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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
手紙を受け取る喜び、手紙を送るワクワク感、
手紙に詰まった想いをラジオを通して全国に届けます。
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作家・翻訳家の森下圭子さんとフィンランドのお話

  • ON AIR
  • 2026/07/19

作家・翻訳家 森下圭子さんをお迎えして

写真 今回はスタジオに、フィンランドの魅力を発信されている作家・翻訳家の森下圭子さんをお迎えしました。
写真 森下さんはムーミン研究のため1994 年秋にフィンランドへ渡り、現在はヘルシンキ在住。翻訳や通訳のほか取材や視察のコーディネートをする傍ら、連載などでフィンランドのレポートも。フィンランド各地の暮らしや文化、人々の価値観を取材し、北欧の魅力を伝えていらっしゃいます。

小山「ムーミン研究がきっかけでフィンランドに行かれたんですね」

宇賀「もともとムーミンがお好きだったんですか?」

森下「大学生の時に再読したんですね。ムーミンの物語を読んだ時に、なんで前衛的な文学なんだろうと。衝撃を受けまして、こんな文学が育つ背景を知りたいと思ってフィンランドに行ったのがきっかけです」
写真 宇賀「そのムーミンの魅力はまたのちほど、じっくりうかがいたいんですけれども、まずフィンランドについて。フィンランドを初めて訪れたのはいつですか?」

森下「1994年の秋で、実はフィンランドは空前の経済不況の時期で。失業率が2割を超えている、そういう時期に行きました」

小山「でも今は世界幸福度ランキング1位ですよね。その頃はどん底だったんですか?」

森下「当時は実は自殺率も世界のトップクラスと呼ばれているような時代だったのが、あっという間にそれを改善させて、今ではヨーロッパ平均くらいにまで」

小山「それは国が何を変えたんですか?」

森下「当時、私が行った時、フィンランドの国も教育も必ずのように言っていたのが、一人ひとりの特性とかをどうやって活かしていこうか、ということ。人一人の人材も無駄にはできないので、その人材をきちんと私たちは活用できるようにしようと、国も教育も舵を取っていたんです」
写真 宇賀「フィンランド、有名な教会や図書館にも行きました。やっぱり素晴らしいですよね。全然違うというか」

森下「図書館も椅子が決まったところにあるんじゃなくて、自分の好きなところに移動させて」

宇賀「坂みたいになっているところに自由に座っていいんですよね」

小山「フィンランドは明るい時間が短くないですか?」

森下「冬の間は暗いですね。小学生とかは暗闇の中を登校しているんですよね。冬は本当に人に会いたくなくなったりとか、寝ても寝ても寝足りないとか、そういうことはありますね」

宇賀「慣れるまでに一番大変だったことは何ですか?」

森下「冬かもしれないです。まだ慣れていないですね、だんだん辛くなっているかもしれないです。1年目だけは『わー、すごい暗くなるのが早い!』とか思いながら生活していましたけれど、体が覚えていて辛くなったりとか。あとはフィンランド語は、いつまで経っても終わりが見えないところを歩いている感じがしますね」
写真 小山「冬が辛い分、春が楽しみなんじゃないですか? 何を見たら春が来たなと思うんですか?」

森下「フィンランドは海の上を歩けるくらい凍ったりするんですね。海や湖の氷が溶けていった時ですね。それかある日突然、日が長くなったな、と感じる、顔に当たる太陽が春を教えてくれるところはありますね」

宇賀「夏はずっと明るいですもんね」
写真 森下さんが研究されているムーミンについてもうかがいました。

小山「ムーミンはフィンランドの人にとってどんな存在なんですか?」

森下「私自身はムーミン谷の人たちみたいだと思っていたんですけど、本人たちはあんまり気づいていなくて。でも最近はどういうふうな存在になったかというと、自分たちの文化的、あるいは精神的なバックボーンみたいになっているところがあるなと思います。ムーミンの言葉に支えられてとか、励まされている人たちがとてもこの時代に増えている印象ですね」

小山「ムーミンは有名なのは有名なんですか?」

森下「すごく有名です。ただやっぱり、1990年に日本で作られたムーミンのアニメーションが、フィンランドのムーミンを揺るぎない存在にしてくれた、みたいなところがあったみたいです」

小山「1990年ですか? 結構最近ですね!」
写真 森下「1945年に最初の作品が出るんですけども、トーベ・ヤンソンはスウェーデン語系フィンランド人で、スウェーデン語でもともと書かれていたこともあって、あまりフィンランドの人たちにとっては馴染みのものではなかったんです」

小山「じゃあ先に日本でブレイクしたんですか?」

森下「どちらかというと。フィンランドでもいくつか波はありました、と聞いたんですけども、国民みんなが知っている存在になったのは……」

小山「日本のアニメーションがきっかけ?」

森下「そうなんですって」
写真 宇賀「私が子どもの頃にまさにアニメーションが放送されていて、よく見ていたんですけど。子どもだから深いところまでよくわかっていなくて。ちゃんと大人になってから読んだことがないので、どういう話なのかぼんやりしているんですけど」

