2021.12.25
◆ここぞの試合でベストのパフォーマンスをするために
丸山:金メダルを獲得するまでには、どのような苦労があって、東京2020オリンピックに向けてどんな準備、調整をされてきたんでしょうか?
ウルフ:オリンピックが僕の最終的な目標だったので、その前にいくつか試合に出るなかで、僕はその試合も全部準備だと思っていて。そこでたくさん失敗をしてその失敗のなかからなにが駄目だったのかをしっかりと考えて、オリンピックで同じ失敗をしないように日々考えながらやっていました。ずっとオリンピックのための準備だったのかなと。
丸山:なるほど。じゃあ2016年リオデジャネイロオリンピックが終わった時点から。
ウルフ:次のオリンピックに向けてやっていましたね。ただ、オリンピックのことばかり考えていると一つひとつ試合があって“足元をすくわれる”と思っていたので、本当にオリンピックの準備だけになったのは、1年前からという感じです。
丸山:年間に何試合ぐらい大きな大会があるの?
ウルフ:僕は、出ても年間4試合ぐらいですね。
丸山:すごいよね。1年間に4試合しか思いきりやる試合がないという。
ウルフ:出ようと思えばもっと試合に出ることはできるんですけど、ケガなど(の可能性)もあるなかで、あまりたくさんの試合に出てしまうと、一番大事な試合でベストなパフォーマンスができないので。やっぱり日々の練習のなかでたくさんの技術を練習していきながら、大事な試合は“ここだ!”と決めたところに向かってしっかりと、どうやったら試合に勝てるかを考えて。
丸山:じゃあ、暇じゃないね。
ウルフ:暇じゃないですね。1日7~8時間は柔道に向けてのトレーニングをやっているので。逆に(ここと決めた)試合で勝たないとやってきたことの意味がなくなってしまうと僕は思っているので、そっちの不安のほうがありましたね。
丸山:そっかあ……オリンピックは4年に1回だもんね。今度は(準備期間が)3年しかないし、またそこに向けて調整していかなくちゃならない。4年に1回というのはきついよね。
ウルフ:その1日にベストのパフォーマンスに持っていかなきゃいけないと考えると、試合の2ヵ月前ぐらいから、夜中に寝られなくなることがありましたし、今、自分がやっていることが本当に正しいのかどうかわからないなか、手探りでやっていたので、優勝した瞬間はこれまでやってきたことが“正しかった”と思うことができて報われました。
丸山:朝起きたとき、絶好調なときとちょっと体が軽くないぞ、重苦しいなと思うときってあるよね?
ウルフ:ありますね。
丸山:決勝の日の朝はどんな感じだった?
ウルフ:当日の朝、起きたときに調子がいいか悪いかを確認するのは、階段を上がったときなんですよ。楽に階段を上がれると“今日は体の調子がいいな”って。逆に階段を上がったときにちょっと息苦しいと“今日はちょっと体の調子がよくないな”って感じますね。
丸山:なるほど。
ウルフ:それでなんとなくその日のパフォーマンスがわかるんですよ。
丸山:へぇ~。ここに金メダルを獲ったときの写真があるけど、(今よりも)ちょっとひと回り小さい感じがするね。
ウルフ:そうですね。このときの自分に戻りたいですね(苦笑)。
◆ウルフ「やってきたことが報われた」
丸山:決勝で印象的だったのは、延長の5分35秒。この時間って死ぬほど長く感じたでしょ?
ウルフ:そうですね。長く感じましたけど、普段の練習のなかからスタミナを鍛えるトレーニングをたくさんしていたので。
丸山:その効果が見られた試合でしたね。
ウルフ:普段から階段ダッシュをたくさんして、サーキットトレーニングを取り入れるなどして、どれだけ試合の時間が長くなっても息切れしないように。
丸山:その巨漢でサーキットトレーニングって相当きついよね。
ウルフ:きついですね。でも、きついことを繰り返しやっていると、どんどんきつくなくなってくるので。
丸山:なるほどね。
ウルフ:そこを極めながらやっていたので。延長戦は5分35秒でしたけど、これが10分になっても動けるだけのスタミナはありました。
丸山:そうなんだ!? 金メダルを獲った瞬間というのは、どんなことを思うの?
