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シカゴには行ったことがありませんが、本の中の風景が鮮やかに脳裏に浮かんでくる、濃厚な表現の数々。さすが、翻訳の柴田元幸さんが「いままで自分が訳したなかで最高の一冊」というのも納得です。ところで語り手の“僕”の祖父であるジャ=ジャ、実際に身内にいたら厄介そうですが、遠くから眺めている分には最高に面白いおじいさんでしたね。スペリング・テストの勉強をしている孫に「どあほう」の綴りを書けと言ったり、そうかと思うとショパンに関するうんちくを事細かに知っていたり…(どこまで本当かわかりませんが)。彼の人生色々と大変なこともあったと思いますがとにかく明るい。こういうおじいさんと濃密な時間を過ごした“僕”の未来も、きっとユーモアに縁取られ、明るいものとなっていくことでしょう。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2020年01月12日
山本有三『路傍の石』
2020年01月05日
沢村貞子『私の浅草』
2019年12月29日
マイ・ベストブック2019
2019年12月22日
松本清張『熱い空気』

アーカイブ
セント・ルイス・ブルース/アート・テイタム
「ありゃブギウギだ」マーシーの弾くピアノを聞いてジャ=ジャがいいます。小説の最後のほうには、この黒人ピアニストの名前が登場します。上の階からの振動が伝わってくるようなハードな1曲。
ワルツ第9番変イ長調「告別」(遺作)/ショパン作曲、アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
ジャ=ジャは、ショパンの「遺作」のワルツについて「僕」に説明します。この「告別」も遺作のひとつ。若いころ、恋人のために作曲し、その恋人の手紙をショパンは生涯大切にしていました。ルービンシュタインはショパンと同じポーランドのピアニスト。
夜想曲第20番(遺作)/横山幸雄
冬の最後の何週間かの間、マーシーはもっぱら夜想曲を弾いた。季節の変わる兆しが見えだしたころマーシーは姿を消した。ママ心配しないで、という書置きを残して・・。
 
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