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初版で終わりそうだったのが、70年代アジア系アメリカ人の若者に発見されその後復刊した『ノーノー・ボーイ』。日本でも79年に翻訳が出され細々と再版されていましたがその後絶版。しかし翻訳者の川井さんがたまたま古本屋で手に取ったのがきっかけとなり新訳が発売されたという歴史があります。消えそうになっては劇的な出会いのもと息を吹き返す、実に生命力のある作品。番組で取り上げたのも、今年の3月、20世紀初めの日本人移民女性たちを描いた『屋根裏の仏さま』の回で曲を紹介したバンド「ヨコハマ・カリフォルニア」が縁でスタッフが『ノーノー・ボーイ』のことを教えて貰いそれを小川さんへ報告。本日のオンエアへと繋がりました。「まさに本が本を連れてきた。必然で私たちのところへもやってきたのでしょう」と小川さんも感慨深げでした。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2017年11月26日
笹沢左保
『赦免花は散った』

2017年11月19日
トーン・テレヘン
『ハリネズミの願い』

2017年11月12日
黒柳徹子
『トットチャンネル』

2017年11月5日
フィリップ・K・ディック
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』

アーカイブ
ブラック・アンド・タン・ファンタジー/ルイ・アームストロング&デューク・エリントン
物語の舞台ともいえるシアトルのジャクソン・ストリートは黒人や多くの移民を集めた地域で、多くの黒人演奏家が人気を競うクラブなどが多くあったとされています。そのなかのひとつにブラック・アンド・タンという店があり、デューク・エリントンも演奏したことがあるそうです。デューク・エリントン作の1927年のヒット曲「ブラック・アンド・タン・ファンタジー」を、1961年のルイ・アームストロングとの共演で。
ブルース・フォー・ジョン・オカダ/グレン・ホリウチ
シカゴ生まれ日系3世のピアノ演奏家、グレン・ホリウチが1989年に発表した第3作目『マンザナー・ヴォイセズ』に収録した熱演から。グレン・ホリウチは時に激しく、時に優しく、前衛的なジャズ演奏のなかに、日系コミュニティ、アメリカのマイノリティとしての社会意識を強烈に表現しました。残念ながら2000年に他界。
パチューコ・ブギー/クアルテート・ドン・ラモン・Sr(Cuarteto Don Ramon Sr)
収容所や戦後、西海岸の各地にアメリカ生まれの日系2世のなかには、奇抜なズートスーツを身に纏った一団がいました。彼らはロサンゼルス出身の日系人たちで、隣人であるメキシコ系アメリカ人たちから多くの影響を受けていました。ズートスーツはメキシコ系のパチューコと呼ばれた少年たちの代表的なファッション。パチューコたちに向けた1940年代に生まれた音楽が、パチューコ・ミュージック。黒人たちのジャンプ・ミュージックに、メキシコ経由のキューバン・ダンソンが融合して生まれた音楽です。

※今回の選曲と曲の解説はMusic Camp,Inc宮田信さんにご協力頂きました。

 
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