ウルフ:“これからたくさん番組に出られる”って。
丸山:ハハハハハ! おもしろい(笑)。
ウルフ:それは冗談として(笑)。やってきたことが報われたなという気持ちが強かったですね。
丸山:「礼に始まり、礼に終わる」と言われる柔道ですから、心がしっかりしていないと勝つのが難しいと思います。今回の金メダルを支えたメンタルの強さ、そのポイントは?
ウルフ:たくさんの方の応援や支えがあったのはもちろんですけど、自分のなかで手探りでなにが正しいのかを日々考えながら練習してきたことが自信としてありました。試合の2ヵ月前から寝られなくて試合の映像を観るなどしていたんですけど、試合前の2ヵ月間の緊張感から逃げなかったんですよね。
丸山:うん。
ウルフ:目をそむけずにしっかりと向き合って日々闘っていたので、試合当日になって逆に“思っていたよりも緊張しないじゃん”って思うことができたので、それがまたメンタルとして、パフォーマンスとしてもいい影響があったのかなと思います。
次回12月25日(土)の放送は、元ラグビー日本代表の大畑大介さんをゲストに迎え、お届けします。どうぞお楽しみに!
「AuDee(オーディー)」では、時間の都合上カットしたトーク部分も盛り込んだ「ディレクターズカット版」がアップされています。音声は「AuDee(オーディー)」アプリで聴くことができますので、ぜひそちらもチェックしてください。
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▶▶この日の放送内容を「radikoタイムフリー」でチェック!
聴取期限 2021年12月26日(日) AM 4:59 まで
スマートフォンは「radiko」アプリ(無料)が必要です。⇒詳しくはコチラ
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:NECネッツエスアイ presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25
パーソナリティ:丸山茂樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moving/
柔道金ウルフ・アロン、メダル獲得の瞬間は「やってきたことが報われたなという気持ちが強かった」
プロゴルファーの丸山茂樹がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「NECネッツエスアイ presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY」。12月18日(土)の放送は、前回に引き続き、東京2020オリンピック 柔道100kg級金メダリストのウルフ・アロン選手をゲストに迎え、お届けしました。
◆ここぞの試合でベストのパフォーマンスをするために
丸山:金メダルを獲得するまでには、どのような苦労があって、東京2020オリンピックに向けてどんな準備、調整をされてきたんでしょうか?
ウルフ:オリンピックが僕の最終的な目標だったので、その前にいくつか試合に出るなかで、僕はその試合も全部準備だと思っていて。そこでたくさん失敗をしてその失敗のなかからなにが駄目だったのかをしっかりと考えて、オリンピックで同じ失敗をしないように日々考えながらやっていました。ずっとオリンピックのための準備だったのかなと。
丸山:なるほど。じゃあ2016年リオデジャネイロオリンピックが終わった時点から。
ウルフ:次のオリンピックに向けてやっていましたね。ただ、オリンピックのことばかり考えていると一つひとつ試合があって“足元をすくわれる”と思っていたので、本当にオリンピックの準備だけになったのは、1年前からという感じです。
丸山:年間に何試合ぐらい大きな大会があるの?
