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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
手紙の送り主にじっくりお話をうかがいながら、
手紙を受け取る喜び、手紙を送るワクワク感、
手紙に詰まった想いをラジオを通して全国に届けます。
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旅するおむすび屋/手紙のある風景 レタールームより

  • ON AIR
  • 2020/04/19

旅するおむすび屋 菅本香菜さんをお迎えして

写真 新型コロナウイルスの影響で外出自粛の要請が続くいま。薫堂さんからは「かつての平穏な日曜日の午後が懐かしいですね」というお話も。不安なことが多いこの頃ですが、お家で過ごす日曜日の午後、ぜひラジオをお供にしてください。
写真 宇賀「お家でごはんを作って食べる機会が増えたという方も多いですよね」

小山「今日はですね、ぜひ宇賀さんにご紹介したい人がいてゲストにお呼びしました。先日、僕も知り合ったばかりなのですが……名刺をもらったら、“旅するおむすび屋”と書いてあったんです」

スタジオにお迎えしたのは、旅するおむすび屋の菅本香菜さんです。
写真 宇賀「旅するおむすび屋とは、一体何なのでしょうか?」

菅本「店舗は持っていなくて、東京を拠点に全国各地を巡りながら、その地域のおいしい食材を使ってみんなで一緒におむすびを結ぶっていうワークショップを開く活動をしています」

小山「それは仕事にはなるんですか?」

菅本「実は仕事になっているんです。もともと仕事になると思わずに始めたんですけど、やっているうちにワークショップの講師として呼んでいただける機会が増えまして。学校の教育現場に行かせてもらったりだとか、自治体さんに呼んでいただいたりと、お仕事させていただいています」

宇賀「どうしておむすびだったんですか?」

菅本「おむすびにしたきっかけは、食の大切さとか面白さを伝えていきたいと思った時に、ハードルを下げていきたいなと思ったので、誰でも作れて誰でも食べられるものにしたいというのがひとつありました」

小山「でも、おむすびやおにぎりを学ぼうと思う人って、そんなにいるわけでもないですよね?」

菅本「ワークショップやイベントに来てくださる方々も、そこで学ぼうとか、教室に行こうという感覚ではなくて、『地域のおいしいものをちょっと楽しみたい』というところから来てくださる方が多いイメージですね。そこから自分が住んでいる地域の食とか生産者さんを知ったりという入り口づくりになっている気がします」

小山「今までどのくらい行ったんですか?」

菅本「県でいうと半分くらいは。同じ場所に何度も行かせていただいていることもあるので、100回くらいワークショップはやっています」

小山「今まで行った中でも、特においしかったものは?」

菅本「たとえば、福島県の浪江町は鮭がすごく盛んな場所なんですけど、焼きたての鮭をおむすびに入れたものはすごくおいしかったですね。震災の影響で漁がずっとできなかった地域だったんですけど、それが復活したタイミングでご一緒させていただいたり、思い出としても濃く残っています」
写真 小山「どうしてこういうプロジェクトを始めようと思ったんですか?」

菅本「きっかけとなったのは、私が中学から高校にかけて拒食症という病気だったので。そこを乗り越えた時に、私の中で食って大事だなというのを気づかせてもらって。そこがきっかけですね」

小山「拒食症というのは、食べることができなくなる病気ですか」

菅本「大きく摂食障害というのがあるんですけど、その中で拒食症と過食症というのがあって。私は拒食症だったので、食べるのが怖くなってしまって、全く食べられないという状況でした。大学の時に完治して、そこからは全く症状は出ていないです」

小山「それはどうやって完治したんですか?」

菅本「高校の時に仲良くなった友達がいたんですけど、私と一緒に食卓にいた時に、私が食べられなくても責めなかったというか、嫌な目で見なかったというか。そこはすごく私の中で、食卓にいていいんだなと思えるきっかけで、私にとって食卓が安心できる場になって。そこの場を少しでも楽しむために、食べた方が楽しかった。食べる楽しさを思い出させてくれた体験が、大きかったかなと思います」

小山「では菅本さんのワークショップに来た人は、ただおいしいだけではなく、人との繋がりとかまた別のものも持って帰れるということですね」

菅本「そうですね、そうであってほしいなと思いながら活動をしています」
写真 そして、スタジオでは菅本さんによるおむすびワークショップも開催しました!

