オモコロ・原宿「それまでバカ暗い子どもでしたが…」12歳の少年がスチャダラパーから学んだ"世界が変わる視点"
2025.12.05
アーティストの「こっちのけんと」がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「G-SHOCK presents THE MOMENT」(毎週金曜17:00~17:25)。さまざまなゲストをお迎えし、生まれてからこれまでの時間のなかで、人の心に刻まれている「人生が変わった瞬間」=“MOMENT(モーメント)”を探ります。 2025年12月5日(金)、12日(金)の放送では、Webメディア「オモコロ」2代目編集長・原宿さんが登場。この記事では、5日(金)の模様を紹介します。
Webメディア「オモコロ」2代目編集長の原宿さん。1981年生まれ。中学生の頃からインターネットの面白さにのめり込み、2012年よりWebメディア「オモコロ」編集長に就任。“ためにならない”記事や漫画を毎日更新し続けています。
*
こっちのけんと:それでは早速、原宿さんの人生が変わった瞬間「MOMENT」を伺っていきたいと思います。1つ目のモーメントを教えてください。
原宿:「1993年、従兄弟の家でスチャダラパーを初めて聴いた」です。
こっちのけんと:1993年というと、原宿さんは当時12歳、小6か中1くらいですか。よく覚えていますね、「従兄弟の家で」というシチュエーションまで。
原宿:そうなんですよ。年上の従兄弟の影響って大きいですよね。僕の従兄弟は漫画やゲーム、カルチャー全般に目端の利く人たちで。そこで、スチャダラパーが「今夜はブギー・バック」で大ヒットする前のアルバム『WILD FANCY ALLIANCE』を聴いたんです。
当時はまだ世の中にヒップホップという概念が浸透していなかったので、最初の感想は「なんだこれ!」「すげえ喋ってる」でした。音楽だけど歌っていない、でも歌っぽいところもある。不思議な感覚だったんですが、歌詞を聴き込んでいくと、すごいことを言っているんですよ。スチャダラパーさんって、ゆるくて適当にやっているように見えて、実は独自の「ものの見方」や「視点」、一種の哲学が入っているんです。
こっちのけんと:敏感な12歳の時期にその視点に出会うのは大きいですね。
原宿:学校の価値観に馴染むのが全てだと思っていた時期に、スチャダラパーが世界をガラッと変えてくれた。例えば「ついてる男」という曲。うんちを踏んだり不運が続いたりして「ついてないな」と思うような1日でも、見方を変えれば「うんちを踏むなんてラッキーじゃないか、なかなかないぞ」と。「気持ちの持ちようで世界の受け取り方は反転する」ということを教わりました。
こっちのけんと:ポジティブもネガティブも、自分の気の持ち方次第だと。
原宿:そうです。それまでは僕、バカ暗い子どもだったんですよ。分厚いメガネをかけて、ファミコンのやりすぎで視力が落ちて(笑)。目立たない存在だった僕が、特に影響を受けたのがスチャダラパーの「暇の過ごし方」という曲でした。
こっちのけんと:今の「オモコロ」の原点のような話ですね。
原宿:まさにそうです。世間では「暇」は悪いことのように言われますよね。でも、「暇だからこそ生まれたことが世の中にはたくさんあるんじゃないか」と。「ピラミッドだって暇じゃなきゃ作れないだろ」って(笑)。
こっちのけんと:確かに(笑)! あんなに大きいもの、暇じゃなきゃ作ろうと思わないですよね。でも確かに、曲作るときとかも、暇なときに思いつくことも結構あって。
原宿:あると思いますよ。
こっちのけんと:暇って大事なんですね。
◆顔出しNG時代から“身軽”になれた理由
こっちのけんと:続いて、2つ目のモーメントをお願いします!
原宿:「2005年、テキストサイト管理人だけの大喜利ライブに出る」です。
こっちのけんと:テキストサイト管理人?