ウルフ:僕は、出ても年間4試合ぐらいですね。
丸山:すごいよね。1年間に4試合しか思いきりやる試合がないという。
ウルフ:出ようと思えばもっと試合に出ることはできるんですけど、ケガなど(の可能性)もあるなかで、あまりたくさんの試合に出てしまうと、一番大事な試合でベストなパフォーマンスができないので。やっぱり日々の練習のなかでたくさんの技術を練習していきながら、大事な試合は“ここだ!”と決めたところに向かってしっかりと、どうやったら試合に勝てるかを考えて。
丸山:じゃあ、暇じゃないね。
ウルフ:暇じゃないですね。1日7~8時間は柔道に向けてのトレーニングをやっているので。逆に(ここと決めた)試合で勝たないとやってきたことの意味がなくなってしまうと僕は思っているので、そっちの不安のほうがありましたね。
丸山:そっかあ……オリンピックは4年に1回だもんね。今度は(準備期間が)3年しかないし、またそこに向けて調整していかなくちゃならない。4年に1回というのはきついよね。
ウルフ:その1日にベストのパフォーマンスに持っていかなきゃいけないと考えると、試合の2ヵ月前ぐらいから、夜中に寝られなくなることがありましたし、今、自分がやっていることが本当に正しいのかどうかわからないなか、手探りでやっていたので、優勝した瞬間はこれまでやってきたことが“正しかった”と思うことができて報われました。
丸山:朝起きたとき、絶好調なときとちょっと体が軽くないぞ、重苦しいなと思うときってあるよね?
ウルフ:ありますね。
丸山:決勝の日の朝はどんな感じだった?
ウルフ:当日の朝、起きたときに調子がいいか悪いかを確認するのは、階段を上がったときなんですよ。楽に階段を上がれると“今日は体の調子がいいな”って。逆に階段を上がったときにちょっと息苦しいと“今日はちょっと体の調子がよくないな”って感じますね。
丸山:なるほど。
ウルフ:それでなんとなくその日のパフォーマンスがわかるんですよ。
丸山:へぇ~。ここに金メダルを獲ったときの写真があるけど、(今よりも)ちょっとひと回り小さい感じがするね。
ウルフ:そうですね。このときの自分に戻りたいですね(苦笑)。
◆ウルフ「やってきたことが報われた」
丸山:決勝で印象的だったのは、延長の5分35秒。この時間って死ぬほど長く感じたでしょ?
ウルフ:そうですね。長く感じましたけど、普段の練習のなかからスタミナを鍛えるトレーニングをたくさんしていたので。
丸山:その効果が見られた試合でしたね。
ウルフ:普段から階段ダッシュをたくさんして、サーキットトレーニングを取り入れるなどして、どれだけ試合の時間が長くなっても息切れしないように。
丸山:その巨漢でサーキットトレーニングって相当きついよね。
ウルフ:きついですね。でも、きついことを繰り返しやっていると、どんどんきつくなくなってくるので。
丸山:なるほどね。
ウルフ:そこを極めながらやっていたので。延長戦は5分35秒でしたけど、これが10分になっても動けるだけのスタミナはありました。
丸山:そうなんだ!? 金メダルを獲った瞬間というのは、どんなことを思うの?
ウルフ:“これからたくさん番組に出られる”って。
丸山:ハハハハハ! おもしろい(笑)。
ウルフ:それは冗談として(笑)。やってきたことが報われたなという気持ちが強かったですね。
丸山:「礼に始まり、礼に終わる」と言われる柔道ですから、心がしっかりしていないと勝つのが難しいと思います。今回の金メダルを支えたメンタルの強さ、そのポイントは?
ウルフ:たくさんの方の応援や支えがあったのはもちろんですけど、自分のなかで手探りでなにが正しいのかを日々考えながら練習してきたことが自信としてありました。試合の2ヵ月前から寝られなくて試合の映像を観るなどしていたんですけど、試合前の2ヵ月間の緊張感から逃げなかったんですよね。
丸山:うん。
ウルフ:目をそむけずにしっかりと向き合って日々闘っていたので、試合当日になって逆に“思っていたよりも緊張しないじゃん”って思うことができたので、それがまたメンタルとして、パフォーマンスとしてもいい影響があったのかなと思います。
次回12月25日(土)の放送は、元ラグビー日本代表の大畑大介さんをゲストに迎え、お届けします。どうぞお楽しみに!
「AuDee(オーディー)」では、時間の都合上カットしたトーク部分も盛り込んだ「ディレクターズカット版」がアップされています。音声は「AuDee(オーディー)」アプリで聴くことができますので、ぜひそちらもチェックしてください。
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聴取期限 2021年12月26日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:NECネッツエスアイ presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25
パーソナリティ:丸山茂樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moving/