2020.9.26
◆発起人・本田圭佑のサッカーチームGMに就任
丸山:今回は、乙武さんの最近の活動について語っていただきたいと思います。まず、サッカーチームのGMに就任されたと。
乙武:そうです。サッカー元日本代表の本田圭佑さんが発起人となって「One Tokyo」というチームを立ち上げたんです。ただ新設のチームなので、まだ東京都社会人リーグの4部という、J1をピラミッドとする一番下のカテゴリーからのスタートなんですけど。
丸山:そこから這い上がっていこうとしているわけですね。
乙武:はい。ここはすごく面白いクラブで、いろいろなクラブの決まりごととか、そもそもお金の使い方とかそういったものも“ファミリー”と呼ばれるオンラインサロンのメンバーによる投票で全部決められていくんです。監督は、タレントの武井壮さんなんですよ。
丸山:壮ちゃんが監督と。
乙武:監督も、誰がやるかということで、いろいろな人が手を挙げて、みんな(オンラインサロンのメンバー)の投票で武井さんが選ばれ、GMもいろいろな人が手を挙げるなかで私も立候補させていただいて、私に一番投票が集まって就任しました。
丸山:すごいメンバーだ。監督とGMは、“武武コンビ”で。
乙武:2人ともサッカーをやったことがない(苦笑)。
丸山:壮ちゃんもどちらかというと、陸上、野球、ゴルフ、ビリヤードとかだもんね。でも、スポーツにはなんでも長けている男ですから。今後、底辺からですけど、どんなチームに?
乙武:もちろん発起人である本田さんがやりたいサッカーのプレースタイルがあるんですけど、まずは健全な野心を持って上に上がっていきたいという思いを持っている選手、そしてなによりも社会人チームなので、審判に文句を言ったり、ミスした仲間を責めたりだとか、そういった態度ではなく、きちんと紳士的な振る舞い、スポーツマンシップというものを体現できる選手を集めていこうとGMとしては思っています。
丸山:なるほど。
乙武:まだ今は最下部のカテゴリーなんですけど、本当に素晴らしいメンバーが集まってきてくれているので、わりと勝ち進んでいる状態です。どういう選手を試合に出すかというのも、実力はもちろんなんですが、日常での態度ですとか、そういったことも加味しながら、選手を集めたり起用したりというのが、基本路線となっていますね。
丸山:ジェントルマンのチームに仕上げようと。最終的にJリーグを目指しているわけですよね?
乙武:はい、十何年はかかると思うんですけど。
丸山:そんなに!?
乙武:今は東京都リーグの4部なんですが、3部、2部、1部、関東リーグの2部、1部、JFL、J3、J2、J1と。
丸山:長き道のりだな、これは(苦笑)。
乙武:そうなんですよ。
◆「OTOTAKE PROJECT」に込めた思い
丸山:最新技術を搭載した義足での歩行に挑戦する「OTOTAKE PROJECT」に取り組まれていて。僕、テレビで観たんですけど、けっこう大変そうですよね。
乙武:大変なんですよ。
丸山:今まで歩いたことがなかったから、“歩く”というのが脳にないんですよね。
乙武:はい。両足とも膝から下がない方というのは、これまでの技術だと歩くことはなかなか難しいと言われていたんですね。というのも、人間が歩くのにあたっては、膝が果たしている機能がすごく重要らしいんです。
丸山:なるほど。
乙武:普段、みなさんが歩いているときって、自然と膝が曲がり、でもガクッと曲がりすぎず、適度なところでロックがかかり、そこからまた伸ばしていくということを右、左、右、左……と繰り返すことによって歩行って成り立っているんですけど。
丸山:うん。
