みらい図鑑

Vol.81 「秋の七草」 埼玉県

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今回の話題は「七草」。
春だけではなく、秋にも七草があることをご存知でしょうか。

埼玉県の長瀞町(ながとろまち)では、
七つのお寺にそれぞれ「秋の七草」が一種類ずつ植えられていて、
「秋の七草めぐり」が行われています。


萩・洞昌院


尾花・道光寺

「長瀞七草寺霊場会(ながとろ・ななくさでら・れいじょうかい)」
会長の福島武攻(ふくしま・たけよし)さんに伺いました。

「萩(はぎ)、尾花(おばな)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、
藤袴(ふじばかま)、桔梗(ききょう)と、
派手さは無いんだけど、昔、日本の心として歌われた七草を愛でていただきたい。
そうつくづく感じています。」


葛・遍照寺


撫子・不動寺

昔、日本の心として歌われたということですが、いつの時代にさかのぼるのでしょうか?

「万葉の時代です。
いまから1300年ぐらい前に詠まれたのがこの秋の七草なんです。
“ああ、そんなに古い花が今でも残ってるんか”
ということを感じてもらいたいのが、わたしの願いなんです。」


女郎花・真性寺


藤袴・法善寺

「秋の七草寺めぐり」はちょうど今が見頃。
土曜日曜祝日をのぞき、9月22日まで、ガイド付きの無料のバスツアーも行われています。

奈良時代の歌人、山上憶良が詠んだ歌に登場する秋の七種の草花。
皆さんも、いにしえの人々に思いを馳せながら秋の七草を愛でてみませんか?


桔梗・多宝寺

Vol.80 「べっこう飴」 北海道

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北海道の網走郡、津別町。
冬には最高気温もマイナスになるこの土地で、
戦後まもなく”飴づくり”を始めた会社、「ロマンス製菓」があります。

主力商品は、昔ながらの味を保ち続ける「べっこう飴」。



そして、数年前から販売されている「塩べっこう」。
若い人に人気の商品です。



代表の松田一生(まつだ・かずお)さんに伺いました。

「砂糖なんかはもちろん手に入らないという、そういう時代の中で、
ジャガイモから取ったでんぷんを水飴にして、
その水飴を煮詰めて飴にする、そういうところから私たちの商売が始まりました。」

甘いものが食べたくても、どこにもない。
でも、ジャガイモからなら作れる。
かつて網走地方には、ジャガイモから飴を作る会社がたくさんあったそうです。

「ロマンス製菓」が、べっこう飴の製造を始めたのは45年前。
透き通った飴を作りたい、という創業者の想いとは裏腹に、
白く濁ってしまったり、味が思うようにならないなどの問題に直面。
配合や砂糖の銘柄を替えるなど、色々と試行錯誤を繰り返しました。

日々、異なる気温や湿度のなか、飴を同じクオリティに仕上げるためには、
熟練の職人さんの勘が欠かせません。
製法はガスの火による鍋での煮詰め。
鍋の材質によって味が違ってくるところがあるんだそうです。



「素朴な味っていうんですかね、香料とかを入れているわけではないんでね。
本当に、その、砂糖を煮詰めていった時のあの味っていうんですか、それだけなんですけど。
どっか気持ちの中でずっと残っているというか。
年を重ねていって、ある時に思い出してすごく懐かしく感じるというかね、
これからも長く愛されていければなと思いますね。」

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