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Every Monday 8:38 〜8:48
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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2022 08.29
体育の授業や部活動で導入されるスポーツテック「SPLYZA Motion」

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

今朝ご紹介するのは、スポーツにITを活用する「スポーツテック」。
スポーツテック市場は急成長していて野村総合研究所によると、2025年には1134億円。2021年と比較では2.2倍に拡大する見込みです。
そうしたなか今回は、デジタル技術を活用して体育の授業や部活動を変革していこうという取り組みをご紹介します。
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今回お話を伺ったのは、運動している人を動画で撮影して身体の動きを測定するアプリ「SPLYZA Motion(スプライザ モーション)を開発、提供している株式会社SPLYZAの代表取締役、土井寛之さんです。
このスプライザモーションとは一体どんなアプリなんでしょうか?
スプライザモーションはマーカーレスのモーションキャプチャーができるアプリです。通常、モーションキャプチャーといって体の骨組みを分析するようなシステムは、体にマーカーをたくさん置いて、その数値で各関節の角度とか速度とかそういったものが計測できるシステムになってくるんですが、僕らの場合はスマホで撮影する動画から、このマーカーを体に置くことなく各関節の角度と加速度というのが計測できるようなもので非常にお手軽に動作分析ができるものになります」

実は、このアプリの開発のきっかけは2019年からスタートしたGIGAスクール構想だったそうです。
当時、インフラは整ってきていたもののコンテンツが充実していたのは主要5科目だけだったそうで、体育など副教科に関してはほとんど何もないっていう状況で、学校の先生から体育の授業とかで使えないかという要望があったのがきっかけだったそうです。
最初は高校の体育の授業の依頼から始まって、現在では小学生の授業や大学の授業などでも使われるようになってきているそうです。
すでに導入している現場からは、アナログ指導との違いやメリットについて、こういった声も届いているそうです。
「指導者や選手にもヒアリングとか感想をいただいていますが、まずは普通に動画で見るよりも、折れ線みたいな感じのスティックピクチャーの方が、体の角度などが非常にはっきりとするので、仮に定量的な数字がないとしても、スティックピクチャーの様子だけでもかなり分かりやすくなったっていう声も聞いていますし、当然さらに定量的な数字も出てくるので、今までもっとこうした方がいい、あるいはこうだから駄目だっていうのが、要は日本語の形容詞とか副詞を使って、すごくとかちょっととかそんな話になってくるんですけど、それが例えば90度を超えちゃだめだよとか、そういった分かりやすい指標になってくるので、どこまでやるといいのかとか、どれぐらいダメなのか、どれぐらいいいのかというのが明確に答えられるようになる、あるいは自分で気づけるようになる、あるいは良い時と悪い時を比較する時の違いっていうのが数字になってくるとか、今までより様々な面でわかりやすくなったという声を聞いています」

さらに、今後の展開について伺ったところ、今テストレベルでは小学校低学年でも使われ始めているそうなんですが、義務教育の中でも使ってもらって、体育を運動する授業から、正解のない問題に対して考える力を育む教育っていうところに変えていけるような、
教育的な価値を高められるような授業にしていきたいと考えているとのことでした。具体的にはこんな効果も報告されているそうです。
「運動が得意かどうかだけでなく、それとは別に観察力とか言語化能力っていうのを全く別として持っている、あるいはそこが得意だっていう生徒さんもいらっしゃるんです。
小学校の事例ですけども、みんなでマット運動とかと跳び箱を撮影しながらアドバイスを言い合うみたいなことを実験的にやっていましたが、その中で運動が苦手なんだけど観察力とか言語化力が高い子が他の子達に、上手な子ってこういう風になっているのでこういう風にした方がいいよっていうようなアドバイスをアプリに中でたくさん書いてくれていてですね、それがみんなの気付きになって、あいつに聞けば上手くなるぞみたいな感じで、もともと運動は苦手だった子にみんながアドバイスを求めるみたいな現象が起きています。
これって今までではありえないことじゃないですか。
この一連の実証実験みたいなものが終わった時に、今まで苦手意識があった子から体育の授業がすごい面白くなった、好きになったみたいな感想をいただいたんですよね。
これは新しい取り組みを通じて、単に今までよりも運動ができるようになるだけでなく、今回でいえば体育が今までより好きになるっていう事だったんで、これって非常に素晴らしいことで。要は、学校教育が終わった後でも、それに取り組んでもらうっていうのが重要じゃないですか。そこにも関与、貢献できているんだなというところは非常に嬉しかったですね」

今回のスプライザモーションを使った取り組みは、技術的な進歩だけでなく、いろんな効果がありそうですね。
また、体育を運動する授業から正解のない問題に対して考える力を育む教育、教育的な価値を高められるような授業というところは、とても興味深かったです。
体育が好きになるっていうのは、すごいことだなぁと思いました。今後さらに導入が進むといいですね。

土井さん、貴重なお話、ありがとうございました。


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