イメージ
イメージ
キヤノンマーケティングジャパン presents Solution in my life
カラー
カラー
カラー
Every Monday 8:38 〜8:48
Every Monday 8:38 〜8:48
「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
2024年度以降はこちら
2023 02.20
総合商社の強みを活かした三菱商事の地域創生の取り組み

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

これまでにもITを活用した町づくりや自治体DXを紹介してきましたが、今、総合商社がデジタル技術をはじめとする幅広い事業領域を生かして、自治体と提携して少子高齢化や脱炭素などの地域課題の解決に取り組むケースもでてきています。そこで今回は、地域創成に向け、自治体との提携を進めている三菱商事の取り組みをご紹介しました。

お話を伺ったのは、三菱商事株式会社 執行役員 チーフ・デジタル・オフィサーの平栗拓也さんです。

null
※住民向け説明会の様子(イメージ)

まず、総合商社である三菱商事がなぜ地域創生に取り組むのか、平栗さんによると産業競争力の低下、エネルギー自給率、さらに少子高齢化といった日本が抱える課題は、三菱商事にとっても重要な課題で、これらの課題を事業機会として捉え直して、強く豊かな日本の復活に少しでも貢献できればと考えているそうです。また、その一歩は大都市ではなく、やはり地域であり、地域の活性化が不可欠ということで、地域創生に取り組んでいるとのお話でした。

では、自治体と具体的にどのような取り組みを進めているのでしょうか?

「地域コミュニティ創生のDXを手掛けるにあたって、まず最初に着目したのは回覧板です。現在、政令指定都市の自治会加入率、この自治体というのは回覧板を回す単位なのですが、政令指定都市だと70%です。一方で、人口1万人未満の小さな都市になりますと、自治会加入率は90%以上と、回覧板というのは非常に強固なコミュニティを構成するために重要なツールとなっています。一方で、コロナ禍において紙の回覧板を手渡しする事は非常に敬遠され始めました。
また、紙では情報伝達に時間がかかるという従来からの課題も多いことから、スマートフォンを活用した地域コミュニティの情報共有アプリの開発を思いつきました。昨年8月に三菱商事と連携協定を締結させて頂いた那須塩原市においては、「地域ポータルアプリ」というコミュニケーションアプリの実証を開始しています。現在、このアプリでは小中学校の先生と保護者の間の情報連絡や、保護者会等の学校行事への出欠確認が主な活用方法とされています。
今後は、市内の行政情報や街のイベント情報等も配信する予定で、「地域ポータルアプリ」さえ見れば、那須塩原市で生活する上で必要な情報が全て収集できる、そういったことを目指しています」

さらに、那須塩原市のことを観光客の皆さんによく知ってもらおうという取り組みとして、なすしおばら観光パスポートというLINE アプリの実証実験などにも取り組んでいるそうです。

また、これだけではなくて、三菱商事ではDXだけでなく、EX(エネルギートランスフォーメーションの略)、再生可能エネルギーや電気自動車の普及といった取り組みについても自治体と日々協議しているそうです。

さらに、平栗さんに、自治体や住民の方からの反応について伺ったところ、こんな気づきもあったそうです。

「意外とこういったツールがなかった、というのが正直なところです。皆さんもご存じの、LINE 、Facebook、インスタグラムといった SNSを皆さんすごく使っているのですが、一方で、例えば消防団、PTAといったプライベートとオフィシャルが少し混ざったような中間的なコミュニティが実はたくさん生活圏の中にあるんですね。普通のSNSを使ってしまうと、完全にプライベートな情報でしかも匿名な情報だったりするので、とても管理が難しい。
一方でガチガチに管理したシステムにしてしまうとまた気軽に利用できないということで、ガチガチに管理するようなシステムと、本当にプライベートなものとの中間のところ、ここにいろいろなコミュニティを作っていくことが必要なんだなと思いました」

平栗さんによると、どこまで個人情報を入れてもらうかはオプトインという形で各ユーザーの承諾を取って行っているそうで、できるだけ個人情報はしっかり入れて、見られる人は限定された状態で情報を共有するという形をとっているとのことでした。

最後に、今後の展望について平栗さんに伺いました。

「三菱商事という会社は、コンビニエンスストアから天然ガスの調達まで幅広い産業でビジネスを展開しています。こういった三菱商事のビジネスノウハウをうまく使って、住民の皆様の利便性向上につながる新しいサービスを作っていきたいと考えています。
一方で、直接的に生活者、住民の皆様と接する「タッチポイント」と呼んでいるのですが、タッチボイントというのはなかなか今まで私たちも持っていませんでした。ですので、まずは自治体の皆さんと寄り添いながら、住民の皆様に使いやすいアプリケーションを作っていって、将来的にはこのアプリケーションを通じて三菱商事が持っている世界中のビジネスノウハウを住民の皆様に提供していくことができればいいな、と考えています」

平栗さん、貴重なお話、ありがとうございました。

ツイッター Facebook
Top