小山「これを聞いて、ご自宅でお子さんと一緒におむすびを結ぶこともできるんですよね」

菅本「私がいなくてもできるということを目標としていたので、皆さんもお家で楽しんでいただけるかなと思います」

宇賀「スタジオは十分に消毒しましたし、ビニール手袋も使っていきます」
写真 菅本「お茶碗かるく1杯分くらいのご飯をまな板の上に乗せていただいて。まな板の上に乗せるというのは、炊きたてのごはんでワークショップをすることが多いんですけど、こうすると表面が少しだけ冷めるので。少しだけ冷めたタイミングでおむすびを握っていくようにしています。すぐに食べるときは素手で握っているんですけど今日は手袋で握りますね」

薫堂さんと宇賀さんも手袋を着けて、準備万端。

菅本「手に水をつけていただいて……素手でやるときは。手のひら全体を濡らしていただいて、乾かないうちにお塩をつけていただきます。今日は具材を入れずにシンプルに塩むすびでいきます。お塩は、だいたい指の腹3つ分でしっかり取っていただくようなイメージです」

小山「3回? 結構使いますね!」
写真 菅本「お塩をつけた手で、先ほどまな板の上に置いたご飯を優しくすくってあげます。まな板に置いている時点で、少し形が出来上がっているので、形を整えてあげるっていうのを意識して……」

宇賀「おむすび握るの、久しぶりかも」

菅本「あったかいご飯を触るのって気持ちいいですよね」

形を整えたら、塩むすびが完成! お家で握る際は海苔もつけて、パリパリのうちに食べるのがおすすめです。
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宇賀さんのおにぎり
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薫堂さんのおにぎり
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小山「宇賀さんのおむすび、男らしいおむすびですね」

宇賀「ちゃんと三角っぽいじゃないですか!(笑)」

菅本「握ったおむすびには個性が出るので。ワークショップで家族でやってみると、お子さんの手のひらのサイズの感覚とかを楽しまれている方もいらっしゃるので」


菅本さんのおにぎり
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宇賀「いろんなところでワークショップをされていると、お手紙をもらう機会も多いんじゃないですか?」

菅本「私がお手紙を書いてお礼をすることもありますし、お手紙をいただくこともたくさんありますし、すごく嬉しいですね。コロナの影響でどうしても東京が買い物をしづらくなってしまったと思うんですけど、その時に全国の生産者さんが『大変でしょう?』と食材を送ってきてくださって。その時に、食べ物ももちろん嬉しかったんですけど、一言手紙を添えてくださっている方がたくさんいて。それがいちばん感動しましたし、嬉しかったですね」

小山「一言添えてあるかどうかで全然変わりますよね」

そして塩むすびの他にも、薫堂さんの好物であるちくわ、青のり、ごま油、めんつゆを混ぜたおにぎりも。
写真 小山「ごま油の香りがいいです! これはつまみにもなりますね」

宇賀「お味噌汁と一緒で、おむすび具材にしちゃいけないものって逆にあまりないですよね」

菅本「何でも具材になる可能性がありますね。今、お家にあるもので楽しんでいただけるかなと思います」

小山「自分の作品として意識して握ると、今までとは違うおむすび観が芽生えてきた気がします。自分だったらこれ入れるのにな、とか、この具を教えたい、という方がいらっしゃったら、ぜひ番組宛てにお手紙をいただけましたら、菅本さんに転送いたします」

菅本さんへのお手紙、ぜひ番組宛てにお寄せください。ご自宅でおむすびワークショップをされた感想でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM 「SUNDAY’S POST」】です。

菅本花菜さん、ありがとうございました!
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手紙のある風景 レタールームより

宇賀「ここからは、新しいコーナーをお届けしたいと思います……『手紙のある風景』。誰かが誰かに宛てて、手紙を書く瞬間、手紙が受け取られる瞬間。手紙のある風景に少しだけおじゃまをして、そこに込められた想いやストーリーを音でお伝えするコーナーです」

小山「今回は、先月の放送で紹介した1通のお便りです。宮崎県のフェニックス・シーガイア・リゾートというホテルの中にあるレタールーム。そのレタールームで、レターコンシェルジュを務めている山下茂男さんが3月で定年を迎えるということで、山下さんのお嬢さんからお父さんへのお手紙をいただきました」

宇賀「その放送の当日、山下さんにはその手紙のことは内緒のまま、レタールームを取材してきました」

小山「サプライズってことですね」
写真 宮崎県のリゾートホテル、フェニックス・シーガイア・リゾートの手紙を書くための部屋「レタールーム」。3つの投函口を備えたポストがあります。

