大ブームのサウナ文化にせまる!/来年の干支、子年について学ぶ
- 2019/11/24
サウナ文化研究家 こばやしあやなさんをお迎えして
11月26日「いい風呂の日」が目前に迫った今回は、日本でも大ブーム中の「サウナ」についてのお話をお届けします。
宇賀「今年、ドラマ化もされたりして話題になりました、『サ道』。お茶の道、ではなくて、サウナの道で『サ道』ですね」
小山「サウナは本当に流行っていますよね。宇賀さんは行きますか?」
宇賀「私は以前から大好きです。この前も京都でお酒を飲むお仕事があって……」
小山「ちょっと待って、お酒を飲む仕事って何ですか?(笑)」
宇賀「まだ詳しくは言えないんですけど(笑)。翌朝、京都でどうしてもサウナとか温泉に入りたいなと思って、嵐山にある『風風の湯』というところに行きました。ドライサウナも外に付いていて、水風呂と行ったり来たりしながら」
小山「それがいいですよね、サウナは」
宇賀「今週はサウナの話をしていきたいんですけども、『サ道』の家元であり、日本で唯一のサウナ大使、しかもそもそもは漫画家でいらっしゃるタナカカツキさんに、最近のサウナ事情を伺ってきました」
放送ではタナカさんからいただいたコメントを紹介しました。やはりタナカさんがサウナに行き始めた10年前に比べて今は若い客層、特に女性のサウナ愛好家が増えている印象が強いとのこと。そして日本だけではなく、いまは世界的にサウナブームが到来していて、フィンランドでもヘルシンキで新しい公衆サウナが誕生しているのだとか。そして、日本はいま居心地のいいサウナが増えていること、サウナに「整う」ことを期待して来る人が増えた、など、日本のサウナ事情の変化をうかがいました。
小山「『整う』って言葉は、タナカさんが流行らせたんですよね。僕の今年の流行語大賞は、この『整う』ですよ」
宇賀「そんなサウナ発祥の地といえば、北欧、フィンランド。今日は、そんな本場のサウナについてお話伺って見たいと思います。フィンランド在住のサウナ文化研究家、こばやしあやなさんです」
こばやしさんがフィンランドを訪れたきっかけは、音楽。高校生の頃、ヴィオラの演奏をしていたこばやしさんは作曲家・シベリウスの作品と出会います。シベリウスが母国の歴史や自然からインスピレーションを受けていることを知り、21歳でフィンランドを訪れます。
こばやし「サウナは日本では全く入ったことがなくて。初めてフィンランドに行った時に、泊まらせてもらったおじいちゃんが自分の作ったサウナを所有されていて。湖畔にあるサウナだったんですけど、その時は3月だったので、そばにある湖は凍っていて、雪も積もっていたんです。おじいちゃんに『フィンランド人は熱いサウナに入って、それからこの湖に飛び込むんだ』って教えてもらって……」
小山「小林さんも湖に入ったんですか?」
こばやし「『フィンランドはサウナの中では、身分、性別、肩書き、国籍、全部平等だから、みんな裸で入っても何も問題ないんだよ』っておじいちゃんに言われて」
小山「水着もつけずに入ったんですか?」
こばやし「すっぽんぽんでした」
宇賀「すごい!」
こばやし「初の海外旅行だったので、郷に入れば郷に従えということで」
本場・フィンランドのサウナは、「蒸気を浴びる」ことが醍醐味。部屋の隅のストーブや電気の熱で温めた石に、水をかけて蒸気を出し、天井まで一度上がったその蒸気を体に浴びるのだとか。
小山「フィンランドの人は、サウナには何分くらい入っているんですか?」
こばやし「砂時計も12分計もないので。誰も自分が何分入っているかが、わからないと思うんですよ。外的指標に縛られるんじゃなくて、その日の自分の体調とか気分とかで、居たいだけ居て、出る……っていうのがフィンランドのサウナの鉄則なので」
小山「いままで、記憶に残っているサウナは?」
こばやし「やっぱり、先ほどのおじいちゃんが作ったサウナですね。それから公衆サウナ、という文化に強く惹かれていまして、研究領域にもなっています」
公衆サウナ、とはどんなサウナなのでしょうか?
