面倒を見て優勝したい。
そして、本庄市、埼玉県、日本で自転車に乗る子供達の
交通事故がなくなることを願うと話して下さいました。

キャプテンをつとめた楊田千和さんにも電話でインタビューしました。
全国大会ではみんなで力を合わせて頑張ることが出来たといいます。
学科試験が終わった後、みんな笑顔だったので、優勝できるかもしれないと思ったそうです。
キャプテンとして心がけていたことはみんなをまとめて引っ張っていくこと。
交通ルールを少しでも知ってもらい、事故が少しでも減るよう、
友達にも正しい自転車の乗り方や交通ルールを知ってほしいと話してくれました。

そして、個人優勝した清水日乃さん。
団体だけはみんなで優勝しようと誓っていたとか。
個人については自信ありませんでしたが、
狙えたら狙ってねとコーチに言われていたので、内心は少しだけ目指していたそう。

その結果での優勝。
嬉しかったが、驚きの方が大きかったといいます。
この経験を生かして事故防止をいろんな人に伝えていきたいとも話してくれました。
「自転車は左側通行、歩道は歩行者優先、ヘルメットをきちんと被る、車は早めのライト点灯、
この4つをよく守り、互いに譲りあいや思いやりの気持ちをよく持ちましょう」。
清水さんからのメッセージです。大人も顔負けじゃないですか? 笑

「交通安全子供自転車全国大会」に出場する子どもは、
交通安全の意識が高い大人に成長するはず。
全国でいま以上に参加する児童が増えるといいですね。
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