2021.1.15
◆30歳のときに打撃が開花
宮本さんは、1970年生まれ大阪府出身。名門・PL学園から、同志社大学、プリンスホテルを経て、1994年のドラフト2位でヤクルトスワローズ(現・東京ヤクルトスワローズ)に入団。2004年アテネオリンピック、2008年北京オリンピックでは日本代表のキャプテンをつとめ、2013年のシーズンをもって42歳で現役を引退。2018年、2019年には、東京ヤクルトスワローズの1軍ヘッドコーチをつとめました。
丸山:宮本さんといえば、誰もが認める守備力! 僕も試合をよく観ましたけど、本当に上手かったですよね。
宮本:最初は「打てない」とよく言われていて、実際に(打撃の)成績も残っていませんでした。でも30歳ぐらいのときに中西太さんが臨時コーチとして来られて、“中西さんに教えてもらってダメなら、(プロを)やめればいいや”と思って、バットの形から構えまで(いままでの打撃スタイルを)全部捨てました。
丸山:なるほど。30歳に開花したんですね。そこから42歳までの12年でさまざまな記録を打ち立ててきたと。
宮本:そうですね。30歳までで(安打数は)500本くらいじゃないですかね(通算2,133安打)。
◆逃したオリンピックでの金メダル獲得
丸山:じゃあ、そこから残りを打ちまくって。オリンピック2大会連続で日本代表のキャプテンをされましたけど、自分のなかではいい思い出でしょ?
宮本:いい思い出と悪い思い出とですね。
丸山:そうなんだ!?
宮本:野球の場合、メダルは当たり前、できれば金メダルという目で見られるじゃないですか。
丸山:うん。
宮本:アテネオリンピックのときは初めてオールプロで臨んだ大会だったので、要求されるのは全勝で金メダルなわけで。でも予選リーグの4試合目でオーストラリアに負けたんです。その後、全部勝って予選は1位通過して。準決勝でまたオーストラリアに負けて、3位決定戦で(カナダに)勝ったんですけど。
丸山:オーストラリアの強さはなんだったの?
宮本:すごく研究されていたんです。そのときの大会はスコアラーも少なくて(対戦相手の)データが少なかったんですよ。
丸山:なるほど。
宮本:準決勝で投げてきたのは、オクスプリングというピッチャーで。彼は次の年に阪神タイガースに入団して、(成績は)大したことなかったんですけど。
丸山:そうなんだ(笑)。
宮本:球種は、ストレートとカーブとチェンジアップだったんですけど、カットボールも持っていたんです。それを隠していたんですよね。僕らが持っていたビデオではカットボールは投げていませんでしたから。
丸山:それにやられた?
宮本:それに面食らっているうちに、1対0で負けたんです。
丸山:こっちも打ち取っているのに、打てなかったと。
◆宮本慎也の目から見た現在のプロ野球界
丸山:野球界は高卒からプロの世界に入る人も多いじゃないですか。そうすると、そこまで勉強に力を入れている感じじゃないし、語学とか非常に難しいですよね。
宮本:難しいですね。でも、いまの子たちは目標がメジャーリーガーになっているので、けっこう中学の頃から英語を(真剣に)やっていると思います。僕の感覚だと、海外に行っても(ジェスチャーで)“なんとかなるだろう”って(笑)。
丸山:まったくなりません(笑)! 僕は(渡米して)経験済みですから。
宮本:ですよね(苦笑)。野球だと、特に僕が守っていたポジション(内野)だと、しゃべれないと絶対に無理なんで。
丸山:そうだよね。
宮本:僕がプロに入ったときに野茂(英雄)さんがメジャーリーグに行ったんですよ。僕ら(世代)は小さい頃からメジャーリーガーが夢ではなかったんですよ。夢は(日本の)プロ野球選手だったので。
丸山:うん。
宮本:野茂さんはメジャーリーグに行ったけど、“僕も”という気にはならなかったんですよ。FA(フリーエージェント)の権利を取得したとき、「バックアップ(守備要員)なら話があるよ」って言われたんです。
丸山:うん。
宮本:でも、バックアップということはレギュラーじゃないから、行っても面白くないじゃないですか。だから僕はアメリカでやるという発想はなくて。実際、冷静に判断して“ちょっと体力的に厳しいだろうな”と。
丸山:なるほどね。ゴルフ界も、いまはすごい世界になっちゃっているんですよ。350ヤードも飛ばして。
