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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
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2021 08.02
ロボタウン構想 自動運転で走行する1人乗りロボット「ラクロ」

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。
今日は、自動運転で走行する1人乗りロボット「ラクロ」をご紹介しました。

超高齢社会と言われる今、高齢者の移動は深刻な問題で、それを受けた高齢化社会に向けた街づくりが求められています。
そんな中、東京の佃・月島エリアでは、住民の高齢化が進むなか、ロボットと人間が共存できる「ロボタウン構想」を目指しています。
まだまだ全国では珍しい取り組みですが、今回は、この高齢化社会に向けた街づくりの中で活用されている、自動運転で走行する1人乗りロボット「ラクロ」をご紹介します。

今回は、「ラクロ」を開発した株式会社ZMPのコーポレートコミュニケーション部の高藤真幸さんにお話を伺いました。

ラクロを開発した経緯について、高藤さんはこんなお話をされていました。
「現在の超高齢社会において高齢者の移動は社会問題になっています。地方ではタクシーや路線バスが廃止となっており、免許を返納した高齢者の方の移動手段がなくなっています。
その人達のために役立つロボットを作ろうということで、弊社はもともと自動運転の技術があったのでそれを活かして、この1人乗りの高速モビリティ「ラクロ」が誕生しました。
免許返納した方には、シニアカーや電動車いすなどもあるかと思いますが、もともと判断力が低下して免許返納した方がシニアカーに乗ると、もう1回運転というか操作をしなくてはいけないので、そういうことの必要のない自動運転の「ラクロ」であれば安全に移動ができると思い、こちらが作られました」

ラクロは、自動運転機能を搭載しているため、シニアカーや電動車椅子と違ってジョイスティックなどを使った手動操作も必要なく、事故の心配もないとのことでした。
では一体、どんなロボットなのか、その特徴について高藤さんに伺いました。
「ラクロの最大の特徴は、目と声ですね。ロボットは人間社会で新参者なので新しく入ってきた身として、謙虚で健気でかわいらしく、皆様に受け入れられるデザインにしています。
右に曲がる時には目が右に向いて『右に曲がります』と言いながら進むので、すれ違う人もどっちにロボットが進むのか意思がわかります。
また、人が目の前に入ってくると、涙目になりながら『すいませんが道をあけてください』と情に訴えるようになっており、多くの人から受け入れられるデザインになっています。
歩道は、車道と比べ、歩行者や自転車でそのスピードが違っていたり、正面から相手が来たりすることもありますが、そこをロボットは自分で判断して、避けるのか、どういうルートで行くのか決めることができます。
そういった困難な状況の中でも、ロボットが走行できるのはメリットだと思います。
あとは、自動運転でたまにあるのが、実際に地面に何かを入れて、その上を走行するというものもあるんですけど、そういった実際のインフラを整備しなくても走行が可能なのがメリットだと思います」

ちなみに、ラクロは道路交通法上では電動車椅子として位置づけられているため、一般公道を走行することが可能。
搭載されているカメラが信号の色を認識し、停止や始動などの判断も瞬時に行うことができるそうです。

そんなラクロは、佃・月島エリアで今流行のシェアリングサービスという形で活用されています。
まず、専用のアプリからいくつかある出発地点と目的地、それに利用時間を選びます。それで予約は完了。
出発地点に行くと、アプリからPINコードが出るので、それをラクロに搭載されているタブレットに入れれば出発です。
お散歩や近くの買い物、通院などの使い方をされている方が多いそうで、乗車中は自動運転のため操作の必要は一切ないので、リラックスして目的地に向かうことができるとのことでした。
現在、シェアリングサービスを行っている佃エリアでの料金は、2パターンあって、10分300円か、1か月間乗り放題で1万円のプランがあるそうです。
また、お花見ツアーや動物園ツアーなどイベントごとによって料金が異なる場合もあるそうです。

また、高藤さんによると、ラクロにはペアリング機能があり、ソーシャルディスダンスを保って新様式の花見を開催したところ、その光景を見た高齢者施設の入居者さんから「うちの施設でもやってほしい」という依頼もあったそうです。
その施設では、散歩に行きたくても、ただでさえ人手不足なことに加えて、消毒や感染対策で手が回らず1年以上散歩に行けていなかったそうで、とても喜ばれたとのことでした。

最後に、これからのロボットと高齢化社会について高藤さんはこんなお話をされていました。
「日本の超高齢社会と労働者不足は大変大きな問題であり、持続可能な社会ではないと思っています。増加する高齢者に対して労働者不足が、今後もっと深刻になると思います。
例えば、今までは高齢者1名に対して介護士の方が1名。4名の方を連れて行くときは4名の介護士の方が必要だったと思いますが、
この自動運転のラクロを使って頂くことによって、高齢者の方4人(ラクロ4台)を介護士の方が1名でお散歩に連れて行くことが可能になります。
こういった超高齢社会の問題で、このラクロが解決の手当にもなりますし、あとは他の兄弟のロボット(宅配ロボット“デリロ”)がいれば、高齢者の方が持ちづらい、重い荷物など、ロボットが手伝ってくれるような存在になると思っています。人間とロボットが共存することで、より持続可能なよりよい街づくりができると思います」

高齢化社会の問題は移動以外もいろいろあると思いますが、ロボットと上手に共生することで、介護士不足の問題など様々な問題の解決に繋がりそうだなと感じました。

高藤さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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