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キヤノンマーケティングジャパン presents Solution in my life
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Every Monday 8:38 〜8:48
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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2022 12.12
手術のノウハウが学べるVRサービス “ ジョリーグッド プラス”

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

ここ数年、VR(仮想現実)を使ったゲームやイベントが増えていますが、医療の分野でもVRを活用したある取り組みが注目されています。この取り組みを行なっているのが、医療VRを開発するスタートアップのジョリーグッドという会社なんです。
医療機関がVR教材を使って臨床学習が何度でもできる教育プラットフォームを開発し、非対面でも手術やその他の医療技術を360度空間で習得できるということで、今、需要が高まっているんです。このシステムは、「ジョリーグッド プラス」というサービスで、日本全国の医療機関がVR教材をセルフ制作し、医療教育を行う医療機関や大学などが定額制で代金を払うことで、そのVR教材を何度でも活用できるサブスクプラットフォームとなっています。

今回は、このサービスを手がけている株式会社ジョリーグッドの営業戦略部部長 エグゼクティブプロデューサーの細木豪さんにお話を伺いました。

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まずは、開発の経緯に伺いました。

「実は、医療福祉の領域に特化し始めたのは4年ぐらい前からで、コロナの前から相談みたいな形で多くいただいていました。今医療業界が抱えている課題というのが、慢性的な医師不足みたいなところもあったり、医療機関はどんどん高度化するので、そういった扱い方が難しくなっていたり、複数の医療スタッフ、チームで治療にあたるという教育方法がなかなか難しかったり、そういった様々な課題があって、医療の人材をなるべく短期間で早期に育成するための新しい教育方法を模索しているという背景がありました。
そこに加えてコロナが来ることによって、集まれないとか、現場に行けないみたいな学習環境が制限されるといったような課題がそこに加わることで、この2年ほどで、一気に需要が拡大して、そういったものに広くお応えするために、統合型のプラットホームを作ろうというような、そういう開発経緯になっています」

細木さんによると、医師が手術の技術を学ぶ際には技術が高い医師をたずねて、その手術を見学させてもらうケースが多いそうです。また、学生や研修医などが実習を行う場合は、ロールプレイング研修といって、一箇所に集まって、患者さん役や医師役を演じながら模擬演習みたいな形で行なうそうですが、このサービスを利用すれば、実際に集まらなくても、VRの中で実習に代わる体験ができるということで、需要が高まっているそうです。

さらに、細木さんによると、「VR」ならではの、こんなメリットもあるそうです。

「今、実習といわれるものは、人が集まって集合型で色々とやらなきゃいけない研修が大半だったりするんですけれども、VRの本質的な利点というのは、誰かのその経験値となるようなものを一度、アーカイブとしてコンテンツにしておくことによって、いつでも、どこでも何度でもその体験実習を同時に多くの人が行うことができるというところがVRの利点だと思うんですね。なので、我々はその点でいうと、作っているこのプラットホームサービスが、個々が持っているその経験値というのを1つに集めて、集合値のような形に変えていくことで、人の成長を加速していけるような、そういうサービスを提供できるかなと思っています。
今は医療福祉を中心に活用いただいていますけれども、こういう部分というのは、業界や職種を選ばずに活用いただけるところかなと思いますので、集まらずとも経験値というところを共有しながら、人が成長していけるような環境を作るというところが、我々の技術の担えるところだと自負しております」

実際に、このサービスを使われている人たちからは、こんな声も上がってきているそうです。

「今、医学生が手術室に実際に実習で入るということもなかなかできないですし、入れたとしても遠目で見て、本当に先生の背中越しに覗き込むような、そういう形でしか現場の立ち会いは今できないんですけれども、そんな中で我々のこの医療VRを使うと、特等席で見られたり、それどころか自分が実際にやっているような感覚で、何度も見ることができるというのは非常に理解が深まります、というような意見を学生さんですとか、研修医の方からもいただいています。
あとは、その機器メーカーさんからかいただく声としては、実際にVR体験をすることで、初めてその顧客に対して使い方とか、活用方法をどういう風に説明したらいいかというのが、自分たちもよく理解できるようになりました、なかなかメーカーさんも現場に入れるわけじゃないので、どんな風に自分たちの機器が使われているかというのを知る機会が少なかったようなんですけれど、そういったものを知っていただける機会にもなりました、というような声をいただいたりしています。
医師の方に関しては、自分たちが例えば技術を持った方が、その技術を伝承していくというところって、意外に難しかったりするんですね。座学で伝わるものでもないですし、実際、現場に行ったとしても、隣で見せるぐらいしかできないんですけれども、自分の持っている技術を映像に収めることで、そこに自分が説明を入れたり、テロップのような形で補足をしてあげたりすることで、より技術の伝承というところがやりやすくなった、というような声もいただいたりはしています」

視聴回数の多いものは、どういうものが多いですかという質問も細木さんにしました。すると、こんなお答えが返ってきました。

「これが結構面白くて、いわゆる本当の実際の外科の手術ですとか、カテーテルを使う循環器のような手術ですとか、そういった実際の現場の手術を見たいというような声が大体半分ぐらい。もう半分は、実際に患者さんとのいわゆる診断や診療にあたってのコミュニケーションのやり方を学ぶとか、訪問診療の場面とかで実際の患者さんの自宅に行って、いろんなお話だとか、治療、診断をするにあたって、そこで何を見て何に気を付けなきゃいけないかといったような、いわゆる接遇とかコミュニケーションのトレーニングのために使うというニーズが半分ぐらいで、ちょうどそれが半々ぐらいなんですね。なので、僕たちはテクニカルなトレーニングと、ノンテクニカルと呼んでいるんですけど、そういうトレーニングというのがだいたい今は綺麗に半分に分かれているような感じです」

最後に、今後の展開について伺ったところ、アジアや北米を中心に海外での展開を本格的にスタートさせていきたいとのことでした。

細木さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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