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『手紙から始まる物語。』
ここには、様々な思いが詰まった手紙が毎週届きます。
読むと、送り主のことがもっと知りたくなってきます。
日曜の午後3時、1通の手紙から始まる物語。
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海外で人気上昇中!「しいたけ」の知られざる話

  • ON AIR
  • 2023/06/04

乾燥しいたけ問屋・杉本商店の杉本和英さんをお迎えして

写真 今回は、宮崎県の乾燥しいたけの問屋「株式会社 杉本商店」の代表・杉本和英さんをお迎えしました。
小山「しいたけは秋の味覚じゃないんですか?」

杉本「一般的にはそういうふうに理解されていると思うんですけど、実はですね、私が扱っている原木栽培の干し椎茸というのは、いちばんの収穫期は春なんですね」

小山「へえ!」

杉本「まさにその旬なものを採り終わって、一段落したので、今日おじゃましているという感じですね」

小山「新物が出たんですね。では、収穫には年に2回、春と秋にあるんですね」

杉本「大体、春が8割と言われているんですね。春に採れたしいたけのことを“春子”、秋に採れるしいたけのことを“秋子”と、昔からそういうふうに呼ばれています」
写真 宇賀「杉本さんは宮崎からお越しいただいていますが、宮崎はしいたけの栽培が盛んなんですか?」

杉本「全国でも2番目の生産量を誇っています。大分、宮崎、熊本の3県で原木栽培のしいたけは70%の生産量を誇っています」

小山「乾燥しいたけの問屋さんは結構あるんですか?」

杉本「たくさんありますね」
写真 小山「その中でも、杉本さんのところは何が違うんですか? ……しいたけの被り物をしていますが」

宇賀「そうなんです! 私たち、特に触れずにきてしまいましたが、ずっと気になっていました(笑)」
写真 杉本「ありがとうございます(笑)。私の会社のいちばん大きな違いというと、周りの生産農家さんが、約600軒ありまして、その農家さんたちが栽培して乾燥させたものを私の会社に持ってきていただくんです。その場で現金でお支払いするというお約束のもと、私の祖父の代からずっと商売をしております」

小山「幼い頃から、当然、家ではしいたけばっかり食べてきて?」

杉本「そうですね、たぶん、僕の記憶では、しいたけが入っていないものが出てくる日、というのはかなり少なかったように思います」

宇賀「何にでも入っているんですか?」

杉本「大学で上京をしたんですけど、その時までカレーライスにしいたけを入れない、というのを知らなかったですね。常に黒いものがあったので。東京に来てカレーを頼んだ時、思わずスプーンで探したんですよ。それぐらいしいたけは入っているものだと思っていました」

宇賀「(しいたけの)売上はどうなんでしょうか?」

杉本「国内市場だけを考えると年々厳しい状態が続いています。年末からお正月にかけて需要が集中して、なんとか消費を維持できてきたのですが、最近はやっぱり生活のパターンも変わってきていますし、便利な食べ物もたくさん出てきているので年末の商品としてしか並ばないスーパーさんも出てきているんですね。微かな望みというと、健康診断で血圧が高いとか、コレステロールが高いと言われた方が、何かいいものないかな? と探してしいたけを買ってくださるくらいで。大きな伸びを期待できるようなことは難しいなというのが国内の現状です」

小山「コレステロールを下げる効果があるんですか?」

杉本「昔から大きく言われているのは、免疫力の向上、ガンの予防、コレステロールの低下、糖尿病の予防。それから骨粗鬆症の予防にもなると言われています。ただ、すべての人に絶対に効きますよ、というわけではなく、実験結果としてそういった論文が数多く出されていますよ、というところですね」
写真 小山「食べ物としてめちゃくちゃいいですよね。僕はずっと、マツタケよりしいたけの方が、何で高くならないんだろうってずっと言ってきたんです」

杉本「ありがとうございます。そういう方がたくさんいらっしゃると助かるのですが」

小山「マツタケに対するコンプレックスってあるんですか?」

杉本「そこまではないですよ、マツタケも本当に貴重なものですから。きのこ界の王様的な位置付けなんでしょうけど、それに比べてしいたけは割とポピュラーですけど、やっぱり味っていう部分ですね。うまみという部分では、最近、世界でもザワザワと騒がれているかな、と。海外の方は、年々増えているという状況ですね」