原宿:今のブログやSNSが普及する前の、個人ホームページ時代の文化ですね。自分でコードを書いて、日記やイラストを載せる「個人サイト」が主流だった頃です。
こっちのけんと:今のインスタアカウントの先駆けのようなものですね。
原宿:当時はハンドルネームで交流する「オフ会」という言葉がまだ生きていた時代で。松本人志さんの「一人ごっつ」などの影響で、芸人さんじゃない一般人が大喜利をやるのも面白いんじゃないか、という流れがあったんです。それで、文章が面白いとされていたサイト管理人たちが東京・新宿のロフトプラスワンに集まって、大喜利ライブをすることになりました。
こっちのけんと:でも、ネットで文章を書くのと、人前で喋るのは全く別物ですよね。
原宿:全く別物です。僕は当時、大学受験もせず、ただの無職(ニート)でしたから。
こっちのけんと:ええっ! 無職で大喜利ライブに出ていたんですか?
原宿:そうなんです(笑)。でも、ここがターニングポイントでした。ライブ映像を後で客観的に見直したときに、自分の中に「改善点」が次々と浮かんできたんですよ。
こっちのけんと:それはすごい。具体的にどんなことですか?
原宿:「この声の出し方は違うな」とか「回答を出すタイミングが早すぎる、もっと溜めないと」とか。第三者の視点で自分を見ときに、「あ、まだ伸び代があるな」と思えたんです。
こっちのけんと:自分の失敗を見て落ち込むのではなく、もっと面白くできるぞ、と。
原宿:そうなんです。そこから「自分を直していく作業」が楽しくなってしまった。当時のネットは顔出しをしないのが普通でしたし、僕も羞恥心はありましたが、面白さを追求するうちにどんどん身軽になっていきました。
こっちのけんと:その身軽さが、今の「オモコロ」に繋がっているんですね。
――Webメディア「オモコロ」は毎日更新中! また、ポッドキャスト「原宿の今じゃない企画室」の初回には、こっちのけんとが出演しています。
<番組概要>
番組名:G-SHOCK presents THE MOMENT
放送日時:毎週金曜 17:00~17:25
パーソナリティ:こっちのけんと
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/moment/
番組公式X:@TFM_THEMOMENT
(左から)原宿さん、こっちのけんと
Webメディア「オモコロ」2代目編集長の原宿さん。1981年生まれ。中学生の頃からインターネットの面白さにのめり込み、2012年よりWebメディア「オモコロ」編集長に就任。“ためにならない”記事や漫画を毎日更新し続けています。
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こっちのけんと:それでは早速、原宿さんの人生が変わった瞬間「MOMENT」を伺っていきたいと思います。1つ目のモーメントを教えてください。
原宿:「1993年、従兄弟の家でスチャダラパーを初めて聴いた」です。
こっちのけんと:1993年というと、原宿さんは当時12歳、小6か中1くらいですか。よく覚えていますね、「従兄弟の家で」というシチュエーションまで。
原宿:そうなんですよ。年上の従兄弟の影響って大きいですよね。僕の従兄弟は漫画やゲーム、カルチャー全般に目端の利く人たちで。そこで、スチャダラパーが「今夜はブギー・バック」で大ヒットする前のアルバム『WILD FANCY ALLIANCE』を聴いたんです。
当時はまだ世の中にヒップホップという概念が浸透していなかったので、最初の感想は「なんだこれ!」「すげえ喋ってる」でした。音楽だけど歌っていない、でも歌っぽいところもある。不思議な感覚だったんですが、歌詞を聴き込んでいくと、すごいことを言っているんですよ。スチャダラパーさんって、ゆるくて適当にやっているように見えて、実は独自の「ものの見方」や「視点」、一種の哲学が入っているんです。
こっちのけんと:敏感な12歳の時期にその視点に出会うのは大きいですね。