森下「私自身が魅力的だなと思うことと、フィンランドの人たちと比べてよく似ているな、と思うことを一つ挙げるならば、一人ひとりの個性が際立っているんですね。それでもなんとなくみんなでうまいことやっている人たち、という感じで」

小山「スナフキンとか変わっていますもんね」

森下「みんな変わっていますよね。みんな変わっているのに嫌な奴が一人もいないんですよ。ちょっとこの人迷惑かな? とも思うんだけども、そうじゃない面がちゃんと見えていたりとか。この人は面倒くさい陽気なおじさんだな、と思っていても、ムーミンの物語の中に、ちゃんとその人に憧れを抱いている小さな存在がいたりとか、という感じで」

小山「でも森下さんの場合はそのムーミンに惹かれてフィンランドに行ったんですよね。そこまで惹きつけた一番のポイントはどこなんですか?」
写真 森下「最初に読んだ時に潔いと思ったのが、『私はこう理解されたい』とか『こう読んでください』というような面がまったく本の中になかったんです。『好きに読みなさい、あなたの自由に』。どうしてこういうのが生まれたんだろうと思ったんですけども、行ってみたら、フィンランドの人たちがみんなちょっとそういう感じの人たちだったんです。だから私自身、それまで自分が勝手に先入観として自分に植え付けていた、いい大人にならないといけないという足枷が外れたなと思ったんです」

小山「どうしても体裁を考えたりとかしますよね、日本人は。こう見られないといけない、とか」

森下「そうですよね、ちょっと先回りをして考えたりとかがあるんですけど。あんまりそういうことを考えなくて、自分がやりたいように、おもてなしも自分が楽しめば相手も楽しんでくれると、フィンランドの人たちと接していると感じるんですよね」

宇賀「この番組は『お手紙』をテーマにお送りしているのですが、森下さんがお手紙を書きたくなるような場所、どこかありますか?」
写真 森下「私は自分が今、目の前に見ている感動を共有するために手紙を書くことが多いので、やっぱり美しいところ。今、私が一番好きなのは、トーベ・ヤンソンが夏を過ごしていた群島の地域があるんですね。そこが大好きで。海を見ながら変わっていく風景を手紙に書くのが好きですね」

宇賀「そして今日は森下さんに、『今、想いを伝えたい方』に宛てたお手紙を書いてきていただきました。どなたに宛てたお手紙ですか?」

森下「今日はムーミンのお話もしたということで、ムーミントロールに。私が一番似ているなと思って大好きな、ムーミントロールに宛てて手紙を書いてみました」
写真 森下さんから、ムーミントロールへ宛てたお手紙は、ぜひradikoでお聞きください。
(*7月26日まで聴取可能)

宇賀「今日の放送を聞いて、森下さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【〒102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 森下圭子さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」

今年の6月から、今年の6月からムーミンと日本郵便がコラボレーションした「手紙を送ろう」プロジェクトがスタートしています。そのプロジェクトの1つとして「ムーミンのものがたり 読書感想文・感想画コンテスト」が、7月22日(水)から開催されます。対象の書籍を読んで、感想を文章や絵にして、はがきで応募するコンテストです。素敵な賞品もあるようですので、ぜひ「ムーミンのものがたり」webページをご覧ください。
対象書籍:小説「ムーミン谷の彗星」または、えほん「ムーミントロールとすい星がきた日」

「ムーミンのものがたり」
写真 森下圭子さん、ありがとうございました!

今回の放送は、radiko タイムフリーでもお楽しみいただけます。

「SUNDAY’S POST」Xのアカウントはこちらから。
写真 写真

第59回手紙作文コンクールのお知らせ

日本郵便主催の「第59回手紙作文コンクール」の応募作品を募集しています。将来を担う子どもたちが手紙に親しみ、手紙を書く機会を増やすことで意思を相手に伝える能力を向上させるとともに、文章表現によるコミュニケーションの魅力を知ってもらうことで、手紙文化の一層の振興を図り、豊かな心を育むことを目的とします。
コンクールは、はがき作文部門、絵手紙部門、はがきコミュニケーション部門の3部門に分けて実施します。応募締切は、9月18日(金)の当日消印有効です。詳細は、日本郵便ホームページの手紙作文コンクールのページをご覧ください。

手紙作文コンクール 特設ページ

皆さんからのお手紙、お待ちしています

毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆「文風」をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

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松山中央郵便局のみなさん


今回のメッセージは、愛媛県〈松山中央郵便局〉石田 智也さんでした!

「80歳になる母親に小学校2年生の僕の息子が、毎年年賀状を手書きで送っています。毎回返事が届くのですが、おばあちゃんが子どもに読みやすいようにひらがなで書いて送ってきてくれるので、それを読むのが楽しみになっています。年賀状やおばあちゃんの誕生日など何かしらイベントの時に手紙を出すようにしています。やっぱり手紙は、後でも見返せるので、今後も続けていきたいと思います。子どもが小学生になり、字も絵も上手になってきたので、次はおばあちゃんの誕生日の9月に合わせて2人で考えながら、手紙を出したいなと思います。」

※出演した郵便局、及び郵便局員宛ての手紙はいただいてもお返事できない場合がございます。あらかじめご了承ください。
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