宇賀「海外へ販売するのは大変だったんじゃないですか?」
写真 杉本「その通りなんです。そもそも、輸出に詳しかったわけでもないですし、私の会社があるのは九州の本当に山の中なんですね。何から手をつけていいかもわからない。値段をどう付けていいかわからなかったんですね。そんな時にですね、日本郵便のEMSというサービスがあって。本当にすごいなと思ったのが、全世界を5つのエリアに分けて重量ごとにすべて金額が決まっているんですね。5kgの荷物をヨーロッパに出したらこの金額だね、と叩き台が出せるようになって、そこで大きく進んでいきました」

宇賀「EMS、国際スピード郵便ですね。そうなんだ、一律なんですね」

杉本「全国で郵便局がないところの方が少ないじゃないですか。つまり、そういうサービスが使える状態で日本全国にあるので、もしもラジオを聴いていて、『輸出なんて難しくてできないよ』と言われている方はぜひ参考にしてほしいなと、声を大きくして言いたいですね」

小山「輸出するには商社を通して、とかそういうイメージでしたけど、そんなことないんですね」

杉本「僕らの場合は、あいだの商社さんがいないくらい、すごくニッチなものなので、そうするとやっぱり相手のお客様に直接ご注文いただくっていうのが多かったです」

小山「そもそも、海外にはしいたけというきのこはないんですか?」
写真 杉本「実はあるんです。“シイタケマッシュルーム”というのは英語になっていまして、海外でもしいたけは栽培されています。ただ、菌床栽培のしいたけなんですね。日本の江戸時代よりももっと前からの、木を使って栽培するという方法のものがあまり流通していない。海外の生産者と話してわかったのですが、使っている木の違いによって、まったく違うものになってしまうんですね」

小山「原木栽培と菌床栽培では味が全然違うんですか?」

杉本「味と食感が大きく違います。僕たちもまったく想定していなかったんですけど、『すごい!』と褒め称えてくれる人の多くが、ベジタリアンやヴィーガンの方だったんです。皆さん、食べるものの中に何かしらうまみと食感を探している感じがあったんです。すごく面白いのが、僕達のしいたけを食べた海外の方は必ず『ミーティー(meaty)』と表現をするんです。『お肉食べないんじゃないの?』と毎回冷やかすのですが、絶対にミーティーと言います」

小山「褒め言葉なんですよね」

杉本「そうだと思います。お肉のような食感、という」
写真 宇賀「さて、お待ちかねのおいしい乾燥しいたけの食べ方を教えていただきましょう!」

杉本「まずですね、干ししいたけをおいしくする唯一の方法。これをお伝えしようと思います。冷蔵庫で一晩じっくり戻すだけなんです」

小山「水の中に乾燥椎茸を入れて、冷蔵庫に入れる?」

杉本「冷たい水です。戻した汁を直接口に含むことってないと思うんですけど、今日は特別にご用意しました」
写真 小山「これは、何も加えていない戻し汁なんですね」

宇賀「いい香り!」

小山「いただきます……おいしい!」

宇賀「おいしい!」

杉本「どことなく柔らかな甘みを感じるんじゃないかなと思います。これが非常に大事なんですね」

小山「燻製みたいな香りもするんですけど……お日さまの香りのような」

杉本「しいたけは乾燥する時にうまみ成分がぐーっと出てくるんですけど、その生まれたうまみ成分がですね、冷たい水によって出てくるんですね」
写真 宇賀「飲んだあとに、すごく後味がすっきりしますね」

小山「余韻が口の中にずっと残っていますね」

杉本「干ししいたけって、やっぱり水戻しをしないと食べれないから面倒くさいとか、いろんなことを言われるんですけど、そこが本当に大事な部分で。お湯で戻したり、レンジで戻したりお砂糖を入れたり、早く戻す方法はたくさんあるんです。でも、残念なことにおいしくなくなるだけなんですね」

