「離島経済新聞」編集長の鯨本あつこさんが登場
- 2022/10/16
離島経済新聞 編集長・鯨本あつこさんをお迎えして
今週は、「離島経済新聞」から、編集長の鯨本あつこさんをお迎えしました。お話に入る前に……日本には、「島」がいくつあるかご存知ですか?
薫堂さんは45,000、宇賀さんは2,000と予想しましたが、正解は……?
鯨本「400とちょっとになります」
宇賀「あれ!?」
小山「全然違うじゃないですか」
鯨本「人が住んでいない島を含めると、6,800ほどあると言われています」
宇賀「全然合ってないですね(笑)。
さて、小さな島から大きな島まで、人が住んでいればそこには経済活動がある、ということで、そんな経済活動を紹介したり支援したりしているのが『離島経済新聞』。いつ頃から始められたんですか?」
鯨本「2010年にスタートしたので、かれこれ10年ほど活動しています。新聞というと速報性のあるニュースを思い浮かべがちなんですけれども、速報性のあるニュースというよりは、それぞれのたくさんある島の中にある小さくても大事な事柄、持続可能な島の営みを続けていくために必要なヒントを主に集めています」
宇賀「鯨本さんはこれまでどのくらいの島を回られているんですか?」
鯨本「まだ150から200のあいだだと思うんですけど、数え方が難しくて。橋がつながっている島も含めて、400なんですね。どこまで含めようかな、というのがなかなか難しくて」
宇賀「島にハマるきっかけはあったんですか?」
鯨本「離島経済新聞社を作ったきっかけは、たまたま知り合いが広島県の大崎上島というところに移住されることがあって、そこに遊びに行ったことがきっかけだったんですけれども。思い返してみると、中学生の時にサマーキャンプで山口県の平郡という島に1週間くらいいたことがあったりだとか、家族旅行で壱岐に行ったりだとか、若い頃の一人旅で八重山諸島に行ったりとか、いろいろしていたので」
宇賀「島の良さって何ですか?」
鯨本「いろいろな島があるんですよ。400の島があったらそれぞれいろいろな魅力があるんですね。たとえば、有名な石垣島とか宮古島とかでしたらもちろん美しい面もあるんですけど、人口も割と多くて。それだけ文化もたくさんある。一方で、人口が100人とか10人とかしか住んでいない島もあるんですけど、そういうところだと都市にあるものは一切ないんです。お店さえない。けれども、そういったところには特有の時間の流れがあったりですとか、島の人たちは買うものよりも自分で作るものの方が多い。そういうクリエイティブな方が多いというところも魅力です」
小山「島に上陸した時に、まずこれをするとか、ここに向かうとか、巡り方はあるんですか?」
鯨本「あまり決めなくて、出来るだけ何も考えずに行きたいというところはあるんですけど、ただ1人だけ会う方は決めていることが多いですね」
小山「島のどなたかに目的を持って行く?」
鯨本「泊まる場所は決まっているので、そこの方にお話を聞くとか。最近はSNSがありますので、島のネットワークがなかった頃はSNSで繋がった島の方に『会いに行っていいですか?』と、会う方を決めて出かけることがありました」
小山「新聞には『日本唯一の有人離島専門フリーペーパー』と書いてありますけど、これは誰が読むんですか? やっぱり離島好きの方がいっぱいいらっしゃるんですか?」
鯨本「そうですね、特に観光情報ではなくどちらかというと地域づくりの話題が多いんですね。紙の新聞に関しては、1,200カ所弱、設置してくださっている場所があるんですけど8割は島なんですよ。170島以上に置かれていて、なので島の方と島を訪れた方がよく手に取って読んでくださっています」
小山「島に行って、いちばん好きな時間帯はいつですか?」
鯨本「島の方とお酒を飲んでいる時間なので、夜ですかね。人と人の繋がりとか支え合いがあるっていうことが根本にあって、実際にお金だけでは得られないものがたくさんあるわけですね。それが残っている。結局、人と人がコミュニケーションすることによって生まれるので、旅で訪れた自分たちが触れ合えるのは夕飯の時間だったりするんですね。だからその時間帯が好きですね」
宇賀「薫堂さんは島のどういうところが好きですか?」
小山「僕は風が好きですね。島に吹く風はどこに行ってもいいですよね。海からの風とか。あとは波音もありますし。それぞれ五感で感じる要素が島にはたくさんありますよね」
鯨本「そうですね。島によって風の名前が違ったりもしますよね。それを都市部だと、ただ風が吹いているねとか、あるいは風を感じないような暮らしだったりするんですけど。風を読みながら暮らすのは素敵ですよね」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにしているのですが、これまで受け取ったり書いたりした中で、印象に残っている手紙はありますか?」
