半径3mの「世界観」ライナーノーツ
“クリープハイプ=感情の辞書”

クリープハイプは私の感情をちゃんとした言葉で教えてくれる。怒りや悲しみだけでない複雑に絡まった感情を、単純じゃない複雑な言葉で表してくれる。いわば私にとって“クリープハイプ=感情の辞書”なのだ。いつも聞いてる曲もフレーズも、怒りや悲しみに包まれている時に聞くといつもと違う表情でそっと寄り添って共感してくれる。その時始めてその曲と繋がる事ができた気持ちになる。

さて、今回のアルバム「世界観」も私の今まで言い表す事が出来なかった感情を表現してくれている。
例えば、

“こうやってエイトビートに乗ってしまう ありきたりな感情が恥ずかしい”
“足したり引いたり ましてや掛けるなんて なんとか割り切ってここまで来た”
“だけど愛してたのは自分自身だけで馬鹿だな だから愛されなくても当たり前だな糞だな”

例を挙げたらきりがないので、とりあえずこの3つ。この3つのフレーズは、一瞬、あたかも自分が悲劇のヒロインのように感じたけれど、それは皆同じように思う“ありきたりな感情”だって気付いてしまった時や、周りに振り回されてボロボロになってギリギリでようやく何か達成できた時とか、自分では良いと思っていた事も結局はただの自己満足で周りの人には何も伝わっていなかったとか、そんな時に寄り添ってくれるフレーズだと思う。
もちろんフレーズだけではない。一曲一曲が感情に共感してくれる。このアルバムが共感してくれる悔しい気持ちに恋しい気持ち、悲しい気持ちに感謝の気持ち。全部バラバラで色々な気持ちが詰まっている。こんなに色々な気持ちに共感してくれるなんて保健室の先生のようだ。
本当はもっと色々な事をお伝えしたいんが、残念ながら私はまだ自分の思いを上手く伝えられない。“感情の辞書”が足りないのだ。

これからもっと「世界観」を聞き込んで色々な感情を見つけていきたい。
これからもっと色々な感情の表し方を教えて欲しい。

レイ・ヒフミ 18歳 長野県