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なんだか取り紛れてランチを食べ損ねてしまった、という時ですら次の食事のことで頭がフル回転するワタシとしては、40日間食べないっていったいどーゆーことですかッ!とタイツ姿の断食芸人をそこへ座らせてこんこんと問い詰めたい気分。いや、断食芸人はすでにおとなしくちんまり座り続けているのだけど。それよりも檻に閉じ込めてそれを見世物にする興行主のほうか。でも当の断食芸人が誰にも強制されずむしろ自ら追い込んでるしなあ。そもそも嬉々として檻を取り囲む見物人こそ悪趣味なんじゃないの…。カフカが描く物語を身近な何にあてはめて読むのか。連想するものは人それぞれでしょうし、本を開くたびに変わるかもしれません。そして私たちはどの立場にもなり得ることに気付かされるのです。

(アシスタント:小山ジャネット愛子/オフィシャルブログはこちら

2019年05月26日
源氏鶏太『青空娘』
2019年05月19日
ヘルマン・ヘッセ『メルヒェン』
2019年05月12日
谷崎潤一郎『母を恋うる記』
2019年05月05日
石井桃子『ことらちゃんの冒険』

アーカイブ
道化師の踊り/フランクフルト放送交響楽団、エリアフ・インバル(指揮)
「断食芸人」を読んでうかんだ曲です。カフカと同じ、プラハ出身のスメタナ作曲、オペラ「売られた花嫁」より。ボヘミアのある農村の広場で、村祭りの余興に訪れた旅芸人の一座が踊るスコチナー舞曲。
無上の夢/ルチア・ポップ(ソプラノ)
オーストリアの作曲家、ベルクが、プラハ出身のリルケの詩に曲をつけました。リルケは、カフカとも同じ雑誌に寄稿する友人でした。「断食芸人の無上の夢は、彼にしかわからないほかの誰とも共有できない夢でした」、と小川さん。
サーカス/レニー・クラヴィッツ
断食芸人が息絶えたのは、サーカスの片隅の狭い通路でした。
 
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