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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2021 11.29
児童相談所が試験運用 AIを活用した“通話音声分析・モニタリングシステム”

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

今朝は、AI(人工知能)を活用して電話の通話音声をリアルタイムで文字に起こすシステムの試験運用を始めている東京の江戸川区児童相談所の取り組みをご紹介しました。

電話対応の質の向上と、業務の効率化が狙いとのことですが、児童相談所が業務の効率化のためにAIを導入するのは全国初ではないかと言われています。
そこで今回は、この江戸川区児童相談所のはあとポート援助課長の上坂かおりさんに詳しくお話を伺いました。
 
まずは、業務内容についてお話を伺いました。
「1日だいたいの300本ぐらいの電話がかかってくるというのが現状です。担当児童福祉司は約45名程度、あと児童心理士が20名いるので、
そういった職員が対応してることが多いです。相談時間は短いもので5分ぐらいですけど、長いものは本当に1時間とか2時間に及ぶような電話もあるのが現状です。
内容としては、やはり今施設入所している子の問い合わせ(施設職員からも含め)、あとは虐待の通告や今関わっている保護者との電話のやり取り、一時保護中の子どもに関するやりとりとかが多いです。
児童相談所の業務は関わったら、面接も電話対応も含めて全て記録で残すようになっているので、それを文字で起こすっていうのは業務の中での多くを占めることになります。
そのため、昼間面接がおしてくれば夜、残業して記録を残したり、夜も面接が多いのでそういった対応を休日にしたり、そういうことも結構多いです。
ですが、やはりそこで記録が誰が見ても分かったり、あとでトラブルを避けるためとか、開示請求に対応するために記録を残すっていうのは非常に重要な作業になっています」

お話にあったように電話の件数が多く、その記録作成にかかる時間を効率化し、職員の負担を大幅に軽減できること。
また、その時間を面接の時間とか子供と向き合う時間に当てられるということで導入を決めたそうです。

この自動文字起こしのシステムの機能について伺いました。
「まず電話に出ると、会話内容が全て画面上で文字起こしされます。自分の会話と相手の会話が画面上で見られるようになります。
電話が終わった段階で大まかな要約みたいな形になりますので、その内容を児童相談システムというものにコピー&ペーストができることができます。
あとは係長級の職員が各職員の電話の内容を見ることができるのでクレームを受けている電話とか対応の長い電話で何を話しているのかっていうのを係長級が見ることができたり、
虐待の通告とかについても文字として見ながらすぐに調査に入ったりとか、そんなことができる機能があります。

さらに、こんな機能もあるそうです。
「機能のところでもう一つあって、マニュアルの表示画面があります。電話の中で“子育て広場”っていうことを発すると、子育てひろば一覧が画面上に出てくるようになるので、
お住まいどこですかとか聞いて、どこどこですと言ったら、そこの子育てひろばは何丁目ですねっていうのが、今まで本を見て調べていたのが画面上でわかります。
なので、土地勘のない職員人でも画面に出ることを伝えておけばできるようになっています。
今までは横に本を置いて一生懸命調べたり、ちょっとお待ち下さいって調べていたのが、警察って言えば警察の番号が一覧で出てきたり、マニュアル機能も搭載してる形になっています。
また、キーワード登録ができて、話の中で虐待とかリストカット、DVとかって出てくると、管理者(スーパーバイザー)が画面で見ている時に、そこの座席のところが光るようになっているんです。
だからこの席で虐待って言葉が出ているとか虐待通告、通告って言葉が出ているっていうのが分かるので、そこをクリックすると会話を見ることができます」

本格導入は来年1月以降なんですが、他の自治体(児童相談所)からの反応がすごくて、今、いろんな自治体が視察に来ているそうです。
その他にも、コロナの電話対応の部署とかからも問い合わせが来ているそうです。

最後に、今後、児童相談所はどう変わっていくと思うか伺いました。
「「面接とか子供と会う時間を大切にしながら、効率化できるところを効率化することで職員も充実した仕事できると思いますし、良いサービスを提供できるのかなって思うので、効率化できるところにこういったシステムを導入していきたいと思っています」

これによって子供の命が救われ、また職員の方の負担の軽減される、とてもいいシステムだと思いました。これから、どんどん広がっていくといいですね。

上坂さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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