こばやし「要は街角で営業している、お風呂屋さんならぬサウナ屋さんです。ヘルシンキという街ができて人が増えてきて、当時はまだ薪サウナしかなかったので、集合住宅にはサウナ室が作れなかったんですよ。火事の危険性もあるし、排煙装置を付けるのも大変なので。当時はシャワーがない家も多かったので、そういうところに住んでいた人が、サウナを求めて行ったのが公衆サウナなんです」
小山「では、知らない人同士で入って、その中でコミュニケーションが生まれるっていうのはよくあることなんですか?」
こばやし「フィンランド人のサウナの過ごし方ってとにかく日本と違っていて。元来は教会のように、静かに瞑想する場所というニュアンスもあったんですけど、ついお話が弾んじゃうし、知らない人同士でもコミュニケーションが進むので。『(石に)蒸気をかけていいですか?』という一言から会話が始まったりするんです」
小山「フィンランドでは、会社でサウナ・ミーティングみたいなことはないんですか?」
こばやし「本会議は会議室でやりますけど、そのあとに、打ち上げみたいな感じで『行きますか!』っていうことはありますね。オフィスでも、会議室の横の通路を通ったら、そのままサウナに入れるところもあるんですよ。そのまま打ち上げを始めて、でもやっぱり仕事の話はして、そのままそこで商談が決まったりすることもある、というのは聞きますね」
そして、薫堂さんからこんな質問が。
小山「こばやしさんにとって、サウナとは何ですか?」
こばやし「居場所ですね。やっぱり、私は一移民なので。フィンランドの実社会の中では必ずしも適合できるわけではなかったり、言葉の問題で悔しかったりすることもあるんですけど。サウナだけは身分とか肩書き、性別をまったく気にせずに裸のままの自分でいられるし、周りもすごくあたたかく受け入れてくれるし。国境とかそういうものを超えて、いま心地いいな、みんなと入られてよかったな、と思える場所がサウナなんですよ。居場所です」
宇賀「早速サウナ行きたくなっちゃいましたね」
小山「その前に、こばやしさんの本を読んで欲しいですね。『公衆サウナの国フィンランド:街と人をあたためる古くて新しいサードプレイス』。この本、素晴らしいです」
こばやしあやなさん、ありがとうございました!
小山「サウナは本当に流行っていますよね。宇賀さんは行きますか?」
宇賀「私は以前から大好きです。この前も京都でお酒を飲むお仕事があって……」
小山「ちょっと待って、お酒を飲む仕事って何ですか?(笑)」
宇賀「まだ詳しくは言えないんですけど(笑)。翌朝、京都でどうしてもサウナとか温泉に入りたいなと思って、嵐山にある『風風の湯』というところに行きました。ドライサウナも外に付いていて、水風呂と行ったり来たりしながら」
小山「それがいいですよね、サウナは」
宇賀「今週はサウナの話をしていきたいんですけども、『サ道』の家元であり、日本で唯一のサウナ大使、しかもそもそもは漫画家でいらっしゃるタナカカツキさんに、最近のサウナ事情を伺ってきました」
放送ではタナカさんからいただいたコメントを紹介しました。やはりタナカさんがサウナに行き始めた10年前に比べて今は若い客層、特に女性のサウナ愛好家が増えている印象が強いとのこと。そして日本だけではなく、いまは世界的にサウナブームが到来していて、フィンランドでもヘルシンキで新しい公衆サウナが誕生しているのだとか。そして、日本はいま居心地のいいサウナが増えていること、サウナに「整う」ことを期待して来る人が増えた、など、日本のサウナ事情の変化をうかがいました。
小山「『整う』って言葉は、タナカさんが流行らせたんですよね。僕の今年の流行語大賞は、この『整う』ですよ」
宇賀「そんなサウナ発祥の地といえば、北欧、フィンランド。今日は、そんな本場のサウナについてお話伺って見たいと思います。フィンランド在住のサウナ文化研究家、こばやしあやなさんです」
こばやしさんがフィンランドを訪れたきっかけは、音楽。高校生の頃、ヴィオラの演奏をしていたこばやしさんは作曲家・シベリウスの作品と出会います。シベリウスが母国の歴史や自然からインスピレーションを受けていることを知り、21歳でフィンランドを訪れます。