鯨本「ありますね。離島経済新聞を始めた頃に、『これ、誰が読むんだろう?』と作ったあとに思って(笑)。誰もやっていないメディアだし、最初に立ち上げる時にたまたま出会った島の方に『島ってすごくいいところがたくさんあるんだけど、なかなか知ってもらえないんだよね』という話を聞いていたので作ったんですけど、『誰が読むんだ?』と思っていた時に、島にUターンして自分で地域おこしをして頑張られているという方からいただいたお便りが、ものすごく印象的で。そういう方が実際にたくさんいるというのも初めて知りましたし。その方は自分の島で頑張っているんですけれども、私は全国のそういう情報を集めようとしているから、それに対して喜んでいる、ということを書いてくださったんですね。島に住んでいる方と私は少し違う立場ではあるんですけれども、仲間といいますか、そういう方がいるんだなということを知って。非常に勇気をもらいましたし、そういう方に関してこの新聞も毎号毎号、お手紙のようなかたちで作っている気もしますね」
宇賀「そして今日は、今お手紙を書きたい方へ宛てたお手紙を書いてきてくださったんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
鯨本「迷ったんですけれども、子どもたちに」
鯨本さんがお子さんに宛てたお手紙の朗読は、ぜひ、radikoでお聞きください(10月23日まで聴取可能)
宇賀「今日の放送を聞いて、鯨本さんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。ご本人に責任をもってお渡しいたします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 鯨本あつこさん 宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
離島経済新聞、通称“リトケイ”の詳細は、ぜひホームページでもご確認ください。
ritokei(離島経済新聞)
鯨本あつこさん、ありがとうございました!
宇賀「あれ!?」
小山「全然違うじゃないですか」
鯨本「人が住んでいない島を含めると、6,800ほどあると言われています」
宇賀「全然合ってないですね(笑)。
さて、小さな島から大きな島まで、人が住んでいればそこには経済活動がある、ということで、そんな経済活動を紹介したり支援したりしているのが『離島経済新聞』。いつ頃から始められたんですか?」
鯨本「2010年にスタートしたので、かれこれ10年ほど活動しています。新聞というと速報性のあるニュースを思い浮かべがちなんですけれども、速報性のあるニュースというよりは、それぞれのたくさんある島の中にある小さくても大事な事柄、持続可能な島の営みを続けていくために必要なヒントを主に集めています」
宇賀「鯨本さんはこれまでどのくらいの島を回られているんですか?」
鯨本「まだ150から200のあいだだと思うんですけど、数え方が難しくて。橋がつながっている島も含めて、400なんですね。どこまで含めようかな、というのがなかなか難しくて」
宇賀「島にハマるきっかけはあったんですか?」
鯨本「離島経済新聞社を作ったきっかけは、たまたま知り合いが広島県の大崎上島というところに移住されることがあって、そこに遊びに行ったことがきっかけだったんですけれども。思い返してみると、中学生の時にサマーキャンプで山口県の平郡という島に1週間くらいいたことがあったりだとか、家族旅行で壱岐に行ったりだとか、若い頃の一人旅で八重山諸島に行ったりとか、いろいろしていたので」
宇賀「島の良さって何ですか?」
鯨本「いろいろな島があるんですよ。400の島があったらそれぞれいろいろな魅力があるんですね。たとえば、有名な石垣島とか宮古島とかでしたらもちろん美しい面もあるんですけど、人口も割と多くて。それだけ文化もたくさんある。一方で、人口が100人とか10人とかしか住んでいない島もあるんですけど、そういうところだと都市にあるものは一切ないんです。お店さえない。けれども、そういったところには特有の時間の流れがあったりですとか、島の人たちは買うものよりも自分で作るものの方が多い。そういうクリエイティブな方が多いというところも魅力です」
小山「島に上陸した時に、まずこれをするとか、ここに向かうとか、巡り方はあるんですか?」
鯨本「あまり決めなくて、出来るだけ何も考えずに行きたいというところはあるんですけど、ただ1人だけ会う方は決めていることが多いですね」
小山「島のどなたかに目的を持って行く?」
