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はてこの話は一体???読み終わった時に頭の中がはてなマークで溢れるパターンの作品でしたが、こういう時の小川さんの解説は特に刺激的なのでワクワクしながらマイクの前に座りました。直接的な2人のラブシーンはないけれどとにかくエロチック。でもそこには恋愛の楽しさはみじんもなく、蘭、灰皿、ブランデー、ブローチ・・・全てにどうにもならない2人の関係が滲み出ている、と小川さん。確かに部屋の中には終始不穏な空気が充満していますね。不倫に慣れ、慣れすぎて枯れ切っている2人。もはやどうにもならない関係の、末路の一瞬を切り取った作品と言えるのではないでしょうか。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2022年05月08日
池波正太郎『鬼平犯科帳』
2022年05月01日
村田沙耶香『コンビニ人間』
2022年04月24日
シェイクスピア『ハムレット』
2022年04月17日
川端康成『掌の小説』

アーカイブ
月下の蘭/マランド楽団
小説のタイトル「蘭」にちなんでタンゴを1曲選びました。後半、2人が外に出ると「思いがけないほど冴えた月明だった。」という描写もあります。
無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV 1007 プレリュード/藤原真理(チェロ)
同じアパートにチェロ奏者が住んでいて、「規一」がいると「それはちょっと気がかりな空のあたりを吹いている風音のようななつかしさ」、一人の夜は「暗い嵐の森を駆け抜ける大鴉の翅音のように淋しく」聞こえるとあります。「瀬戸内さんは花や音楽やブローチに「ゆう子」の心情を潜ませています」と小川さん。
二人だけの世界(MY WORLD IS EMPTY WITHOUT YOU)/ダイアナ・ロス&ザ・シュープリームス
ゆう子は、「規一」のいない時間を空っぽだと感じています。しかし、そう言って泣いて彼の胸にすがるには、「男のずるさを知りすぎていました」と小川さん。
 
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