乙武:それって、いちいち脳から指令して意識していないじゃないですか。自然とやっているわけですよ。その膝がないと、これまでは再現する技術ってなかったらしいんですね。
丸山:はい。
乙武:今回、遠藤謙さん(Sony CSL)という義足エンジニアの方が、人間の膝をほぼ再現できるモーターを開発して、そのモーターを組み込んだロボット義足が誕生したんです。
丸山:ほぉ~。
乙武:これを普通に学会とかで発表したところで、そんなに世間には知られないだろうと。もっと世間に(この技術について)インパクトを残すには、「乙武さんにはいてもらうのがいいんじゃないか」ということで、私に白羽の矢が立ったんですけど。
丸山:はい。
乙武:先ほど丸山さんがおっしゃったように、一度も二足歩行をしたことのない人間が(義足ロボットを)はくのは四苦八苦するのと、私の場合、40年以上座って生活してきているので、体がアルファベットの“L”の形に凝り固まっちゃっているんですよ。
丸山:なるほど。
乙武:腰がずっと曲がっちゃったままなので、いざ義足をはいて立った瞬間は頑張って“I”の字(の体勢)にできるんですけど、歩くうちに自然と体が“L”の字に戻ろうとしちゃって、前傾姿勢になって倒れていくと。そういう癖が最初はなかなか抜けなかったんですよね。
丸山:はい。
乙武:義足がどんなに軽量化したとはいえ、片足4.5kg、合わせて9kgあるんですよ。
丸山:そんなに重いんですか!?
乙武:それを短い私の足にくくりつけて歩くので、やっぱり筋力トレーニングも一からしなきゃいけないので。今は夜な夜な、マンションの非常階段を50フロア、義足をはかずに自分のこの短い足で上っていくというトレーニングを。
丸山:うわぁ~、大変だ。
乙武:もう44歳なんですけどね(苦笑)。
丸山:テレビで(「OTOTAKE PROJECT」を)観ていて、すごいところに飛び込んでしまったなと思ったんですけど。
乙武:私は生まれつきこの体なので、特にこれまで“二足歩行できるようになりたい”という思いを抱いていたわけではないんですね。
丸山:はい。
乙武:ただ、中途障がい、つまり途中まで健常者として歩くことができていて、事故や病気によって足を失ってしまった方というのは、やはりもう一度二足歩行したいという思いを強く持っていらっしゃるみたいなんです。
丸山:はい。
乙武:今回、私たちのプロジェクトをなるべく進展させて、こういった義足が実用化に近づけば近づくほど、そうした境遇の方がもう一度自分の足で歩くことができるようになるという希望が少し見えてくるので、そういう意味でも自分のためというよりは、次世代の方々のためになにか希望が持てるようなプロジェクトになったらいいなという思いで。
丸山:乙武さんをきっかけに進化していくということですね。
乙武:そうですね。
丸山:ずっと(テレビでこのプロジェクトを)追いかけてほしいなって。乙武さんがどこまで歩けるようになるのか、観てみたい。この秋以降はどんな活動を?
乙武:まだまだ「OTOTAKE PROJECT」は道半ばですので、引き続きこれを頑張っていきたいなというのもありますし、今年5月から始めたYouTube(「乙武洋匡の情熱教室」)でいろいろな企画をやらせていただいていて。
丸山:はい。
乙武:脳性まひの少年とPK対決をしたり、人生で初めて料理に挑戦したり……そんなこともやっているので、まだまだやろうと思えばやれそうなことがたくさんあると思うので、いろいろなことにトライしつつ、丸山さんとのパターゴルフ対決も。
丸山:それはぜひ実現させましょう!
次回9月26日(土)の放送は、プロゴルファーの星野陸也選手をゲストに迎え、お届けします。お楽しみに!
