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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2021 11.08
東京・上野中通商店街が立ち上げる会員制サイト「上野倶楽部」

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

みなさん、ご存知の通り、商店街は大型店との競合やECサイトの拡大、経営者の高齢化、後継者問題などの問題を抱えて厳しい状況にあります。
東京都でもデジタル技術を活用して、利便性の向上や集客に取り組む商店街を支援する「商店街デジタル化モデル事業補助金」をスタートさせていますが、
全国の自治体で商店街のデジタル化を進める動きが活発化しています。一方、商店街自体でも新たな商店街のスタイルを模索する動きが進んでいます。

そんななか今回は、今年度内に消費者向けの会員制サイト「上野倶楽部」を立ち上げる東京の上野中通商店街の取り組みを紹介しました。
お話を伺ったのは、上野中通商店街振興組合の理事長、關 観哉さん。そして、一緒にサイトを運営する学生団体、NPO法人「おりがみ」の副理事長、深澤 文さんです。

上野中通商店街は、東京・上野にある広域型の商店街で、隣に並行するアメ横商店街と
共に全国からお客さんが訪れている商店街です。上野中通商店街振興組合の理事長の關さんに、コロナの影響について伺ったところ、
テナントビルの売却や訪日外国人によるインバウンド消費の消滅など、上野全体として大変深刻な影響を受けているとのことでした。
そんななか、立ち上げることになった会員制サイト“上野倶楽部”。その立ち上げの背景について伺いました。

「これまで商店街のホームページの整備を行っておりましたが、内容的にはどうしても旧態依然とした店舗情報の提供にとどまっていました。
そこに新型コロナウイルス感染症の問題が生じ、以前は商店街にお越しいただいていたお客様が2年弱ものステイホームの影響などから、大手インターネットサイト上での通信販売による買い物に移行が進みました。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、リアルな空間である商店街にお客様を集客できない、来ることができないなどの問題に向き合うためサイトの立ち上げに取り組みました。
昨今、デジタル技術の発展によりお店の魅力を安易に多くの人々に伝えられるようになりました。
しかしながら著しく進歩するデジタル技術に個店が対応しきれていないなどの問題が年々拡大しておりましたので、商店街がサイトの運営を通じ、個々のお店の魅力を誘導することを目指しました」

上野中通商店街振興組合と一緒にサイトを運営する学生団体「おりがみ」は、上野夏祭り・盆踊り大会の復活など、2018年頃から上野の地域課題を解決するために色んな活動を行っていました。
そんななか、コロナ禍で商店街が打撃を受けたっていうのを目の当たりにし、自分達に何かできないかっと商店街の方々に話したところ、
「我々もちょうどそういう対策を考えていたところだ」ということになり、今回のサイトを一緒に立ち上げることになったそうです。

具体的なサイトの内容ですが、おりがみの副理事長、深澤さんによると、まだ立ち上がっていないので、変わる可能性もあるそうなんですが、今のところ、こんな内容で考えているそうです。
「商店街の情報がまとまったホームページであったりだとか、SNS での発信であったりだとか、ECサイトを通じてオリジナルの商品を開発して売ったりだとかっていうのは、基本的にはしたいなと思っています。
今、ちょっと試行錯誤して考えているのは、上野倶楽部っていう名前の通り、ファンクラブみたいな感じにしたいなっていう風に思っています。
一般的な SNS発信だというのはもちろん前提ではあるんですけど、その商店街の魅力って、私たち学生から言わせて頂くと、人とのコミュニケーションであったりだとか、商品を買うことはもちろんそうなんですけど、それ以外の街に足を運ぶとか、店主の人と話をするとか、そういうところに結構魅力があるのかなっていうふうに思っていて、
それを実現するためには、例えば店主の方とお客さんがコミュニケーション取れるようなツールを作ったりだとか、ファン同士で、イベントがあるよっていう風になった時に、みんなで行きましょうみたいな感じのコミュニケーションがとれるような、ちょっと身近に感じてもらえるようなオンライン上での集まりみたいなのを考えています」

気になる商店街のお店の方々の反応について關さんに伺いました。
「デジタル化の普及に対し難しい、わからないなど、どうしても拒否反応を示される事例が見受けられます。そうした個店に対し、若い人々の視点で店舗の特徴や従来気づいていなかった魅力を発掘してもらえるケースもあり、商店街内で好評をいただいております。
お店を一人でやっている方とかですと、発信と販売を同時にできるというのがなかなか困難であり、そういったものを少しでも学生さんの力によってですね、補完しながらそういった取り組みを進めていければということで、必要性は感じられているようです」

さらに、これからの商店街について關さんに伺ったところ、「従来の商店街組織の役割はどちらかと言うと、ハード面の整備や各種イベントの実施に重きを置いていましたが、今後のデジタル化の普及に対し受身ではなく自らソフト面を整備しさまざまな情報や魅力を発信していく必要性があると思います」と話されていました。

また、おりがみの副理事長、深澤さんは、こんな話もされていました。
「買い物する時に、全てのものを商店街で買っているとかそういうわけではなく、やっぱり一部はアマゾンで買ったり、ネットショッピングしたりということがあるんですけど、
じゃあなんで商店街に行くのって言われたら、そこに一緒に友達と行くのが楽しいとか、そこでちょっと仲の良いお店の人と喋るのが好きとか、そこの街並みが好きで、
なんかちょっとそこを散歩すると気が晴れるとか、そういう理由でフラッと立ち寄って買い物したりとかするので、街全体とかコミュニケーションとか、そういうところが大きな魅力なんじゃないかなと思うので、よりそれが伝わればいいのかなと思っています」

たしかに、商店街って買い物をしに行くだけの場所ではないですよね。深澤さんが話していたような商店街の魅力、商店街文化を大切に残していきたいですよね。

關さん、深澤さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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