こばやし「サウナは日本では全く入ったことがなくて。初めてフィンランドに行った時に、泊まらせてもらったおじいちゃんが自分の作ったサウナを所有されていて。湖畔にあるサウナだったんですけど、その時は3月だったので、そばにある湖は凍っていて、雪も積もっていたんです。おじいちゃんに『フィンランド人は熱いサウナに入って、それからこの湖に飛び込むんだ』って教えてもらって……」
小山「小林さんも湖に入ったんですか?」
こばやし「『フィンランドはサウナの中では、身分、性別、肩書き、国籍、全部平等だから、みんな裸で入っても何も問題ないんだよ』っておじいちゃんに言われて」
小山「水着もつけずに入ったんですか?」
こばやし「すっぽんぽんでした」
宇賀「すごい!」
こばやし「初の海外旅行だったので、郷に入れば郷に従えということで」
本場・フィンランドのサウナは、「蒸気を浴びる」ことが醍醐味。部屋の隅のストーブや電気の熱で温めた石に、水をかけて蒸気を出し、天井まで一度上がったその蒸気を体に浴びるのだとか。
小山「フィンランドの人は、サウナには何分くらい入っているんですか?」
こばやし「砂時計も12分計もないので。誰も自分が何分入っているかが、わからないと思うんですよ。外的指標に縛られるんじゃなくて、その日の自分の体調とか気分とかで、居たいだけ居て、出る……っていうのがフィンランドのサウナの鉄則なので」
小山「いままで、記憶に残っているサウナは?」
こばやし「やっぱり、先ほどのおじいちゃんが作ったサウナですね。それから公衆サウナ、という文化に強く惹かれていまして、研究領域にもなっています」
公衆サウナ、とはどんなサウナなのでしょうか?
こばやし「要は街角で営業している、お風呂屋さんならぬサウナ屋さんです。ヘルシンキという街ができて人が増えてきて、当時はまだ薪サウナしかなかったので、集合住宅にはサウナ室が作れなかったんですよ。火事の危険性もあるし、排煙装置を付けるのも大変なので。当時はシャワーがない家も多かったので、そういうところに住んでいた人が、サウナを求めて行ったのが公衆サウナなんです」
小山「では、知らない人同士で入って、その中でコミュニケーションが生まれるっていうのはよくあることなんですか?」
こばやし「フィンランド人のサウナの過ごし方ってとにかく日本と違っていて。元来は教会のように、静かに瞑想する場所というニュアンスもあったんですけど、ついお話が弾んじゃうし、知らない人同士でもコミュニケーションが進むので。『(石に)蒸気をかけていいですか?』という一言から会話が始まったりするんです」
小山「フィンランドでは、会社でサウナ・ミーティングみたいなことはないんですか?」
こばやし「本会議は会議室でやりますけど、そのあとに、打ち上げみたいな感じで『行きますか!』っていうことはありますね。オフィスでも、会議室の横の通路を通ったら、そのままサウナに入れるところもあるんですよ。そのまま打ち上げを始めて、でもやっぱり仕事の話はして、そのままそこで商談が決まったりすることもある、というのは聞きますね」
そして、薫堂さんからこんな質問が。
小山「こばやしさんにとって、サウナとは何ですか?」
こばやし「居場所ですね。やっぱり、私は一移民なので。フィンランドの実社会の中では必ずしも適合できるわけではなかったり、言葉の問題で悔しかったりすることもあるんですけど。サウナだけは身分とか肩書き、性別をまったく気にせずに裸のままの自分でいられるし、周りもすごくあたたかく受け入れてくれるし。国境とかそういうものを超えて、いま心地いいな、みんなと入られてよかったな、と思える場所がサウナなんですよ。居場所です」
宇賀「早速サウナ行きたくなっちゃいましたね」
小山「その前に、こばやしさんの本を読んで欲しいですね。『公衆サウナの国フィンランド:街と人をあたためる古くて新しいサードプレイス』。この本、素晴らしいです」
こばやしあやなさん、ありがとうございました!