「真ん中が大切な方へのお手紙。私どもで切手代を負担して、国内外へお手紙を出すことができます。2つ目は未来への手紙。大きくなったお子さんとか、未来の自分へ手紙を書いていただいて、専用の棚でお手紙を保管しています。3つ目は、宛てのない手紙。この部屋の奥にお手紙展示コーナーがありまして、旅先でのお気持ちとか、お子さんたちにはイラストを書いていただいたり。

この部屋を維持するために、整理整頓は徹底的にやって。お客様が居心地よく書ける空間づくりに努めています」と、山下さん。
写真 山下さんの人柄について、一緒に働く方にお話を伺うと……。

「本当にレタールームイコール山下さん。それは彼が作り上げて来られたものだし、天職ってこういうことだな、と感じられる仕事ぶりと、人柄と。いろんなものが相まって良いところに、良い方がいらっしゃると思います。これからのレタールームの山ちゃんとして一生頑張っていただきたいと思います」

「山下さんは広報の先輩として15年以上、一緒にやらせていただいています。ご自身で消しゴムスタンプを自作されるんですよ。それを描くのは山下さんがされて、彫るのは娘さんがしてくださっているというお話を聞いて。そういうところでもご家族の関係性とか、すごく素敵だなと思います」
写真 お客さん、そして、周りのスタッフからも愛される山下さん。今年の3月で定年を迎えました。節目を記念して、娘さんから番組宛てに1通の手紙が届いたことを山下さんはまだ知りません。
そこで、娘さんの手紙が番組で紹介されるその日に、何も言わず山下さんに番組を聞いてもらうことにしました。
写真 娘さんからの、定年を迎えた自分に向けた感謝の手紙が読まれるのを聞いた山下さんは……。

「いつの間に……ありがとうございます。普段、自宅に帰ると、僕が出会ったお客さんのことをよく話すんですけど。感動しました。ちゃんと今夜、お礼を言っておきます」

手紙だから伝わる想い。山下さんはこれからも、レターコンシェルジュとして、多くの方の旅の思い出や、想いを伝えるお手伝いを続けていきます。
写真 宇賀「いいお話ですね」

小山「山下さんはみなさんに愛されていて。僕も1回か2回、お会いしたことがありますけど、すごく書きたくなる顔をしているんですよ」

宇賀「書きたくなる顔?」

小山「書いたものを、ハイと渡したくなる顔というか。何ていうんでしょうね、日向みたいな人ですね。宮崎県は日本の日向とよく言われるんですけど、本当にその日向の中の日向みたいな人です」

番組では、「手紙のある風景」を今後も取材していきます。番組に取材に来て欲しいという、話を聞いてほしいという風景があれば、お手紙で教えてください。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM 「SUNDAY’S POST手紙のある風景」】までお願いします。

宇賀「さて、ここで一つお知らせです。先週の『緊急!ポスト会議』で、こんな状況の今こそ手紙を書こう、ということでいろいろな企画を考えましたが、以前、番組にも来ていただいた絵手紙の創始者である小池邦夫さんに、絵手紙の描き方のワークショップを動画で配信してもらうのはどうか、という企画。こちら早速 小池さんに相談したんですけど、今、小池さんご自身は絵手紙を教えることはしていないということで、なんと小池さんの奥様である小池恭子さん。この方も絵手紙の先生なんですけど、恭子先生が是非ということで、恭子先生による絵手紙のワークショップを、動画で配信したいと思います!」

小山「先ほどちょっと見させていただきましたけど、すごくわかりやすくて描いてみたくなりましたよ」

宇賀「動画を見て書いた絵手紙は、家族やお友達に送っていただくのもいいですし、番組に送っていただくのも大歓迎です。お待ちしています!」

絵手紙ワークショップの動画はこちらからご覧ください。


今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、福岡県<福岡四箇田団地郵便局>守谷美紀さんでした!

「手紙というのは面と向かっては言えないこと、また時間をかけて心の奥にある思いを伝えられるものではないでしょうか。
古い話になりますけど、父が単身赴任で離れてまして。私が結婚したいと思った時に父に結構長い手紙を書いたんです。父はもう亡くなりまして、結婚してから随分たったころに、父の遺品の整理をしていたら、その手紙を大切に持ってくれていたんですね。それを今でも私は持っております。こうやって話してると手紙って改めていいものだなという気がしますよね。」
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