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REPORT

第90回 7月6日「自動販売機」前編
2025.07.06
自動販売機。
普通に考えると、最近の発明のように思うかもしれません。
ところが、世界最古のものは古代エジプトにあったとされています。

アレクサンドリアの学者ヘロンの著書「気体装置」によると、
紀元前215年頃、エジプトの神殿に聖水を売る装置があったそうです。
その仕組みは、投入口に硬貨を入れると、重みで受け皿が沈み、
出口を塞ぐ蓋がテコの原理で開いて受け皿が元に戻るまでの時間、水が出るというもの。
テコの原理を生かしたので、電気がない時代でも可能だったのです。

そして、現存する最古の自動販売機は、1615年のイギリスにあったタバコの自動販売機。
これは、投入口にコインを入れると、衝撃で留め金が外れ、
上部半分を覆っている蓋が開いて、煙草を自由に取り出せるというもの。
いくつ取るかは利用する人の良心に委ねられているので「正直箱」という名称だったそうです。

時は流れて1857年。
イギリス人のセミアン・デンハムさんが、切手の自動販売機を発明し、特許を取得しました。
これが特許を取った最初の自動販売機とされています。
その後のイギリスには、飲料、お菓子、食品などの販売機も誕生。
基本的な技術が確立しました。

現存する日本最古の自動販売機は、木製のハガキと切手の自動販売機。
俵谷高七さんという発明家が作り、ポストの機能も合わせ持ったアイデア製品でした。
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