「AuDee(オーディー)」では丸山茂樹のスピンアウト番組「MARUYAMA RADIO」が配信中! 丸山プロがゴルフに関する質問、疑問、人生相談などに答えます。音声は「AuDee(オーディー)」アプリで聴くことができます。
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聴取期限 2020年9月27日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:英語のアルク presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25
パーソナリティ:丸山茂樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moving/
乙武洋匡 GMをつとめるサッカーチーム「One Tokyo」が目指すJ1までの長い道のり
プロゴルファーの丸山茂樹がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの番組「英語のアルク presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY」。9月19日(土)の放送は、前回に引き続き、作家の乙武洋匡さんが登場しました。
◆発起人・本田圭佑のサッカーチームGMに就任
丸山:今回は、乙武さんの最近の活動について語っていただきたいと思います。まず、サッカーチームのGMに就任されたと。
乙武:そうです。サッカー元日本代表の本田圭佑さんが発起人となって「One Tokyo」というチームを立ち上げたんです。ただ新設のチームなので、まだ東京都社会人リーグの4部という、J1をピラミッドとする一番下のカテゴリーからのスタートなんですけど。
丸山:そこから這い上がっていこうとしているわけですね。
乙武:はい。ここはすごく面白いクラブで、いろいろなクラブの決まりごととか、そもそもお金の使い方とかそういったものも“ファミリー”と呼ばれるオンラインサロンのメンバーによる投票で全部決められていくんです。監督は、タレントの武井壮さんなんですよ。
丸山:壮ちゃんが監督と。
乙武:監督も、誰がやるかということで、いろいろな人が手を挙げて、みんな(オンラインサロンのメンバー)の投票で武井さんが選ばれ、GMもいろいろな人が手を挙げるなかで私も立候補させていただいて、私に一番投票が集まって就任しました。
丸山:すごいメンバーだ。監督とGMは、“武武コンビ”で。
乙武:2人ともサッカーをやったことがない(苦笑)。
丸山:壮ちゃんもどちらかというと、陸上、野球、ゴルフ、ビリヤードとかだもんね。でも、スポーツにはなんでも長けている男ですから。今後、底辺からですけど、どんなチームに?
乙武:もちろん発起人である本田さんがやりたいサッカーのプレースタイルがあるんですけど、まずは健全な野心を持って上に上がっていきたいという思いを持っている選手、そしてなによりも社会人チームなので、審判に文句を言ったり、ミスした仲間を責めたりだとか、そういった態度ではなく、きちんと紳士的な振る舞い、スポーツマンシップというものを体現できる選手を集めていこうとGMとしては思っています。
丸山:なるほど。
乙武:まだ今は最下部のカテゴリーなんですけど、本当に素晴らしいメンバーが集まってきてくれているので、わりと勝ち進んでいる状態です。どういう選手を試合に出すかというのも、実力はもちろんなんですが、日常での態度ですとか、そういったことも加味しながら、選手を集めたり起用したりというのが、基本路線となっていますね。
丸山:ジェントルマンのチームに仕上げようと。最終的にJリーグを目指しているわけですよね?
乙武:はい、十何年はかかると思うんですけど。
丸山:そんなに!?
乙武:今は東京都リーグの4部なんですが、3部、2部、1部、関東リーグの2部、1部、JFL、J3、J2、J1と。
丸山:長き道のりだな、これは(苦笑)。
乙武:そうなんですよ。
◆「OTOTAKE PROJECT」に込めた思い
丸山:最新技術を搭載した義足での歩行に挑戦する「OTOTAKE PROJECT」に取り組まれていて。僕、テレビで観たんですけど、けっこう大変そうですよね。
乙武:大変なんですよ。
丸山:今まで歩いたことがなかったから、“歩く”というのが脳にないんですよね。
乙武:はい。両足とも膝から下がない方というのは、これまでの技術だと歩くことはなかなか難しいと言われていたんですね。というのも、人間が歩くのにあたっては、膝が果たしている機能がすごく重要らしいんです。
丸山:なるほど。