宮本:丸山さんがテレビでおっしゃっていましたよね。「面白くなくなってきた」と。(結局は)飛ばせばいいんじゃね~かって。
丸山:そういう感じになってきているんです。
宮本:野球界もそうですよ。2年間、コーチをやりましたけど“強い球を投げる”、“(打球を)遠くに飛ばす”能力というのは、僕らが現役のときと比べても全然上なんですよ。
丸山:うんうん。
宮本:でも、“この場面は(振らずに)ちょっと待ってほしい”というときもわからなくて“ガン!”って打ちにいったりするんですよ。“えっ、いまの場面でわざわざサイン出さなきゃいけないの?”みたいな。
丸山:そういう空気感も昔は阿吽の呼吸でわかったけれど、最近の選手はわからないと。いやぁ、話は尽きませんけど続きは来週ということで、次回もお願いします。
次回1月16日(土)の放送も、引き続き宮本さんをゲストに迎え、お届けします。お楽しみに!
「AuDee(オーディー)」では丸山茂樹のスピンアウト番組「MARUYAMA RADIO」が配信中! 丸山プロがゴルフに関する質問、疑問、人生相談などに答えます。音声は「AuDee(オーディー)」アプリで聴くことができます。
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聴取期限 2021年1月17日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:英語のアルク presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25
パーソナリティ:丸山茂樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moving/
元ヤクルト・宮本慎也「ダメならやめればいいや」と捨て身で臨んだ30歳シーズンに打撃が開花! その恩人とは?
プロゴルファーの丸山茂樹がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「英語のアルク presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY」。1月9日(土)の放送は、元プロ野球選手の宮本慎也さんが登場しました。
◆30歳のときに打撃が開花
宮本さんは、1970年生まれ大阪府出身。名門・PL学園から、同志社大学、プリンスホテルを経て、1994年のドラフト2位でヤクルトスワローズ(現・東京ヤクルトスワローズ)に入団。2004年アテネオリンピック、2008年北京オリンピックでは日本代表のキャプテンをつとめ、2013年のシーズンをもって42歳で現役を引退。2018年、2019年には、東京ヤクルトスワローズの1軍ヘッドコーチをつとめました。
丸山:宮本さんといえば、誰もが認める守備力! 僕も試合をよく観ましたけど、本当に上手かったですよね。
宮本:最初は「打てない」とよく言われていて、実際に(打撃の)成績も残っていませんでした。でも30歳ぐらいのときに中西太さんが臨時コーチとして来られて、“中西さんに教えてもらってダメなら、(プロを)やめればいいや”と思って、バットの形から構えまで(いままでの打撃スタイルを)全部捨てました。
丸山:なるほど。30歳に開花したんですね。そこから42歳までの12年でさまざまな記録を打ち立ててきたと。
宮本:そうですね。30歳までで(安打数は)500本くらいじゃないですかね(通算2,133安打)。
◆逃したオリンピックでの金メダル獲得
丸山:じゃあ、そこから残りを打ちまくって。オリンピック2大会連続で日本代表のキャプテンをされましたけど、自分のなかではいい思い出でしょ?
宮本:いい思い出と悪い思い出とですね。
丸山:そうなんだ!?
宮本:野球の場合、メダルは当たり前、できれば金メダルという目で見られるじゃないですか。
丸山:うん。
宮本:アテネオリンピックのときは初めてオールプロで臨んだ大会だったので、要求されるのは全勝で金メダルなわけで。でも予選リーグの4試合目でオーストラリアに負けたんです。その後、全部勝って予選は1位通過して。準決勝でまたオーストラリアに負けて、3位決定戦で(カナダに)勝ったんですけど。
丸山:オーストラリアの強さはなんだったの?
