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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2021 12.27
3Dプリンターで作る「3Dプリンター住宅」

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

今回ご紹介したのは、3Dプリンターで作る「3Dプリンター住宅」、住宅業界のDXです。
どんな家かというと、球体住宅「スフィア」というもので、形が球体。大きさは、建築基準法の対象にあたらない床面積10平方メートル以下のサイズを想定。
来年2月には企業向けに、さらに夏には個人向けにも販売される計画だそうです。

実はこの3D住宅、人件費や建材の物流費を減らすことが可能で、10平方メートル以下のサイズだと、なんと300万円くらいから建てられるとのこと。
さらに、職人さんの高齢化の問題や人手不足の問題解決にもつながると期待されています。

そこで今回は、3Dプリンター住宅のプロジェクトを2019年から進めているセレンディクス株式会社のCOO、飯田國大さんに詳しくお話を伺いました。

飯田さんによると、3Dプリンターでの家づくりは日本初なんですが、海外ではかなり進んでいるそうです。
「海外では結構進んでいて、2014年にアメリカで10平米の家を作った人がいるんですね。
これは自分の子供向けのお城を作ったらしいんですけど、そういう形でお城を作ったり、次に有名なってくるのは2016年、ドバイで240平米の中国のメーカーなんですけど作ったんですね。これは非常に画期的なことで、これを作ったことによって2030年までにドバイでは1/3の建物を3Dプリンターで作るという流れになっています。
そして、2016年にはロシアで38平米のちょっとした家を作ってるんですけど、これも非常に有名になりました。
それ以降、2016年に中国で400平米の2階建てを作ったり、2017年にデンマークで50平米を作ったり、フランスでは95平米、メキシコでは45平米、
そういった形で世界中で3Dプリンター住宅が実はたくさんできているんですね。最新の話をすると、アメリカでは3Dプリンターだけの街っていうものを作り始めているそうです」


海外でそこまで進んでいるのに日本が遅れをとっているのには、こんな事情があるそうです。
「やはり3Dプリンターで家を作るって思った時に日本では地震の問題があるんですね。
耐震性っていうことを考えていくと他の国で作られている3Dプリンターの家とは日本は全然スタイルを変えてかないといけないんですね。そうすると、なかなか今までの現状では3Dプリンターの家は非常に遅れていました。
しかし、私たちはですね、実は世界中の3Dプリンターの家を見た時に、既存住宅の延長線上で進んでいることをすごく感じて、私たちは地震にも強い日本の家ってなんだろうって考えた時に、家の形を球体にすればいいんだってことに気づいたんですね。
球体にすることによって実は、球体って普通の家に比較して物理的に最強の家の形なんですね。そうすることによって地震の問題がある日本でも3Dプリンターで住宅が作れるって事に私たちは2019年の1月に気づいたんです」

補足すると、海外のように既存の住宅の延長線上にあるような家だと3Dプリンターを使っても、鉄筋構造体を入れる作業が必要で、コストが3割とか半分くらいにしか下がらないんだそうです。しかし、形を球体にすると、全てロボットが作ることができるのでコストを1/10にできるそうです。

3Dプリンターで作ることで、形状の自由性はもちろん、コスト削減や人手不足解消など、いろんなメリットがあるそうなんです。
今後の展開についても伺ったところ、飯田さんのところでは、2ステップを考えているそうで、最初のプロダクトは10平米の家を作ること。
コンセプトは「遊びの家」で、グランピングであったり、別荘であったり、災害復興住宅だったりするそうです。
例えば、災害復興住宅だと4時間あれば施工できるんだそうです。こういったものから始めていって、次のステップでは、100平米で300万の家を実現したいと考えていて、こちらは一般の住宅として進めていきたいということでした。

最後に、3Dプリンターの住宅が登場することで、我々の生活はどう変わっていくと思うか?飯田さんに伺いました。
「私たちは、これだけ社会が発展しているのに、未だに30年も長い住宅ローンを組んでいることは非常に大きな課題だと考えています。
しかも、このコロナ禍でアメリカでは800万世帯の方が家を失っていますし、日本でも4割の方が一生家を持てないっていう状態になっています。こういった部分の課題を大きく解決したいと思っています。
実は住宅ローン30年、これがなくなれば、もっと日本人って自由に生きることができるんですね。
例えば本当にやりたかった仕事とか本当にやりたかった夢、こういったこと、新しいことに挑戦する自由っていうのが手に入れられると思っています。
さらにもうひとつ、家族と一緒に過ごす時間って非常に大事だと思います。そういった部分の自由を手に入れるって事は、この30年の住宅ローンをなくすことによって社会課題が解決できるというふうに考えています」

Z世代とか、新しい世代の人たちは、家に対する考え方や価値観も変わってきているような気もするので、そういった人たちにも、いい選択肢になるかもしれませんね。

飯田さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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