乙武:普段、みなさんが歩いているときって、自然と膝が曲がり、でもガクッと曲がりすぎず、適度なところでロックがかかり、そこからまた伸ばしていくということを右、左、右、左……と繰り返すことによって歩行って成り立っているんですけど。
丸山:うん。
乙武:それって、いちいち脳から指令して意識していないじゃないですか。自然とやっているわけですよ。その膝がないと、これまでは再現する技術ってなかったらしいんですね。
丸山:はい。
乙武:今回、遠藤謙さん(Sony CSL)という義足エンジニアの方が、人間の膝をほぼ再現できるモーターを開発して、そのモーターを組み込んだロボット義足が誕生したんです。
丸山:ほぉ~。
乙武:これを普通に学会とかで発表したところで、そんなに世間には知られないだろうと。もっと世間に(この技術について)インパクトを残すには、「乙武さんにはいてもらうのがいいんじゃないか」ということで、私に白羽の矢が立ったんですけど。
丸山:はい。
乙武:先ほど丸山さんがおっしゃったように、一度も二足歩行をしたことのない人間が(義足ロボットを)はくのは四苦八苦するのと、私の場合、40年以上座って生活してきているので、体がアルファベットの“L”の形に凝り固まっちゃっているんですよ。
丸山:なるほど。
乙武:腰がずっと曲がっちゃったままなので、いざ義足をはいて立った瞬間は頑張って“I”の字(の体勢)にできるんですけど、歩くうちに自然と体が“L”の字に戻ろうとしちゃって、前傾姿勢になって倒れていくと。そういう癖が最初はなかなか抜けなかったんですよね。
丸山:はい。
乙武:義足がどんなに軽量化したとはいえ、片足4.5kg、合わせて9kgあるんですよ。
丸山:そんなに重いんですか!?
乙武:それを短い私の足にくくりつけて歩くので、やっぱり筋力トレーニングも一からしなきゃいけないので。今は夜な夜な、マンションの非常階段を50フロア、義足をはかずに自分のこの短い足で上っていくというトレーニングを。
丸山:うわぁ~、大変だ。
乙武:もう44歳なんですけどね(苦笑)。
丸山:テレビで(「OTOTAKE PROJECT」を)観ていて、すごいところに飛び込んでしまったなと思ったんですけど。
乙武:私は生まれつきこの体なので、特にこれまで“二足歩行できるようになりたい”という思いを抱いていたわけではないんですね。
丸山:はい。
乙武:ただ、中途障がい、つまり途中まで健常者として歩くことができていて、事故や病気によって足を失ってしまった方というのは、やはりもう一度二足歩行したいという思いを強く持っていらっしゃるみたいなんです。
丸山:はい。
乙武:今回、私たちのプロジェクトをなるべく進展させて、こういった義足が実用化に近づけば近づくほど、そうした境遇の方がもう一度自分の足で歩くことができるようになるという希望が少し見えてくるので、そういう意味でも自分のためというよりは、次世代の方々のためになにか希望が持てるようなプロジェクトになったらいいなという思いで。
丸山:乙武さんをきっかけに進化していくということですね。
乙武:そうですね。
丸山:ずっと(テレビでこのプロジェクトを)追いかけてほしいなって。乙武さんがどこまで歩けるようになるのか、観てみたい。この秋以降はどんな活動を?
乙武:まだまだ「OTOTAKE PROJECT」は道半ばですので、引き続きこれを頑張っていきたいなというのもありますし、今年5月から始めたYouTube(「乙武洋匡の情熱教室」)でいろいろな企画をやらせていただいていて。
丸山:はい。
乙武:脳性まひの少年とPK対決をしたり、人生で初めて料理に挑戦したり……そんなこともやっているので、まだまだやろうと思えばやれそうなことがたくさんあると思うので、いろいろなことにトライしつつ、丸山さんとのパターゴルフ対決も。
丸山:それはぜひ実現させましょう!
次回9月26日(土)の放送は、プロゴルファーの星野陸也選手をゲストに迎え、お届けします。お楽しみに!
「AuDee(オーディー)」では丸山茂樹のスピンアウト番組「MARUYAMA RADIO」が配信中! 丸山プロがゴルフに関する質問、疑問、人生相談などに答えます。音声は「AuDee(オーディー)」アプリで聴くことができます。
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聴取期限 2020年9月27日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:英語のアルク presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25
パーソナリティ:丸山茂樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moving/