宮本:すごく研究されていたんです。そのときの大会はスコアラーも少なくて(対戦相手の)データが少なかったんですよ。
丸山:なるほど。
宮本:準決勝で投げてきたのは、オクスプリングというピッチャーで。彼は次の年に阪神タイガースに入団して、(成績は)大したことなかったんですけど。
丸山:そうなんだ(笑)。
宮本:球種は、ストレートとカーブとチェンジアップだったんですけど、カットボールも持っていたんです。それを隠していたんですよね。僕らが持っていたビデオではカットボールは投げていませんでしたから。
丸山:それにやられた?
宮本:それに面食らっているうちに、1対0で負けたんです。
丸山:こっちも打ち取っているのに、打てなかったと。
◆宮本慎也の目から見た現在のプロ野球界
丸山:野球界は高卒からプロの世界に入る人も多いじゃないですか。そうすると、そこまで勉強に力を入れている感じじゃないし、語学とか非常に難しいですよね。
宮本:難しいですね。でも、いまの子たちは目標がメジャーリーガーになっているので、けっこう中学の頃から英語を(真剣に)やっていると思います。僕の感覚だと、海外に行っても(ジェスチャーで)“なんとかなるだろう”って(笑)。
丸山:まったくなりません(笑)! 僕は(渡米して)経験済みですから。
宮本:ですよね(苦笑)。野球だと、特に僕が守っていたポジション(内野)だと、しゃべれないと絶対に無理なんで。
丸山:そうだよね。
宮本:僕がプロに入ったときに野茂(英雄)さんがメジャーリーグに行ったんですよ。僕ら(世代)は小さい頃からメジャーリーガーが夢ではなかったんですよ。夢は(日本の)プロ野球選手だったので。
丸山:うん。
宮本:野茂さんはメジャーリーグに行ったけど、“僕も”という気にはならなかったんですよ。FA(フリーエージェント)の権利を取得したとき、「バックアップ(守備要員)なら話があるよ」って言われたんです。
丸山:うん。
宮本:でも、バックアップということはレギュラーじゃないから、行っても面白くないじゃないですか。だから僕はアメリカでやるという発想はなくて。実際、冷静に判断して“ちょっと体力的に厳しいだろうな”と。
丸山:なるほどね。ゴルフ界も、いまはすごい世界になっちゃっているんですよ。350ヤードも飛ばして。
宮本:丸山さんがテレビでおっしゃっていましたよね。「面白くなくなってきた」と。(結局は)飛ばせばいいんじゃね~かって。
丸山:そういう感じになってきているんです。
宮本:野球界もそうですよ。2年間、コーチをやりましたけど“強い球を投げる”、“(打球を)遠くに飛ばす”能力というのは、僕らが現役のときと比べても全然上なんですよ。
丸山:うんうん。
宮本:でも、“この場面は(振らずに)ちょっと待ってほしい”というときもわからなくて“ガン!”って打ちにいったりするんですよ。“えっ、いまの場面でわざわざサイン出さなきゃいけないの?”みたいな。
丸山:そういう空気感も昔は阿吽の呼吸でわかったけれど、最近の選手はわからないと。いやぁ、話は尽きませんけど続きは来週ということで、次回もお願いします。
次回1月16日(土)の放送も、引き続き宮本さんをゲストに迎え、お届けします。お楽しみに!
「AuDee(オーディー)」では丸山茂樹のスピンアウト番組「MARUYAMA RADIO」が配信中! 丸山プロがゴルフに関する質問、疑問、人生相談などに答えます。音声は「AuDee(オーディー)」アプリで聴くことができます。
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聴取期限 2021年1月17日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:英語のアルク presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25
パーソナリティ:丸山茂樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moving/