鯨本「泊まる場所は決まっているので、そこの方にお話を聞くとか。最近はSNSがありますので、島のネットワークがなかった頃はSNSで繋がった島の方に『会いに行っていいですか?』と、会う方を決めて出かけることがありました」
小山「新聞には『日本唯一の有人離島専門フリーペーパー』と書いてありますけど、これは誰が読むんですか? やっぱり離島好きの方がいっぱいいらっしゃるんですか?」
鯨本「そうですね、特に観光情報ではなくどちらかというと地域づくりの話題が多いんですね。紙の新聞に関しては、1,200カ所弱、設置してくださっている場所があるんですけど8割は島なんですよ。170島以上に置かれていて、なので島の方と島を訪れた方がよく手に取って読んでくださっています」
小山「島に行って、いちばん好きな時間帯はいつですか?」
鯨本「島の方とお酒を飲んでいる時間なので、夜ですかね。人と人の繋がりとか支え合いがあるっていうことが根本にあって、実際にお金だけでは得られないものがたくさんあるわけですね。それが残っている。結局、人と人がコミュニケーションすることによって生まれるので、旅で訪れた自分たちが触れ合えるのは夕飯の時間だったりするんですね。だからその時間帯が好きですね」
宇賀「薫堂さんは島のどういうところが好きですか?」
小山「僕は風が好きですね。島に吹く風はどこに行ってもいいですよね。海からの風とか。あとは波音もありますし。それぞれ五感で感じる要素が島にはたくさんありますよね」
鯨本「そうですね。島によって風の名前が違ったりもしますよね。それを都市部だと、ただ風が吹いているねとか、あるいは風を感じないような暮らしだったりするんですけど。風を読みながら暮らすのは素敵ですよね」
宇賀「この番組はお手紙をテーマにしているのですが、これまで受け取ったり書いたりした中で、印象に残っている手紙はありますか?」
鯨本「ありますね。離島経済新聞を始めた頃に、『これ、誰が読むんだろう?』と作ったあとに思って(笑)。誰もやっていないメディアだし、最初に立ち上げる時にたまたま出会った島の方に『島ってすごくいいところがたくさんあるんだけど、なかなか知ってもらえないんだよね』という話を聞いていたので作ったんですけど、『誰が読むんだ?』と思っていた時に、島にUターンして自分で地域おこしをして頑張られているという方からいただいたお便りが、ものすごく印象的で。そういう方が実際にたくさんいるというのも初めて知りましたし。その方は自分の島で頑張っているんですけれども、私は全国のそういう情報を集めようとしているから、それに対して喜んでいる、ということを書いてくださったんですね。島に住んでいる方と私は少し違う立場ではあるんですけれども、仲間といいますか、そういう方がいるんだなということを知って。非常に勇気をもらいましたし、そういう方に関してこの新聞も毎号毎号、お手紙のようなかたちで作っている気もしますね」
宇賀「そして今日は、今お手紙を書きたい方へ宛てたお手紙を書いてきてくださったんですよね。どなたに宛てたお手紙ですか?」
鯨本「迷ったんですけれども、子どもたちに」
鯨本さんがお子さんに宛てたお手紙の朗読は、ぜひ、radikoでお聞きください(10月23日まで聴取可能)
宇賀「今日の放送を聞いて、鯨本さんへお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。ご本人に責任をもってお渡しいたします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 鯨本あつこさん 宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
離島経済新聞、通称“リトケイ”の詳細は、ぜひホームページでもご確認ください。
ritokei(離島経済新聞)
鯨本あつこさん、ありがとうございました!
皆さんからのお手紙、お待ちしています
毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。
今週の後クレ
今回のメッセージは、徳島県〈宍喰郵便局〉中山美佑さんでした!「宍喰郵便局では、年配のお客さまが多いので、地域の方に寄り添った対応や、前にお客さまから聞いた話を聞いてみたりするなど、お客さまの変化に気づけるように心がけています。地元ということもあって色々な野菜をいただいたり、道で声をかけていただいたりして、地域の方の温かいところが良いところだと思います。」
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この番組ではみなさんからの手紙を募集しています。
全国の皆さんからのお便りや番組で取り上げてほしい場所
を教えてください。
〒102-8080 東京都千代田区麹町1−7
SUNDAY'S POST宛