小山「これは何時間くらいですか?」

杉本「5、6時間くらいで戻ると思うんですけど、時間を測るのが面倒くさい方もいらっしゃると思うので、夜使うんだったら朝、出勤前に冷蔵庫に入れるとか。朝に使うんだったら夜、冷蔵庫に入れるとか、そういった使い方がいいと思います」
写真 小山「この戻し汁は絶妙な塩梅ですが、500mlの水に何個くらい入れるといいですか?」

杉本「今日は、4、5個を750mlで戻したと思います。そんなに厳密にやらなくても、ちょっとヒタヒタにして戻していただいて、飲んでいただいて『ちょっと濃いかな』と思ったら水で割っていただくとか、そういう使い方で十分だと思います」

小山「戻したしいたけはどうやって食べていますか?」
写真 杉本「僕らが海外でやっていちばん驚かれるのは、バターソテーなんです。干したしいたけを水戻しして、バーベキューで食べると驚かれると思います。
あと、ヴィーガンの方達に食べていただけるように、あえて動物性のものを使わずに作ったヴィーガン煮物というものをご用意しました」

小山「つまり、かつおとかは使わずに? これがそのヴィーガン煮物ですね」

宇賀「いただきます……うん、ミーティーですね!」

小山「あわびを食べているみたいですね」

宇賀「食感がいいですね、肉厚で満足感があります」
写真 「ヴィーガン椎茸煮物」の詳しいレシピはこちらからご覧ください。

ヴィーガン椎茸煮物(精進料理)

宇賀「さて、この番組は『お手紙』をテーマにお送りしているのですが、今日は、『今、想いを伝えたい人』に宛てたお手紙を書いてきていただいているんですよね」

杉本「10年後の、しいたけを作られている生産者さんたちへお手紙を書いてきました」

杉本さんのお手紙の朗読は、ぜひradikoでお聞きください(6月11日まで聴取可能)。

宇賀「今日の放送を聞いて、杉本さんにお手紙を書きたい、と思ってくださった方は、ぜひ番組にお寄せください。責任をもってご本人にお渡しします。
【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST 杉本和英さん宛】にお願いします。応募期間は1ヶ月とさせていただきます」
写真 杉本和英さん、ありがとうございました!

「杉本商店」

ポストカーが埼玉県飯能市のメッツァビレッジに登場

ムーミンバレーパークでおなじみの埼玉県飯能市「メッツァビレッジ」に、ポストカーが登場します!
6月10日(土)に開催されている「森と湖のマルシェ」に、ポストカーがおじゃまします。ポストカーでは、写真をその場で絵はがきにできる他、ムーミンバレーパークにちなんで、ムーミンの切手でお手紙を出すことができます。ポストカーに投函されたお手紙には、ムーミンが描かれた小型印が押印されます。
メッツァビレッジは入場料無料、ポストカーも無料でお楽しみいただけます。
時間は10時から午後4時まで。雨天中止の場合もあるので、詳細はメッツァビレッジのWebサイトをご覧ください。

「メッツァビレッジ」

皆さんからのお手紙、お待ちしています

毎週、お手紙をご紹介した方の中から抽選で1名様に、大分県豊後高田市の「ワンチャー」が制作してくださったSUNDAY’S POSTオリジナル万年筆をプレゼントします。
引き続き、皆さんからのお手紙、お待ちしています。日常のささやかな出来事、薫堂さんと宇賀さんに伝えたいこと、大切にしたい人や場所のことなど、何でもOKです。宛先は、【郵便番号102-8080 TOKYO FM SUNDAY’S POST】までお願いします。

今週の後クレ

写真 今回のメッセージは、北海道〈小樽住吉郵便局〉西野博之さんでした!

「局長を務めて13年目になります。例年、近隣の小学校の2年生が職場体験で当郵便局に来るのですが、かつて職場体験で来てくれた、あるお子さんが、大学受験の願書の郵送や入学金の振込みなどで郵便局を利用することが多く、彼らの成長を見守っているような気持ちになり、嬉しかったです。ちょうど今から12年前に職場体験で来た時の写真を、机のシートに入れて持っていたものですから、その話で盛り上がりました。」
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