原宿:学校の価値観に馴染むのが全てだと思っていた時期に、スチャダラパーが世界をガラッと変えてくれた。例えば「ついてる男」という曲。うんちを踏んだり不運が続いたりして「ついてないな」と思うような1日でも、見方を変えれば「うんちを踏むなんてラッキーじゃないか、なかなかないぞ」と。「気持ちの持ちようで世界の受け取り方は反転する」ということを教わりました。
こっちのけんと:ポジティブもネガティブも、自分の気の持ち方次第だと。
原宿:そうです。それまでは僕、バカ暗い子どもだったんですよ。分厚いメガネをかけて、ファミコンのやりすぎで視力が落ちて(笑)。目立たない存在だった僕が、特に影響を受けたのがスチャダラパーの「暇の過ごし方」という曲でした。
こっちのけんと:今の「オモコロ」の原点のような話ですね。
原宿:まさにそうです。世間では「暇」は悪いことのように言われますよね。でも、「暇だからこそ生まれたことが世の中にはたくさんあるんじゃないか」と。「ピラミッドだって暇じゃなきゃ作れないだろ」って(笑)。
こっちのけんと:確かに(笑)! あんなに大きいもの、暇じゃなきゃ作ろうと思わないですよね。でも確かに、曲作るときとかも、暇なときに思いつくことも結構あって。
原宿:あると思いますよ。
こっちのけんと:暇って大事なんですね。
◆顔出しNG時代から“身軽”になれた理由
こっちのけんと:続いて、2つ目のモーメントをお願いします!
原宿:「2005年、テキストサイト管理人だけの大喜利ライブに出る」です。
こっちのけんと:テキストサイト管理人?
原宿:今のブログやSNSが普及する前の、個人ホームページ時代の文化ですね。自分でコードを書いて、日記やイラストを載せる「個人サイト」が主流だった頃です。
こっちのけんと:今のインスタアカウントの先駆けのようなものですね。
原宿:当時はハンドルネームで交流する「オフ会」という言葉がまだ生きていた時代で。松本人志さんの「一人ごっつ」などの影響で、芸人さんじゃない一般人が大喜利をやるのも面白いんじゃないか、という流れがあったんです。それで、文章が面白いとされていたサイト管理人たちが東京・新宿のロフトプラスワンに集まって、大喜利ライブをすることになりました。
こっちのけんと:でも、ネットで文章を書くのと、人前で喋るのは全く別物ですよね。
原宿:全く別物です。僕は当時、大学受験もせず、ただの無職(ニート)でしたから。
こっちのけんと:ええっ! 無職で大喜利ライブに出ていたんですか?
原宿:そうなんです(笑)。でも、ここがターニングポイントでした。ライブ映像を後で客観的に見直したときに、自分の中に「改善点」が次々と浮かんできたんですよ。
こっちのけんと:それはすごい。具体的にどんなことですか?
原宿:「この声の出し方は違うな」とか「回答を出すタイミングが早すぎる、もっと溜めないと」とか。第三者の視点で自分を見ときに、「あ、まだ伸び代があるな」と思えたんです。
こっちのけんと:自分の失敗を見て落ち込むのではなく、もっと面白くできるぞ、と。
原宿:そうなんです。そこから「自分を直していく作業」が楽しくなってしまった。当時のネットは顔出しをしないのが普通でしたし、僕も羞恥心はありましたが、面白さを追求するうちにどんどん身軽になっていきました。
こっちのけんと:その身軽さが、今の「オモコロ」に繋がっているんですね。
――Webメディア「オモコロ」は毎日更新中! また、ポッドキャスト「原宿の今じゃない企画室」の初回には、こっちのけんとが出演しています。
<番組概要>
番組名:G-SHOCK presents THE MOMENT
放送日時:毎週金曜 17:00~17:25
パーソナリティ:こっちのけんと
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/moment/
番組公式X:@TFM_THEMOMENT
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