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38年前に70円で買った古本の『暗い旅』を手にスタジオへ現れた小川さん。縁が茶色くなったその本には、当時「大部分が男性の文壇に颯爽と現れた衝撃の女性作家・倉橋由美子」「主人公たちにあえて名前をつけない手法」をカッコいいと憧れた、若き日の思い出も詰まっているそうです。ところで私は主人公の“あなた”の行きつく先に気を取られていましたが、読み返してみると「鎌倉」「京都」「ジャズ」など、今でも雑誌の特集になるような女性が好きなモノ・コトがたくさん詰まっているんですよね。出版された1961年、おしゃれなものがいっぱい登場し、普段の会話でフランス語が飛び交う恋人たちの物語を、当時の若者たちはどう思いながら読んでいたのでしょう。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2018年06月03日
「ロシアの昔話」
2018年05月27日
与謝野晶子「みだれ髪」
2018年05月20日
斉藤惇夫「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」
2018年05月13日
三浦綾子「母」

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スピーキン・マイ・ピース/ホレス・パーラン・クインテット
この小説には、ジャズ喫茶とジャズがたくさん登場します。主人公は京都にむかう東海道線の中で、去年の夏の午後、日比谷ででくわしたデモ隊には肩をすくめ2人はジャズ喫茶に入ったことを思い出します。「あのパーランのグループは悪くなかった」と。
誰よりも君を愛す/和田弘とマヒナスターズ
ホレス・パーランを思い出していると、列車の通路を隔てた窓際の男のトランジスタラジオから聞こえるのがこの曲。「まったくそのとおりだ」と、この世俗的な歌、歌詞を啓示のように受け取る主人公。
LOVER COME BACK TO ME (恋人よ我に帰れ)/ドナルド・バード(トランペット)
京都のジャズ喫茶<シアンクレール>でもドナルド・バードがかかっています。思い出す曲名は「ラヴァー・カム・バック・トゥ・ミー」。消えた恋人を探しながら、自意識の奥に旅した主人公にぴったりの曲です、と小川さん。
 
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