手紙文化を盛り上げよう! ポスト会議#26
全国におよそ2万4千局ある郵便局と連携を取りながら商品開発をしたり、手紙文化を盛り上げていく企画コーナー「ポスト会議」。宇賀「いま、まさに年賀状の準備をしている方もいらっしゃると思うのですが、どんな年賀状にしたらいいのか? 毎年、迷いますよね」
小山「我々も番組でどんな年賀状を作るのか、絶賛迷い中ですからね」
宇賀「そんな方のために! 何かヒントにしていただきたいと思いまして、今回は中国文学と日本文学に詳しい大東文化大学准教授の山口謠司(ようじ)さんをお迎えしました」
宇賀「来年は子年(ねずみどし)ですが、そもそも干支というのは何なのでしょう?」
山口「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸という十干、それから子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥。これは12ありますね。この組み合わせで60年を数えていこう、年が変わっていく区切りを、この組み合わせで決めていくのが干支と呼ばれるものなんです」
宇賀「来年は子年だから、ちょうどスタートの年になるんですね」
山口「この『子』という漢字には二通りの解釈がありまして。一つは、『子』は、『完了』の『了』に『一』と書きますよね。これは一つのことが終わって、そして始まるという意味。だから十二支の始まりに当たる、と」
小山「なるほど!」
山口「もう一つは、『一』という字が土を表していて、『完了』の『了』の方が芽を出しているかたちをしていることから、『始めて、芽が出てくる』ということを表しているとも言われています。いずれにしても、始まりということを意味しています」
小山「でも、なぜネズミが最初なんですか?」
山口「動物が当てられたのは、あとになってからなんです。子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥というのは、まったく動物に関係なかったんです。植物なんです。『子』は、先ほど言ったように土から芽が出てくること。『牛』は双葉がひらいていく意味。今年は亥年で、『亥』は木偏をつけると『核』という漢字になりますね。これは、種の意味なんです。全部が種になって、種が落ちて……来年、子年になると芽が出てくることを表しているんです」
宇賀「そうだったんですね! みんなで競争して、牛の上に乗っていたネズミが最後にぴょん、とゴールした……というのは、後から作られた物語なんですね」
山口「そうなんです。植物の形態よりも覚えやすいから、動物にしたと言われていますね」
小山「鼠っていう漢字は難しいじゃないですか? これはどんな由来があるんですか」
山口「これは、ただネズミのかたちを象形文字で書いたものです」
小山「象形文字なんですね!」
山口「子年の動物にネズミが当てられたのには理由がありまして。ネズミって子どもをたくさん産みますよね。子年にはとにかくいろいろなものが、たくさん湧いてくるような年になるんです」
小山「繁栄の年、ということですね」
山口「もう一つは、『一陽来復』とネズミは言われるんです。一つ良いことがあると、どんどんどんどん良いことが重なって出てくる。子年っていうのは何かを始めるのにも良いし、繁栄していくと言われています」
小山「ちなみに、山口先生は来年はどんな年賀状にする予定ですか?」
山口「まだ決まっていないんです。毎年、干支のイラストを描いているんですけど」
小山「先生はイラストが上手いんですよ。ライトマンという名前で、LINEのスタンプも作っていて、かわいいんですよ」
宇賀「じゃあ、私たちの年賀状のイラストも描いてもらいましょうよ!」
小山「それもいいかも」
宇賀「とびきりの一言も添えていただいて」
山口「一陽来復とか、いいと思いますよ」
実際に、スタジオで山口さんにイラストと言葉を書いていただきました。
小山「……僭越ながら、先生にしては珍しく、ネズミがあまりネズミに見えない(笑)」
山口「僕も書けていないなあ、と思いまして(笑)」
果たして、山口さんに書いていただいた年賀状は、番組の公式年賀状になるのか!?
そして山口さんには来週もご参加いただいて、文豪が書いた年賀状や手紙についても教えていただきます。
山口謠司さん、来週もよろしくお願いします!
そしてまだまだ迷走していますが……SUNDAY’S POSTからの年賀状がほしい! という方は、下記の宛先まで「年賀状希望」と明記してお手紙かはがきでご応募ください。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM 「SUNDAY’S POST」】
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今週の後クレ
今回のメッセージは<新潟西郵便局>美素伸光さんでした!「笑顔で接客するということを心掛けていまして、お客様に”すごい爽やかだね”と言われたり、”君がそういう接客をしてくれると僕もすごく1日が楽しくなるよ”と言われたりしたので、これからも積極的にやっていきたいと考えています。」
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