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このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2023 03.13
AIカメラを活用した追尾機能がある「獣害対策ロボット」

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

イノシシやシカ、サルなどのよる害獣被害のニュースをよく耳にしますが、農林水産省のデータによると、令和3年度の野生鳥獣による農作物被害は、およそ155億円。様々な対策がとられているものの、被害金額は依然として高い水準にあります。
これが、農業を営む意欲の減退にもなっていて、この被害の数字以上に農家に対して深刻な影響を及ぼしています。農水省も自治体の被害防止のための取組を支援していますが、なかなか思うようには進んでいません。

そうしたなか、今回は、田畑を荒らすイノシシやシカなどをAI内蔵のカメラで検知し、自動追尾しながら音や光で威嚇する獣害対策ロボットをご紹介します。
お話を伺ったのは、このロボットを開発した監視カメラなどを手掛ける株式会社システムエイ・ブイの企画開発部部長の山下大輔さんです。

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まずは、獣害対策ロボット開発の経緯について伺いました。

「弊社は元々防犯カメラのシステムを販売しており、昨今そんな中でAIの技術を活用して人の侵入を自動的に検出するとか、車を自動的に検出するというような形での製品開発を行っていました。その中で、青電舎(長年、農業分野で害獣対策機器の販売を手がけていらっしゃる会社)さんから害獣対策として、弊社のカメラを活用した製品開発ができないかということで相談を受けまして、今回共同開発に至りました。

今害獣にお困りの農家さん、自治体が猟銃など様々な対策をしているのですが、まず、現状の把握ができていないというのが大きな問題ということをお聞きしました。この機械を設置することによって、何か対策を行った時に、その害獣が減っているのかどうかというところをこの機械でログを取って効果を検証するために開発したのが、まず最初のフェーズ・その次のフェーズが、この機械を用いて、威嚇行為までやってしまうというところの段階で開発を進めています」

開発したロボットの概要についても伺いました。

「この製品は、AIを使ってカメラ映像から対象となる害獣だけを検出できます。対象となる害獣を検出すると、ロボットが自動でその害獣をロックオンして害獣の動きに合わせて360度自動的に追随追獣するような動きをします。また、そこで検出した害獣の種類、例えば、シカ、イノシシ、クマといった種類と、検出した時刻を自動的に記録して、必要であれば、メール等で通知を行います。また、別途威嚇をする装置と連動できるようにするために、検出時に外部機器へ電気的にトリガー信号を出力することもできます」

別途威嚇をする装置と連動、という話も出てきましたが、AI内蔵のカメラで検知し、自動追尾しながら光で威嚇できるというのが、このロボットの最大の特長。従来の害獣対策だと、威嚇音を出すものが多く、それだとパターン化して獣も慣れてしまうと欠点があったそうです。追尾システムだと、獣は慣れることができず、警戒して近寄りにくくなるそうです。

本年度の本格販売を目指して、今、まさに実験データを蓄積中ということなのですが、これまでの実験結果について、山下さんはこのようなお話をされていました。

「現場の担当者に協力いただき設置させていただいているのですが、やはり夜、イノシシやシカが出てきて迷惑されているという部分がありました。現場の方が最初に言われていたのが、大体シカとイノシシが出るのだけれど、どのぐらい出ているかはわからない。あとシカとイノシシが同時に出ることはないよ、というような話をお伺いしていました。
そこで、このシステムを使ってデータ取りをしていく中で、実際映像を録っているので映像としても記録が残っていますが、シカとイノシシが共存していると、一緒に出てくるタイミングもあるよということがわかって、それは現場の方も非常に驚いていたということです。あとは、設置してかなり長期になるのですが、季節的な変化によっても、出没の数というのは非常に変わってきているというところがありますね」

最後に、山下さんに今後の課題について伺ったところ、「シカやイノシシ、またクマによっても威嚇の方法、手段というのは変えなければいけないということが、様々なお客さんと話をしている中でわかってきたので、地元のそういった製品を取り扱っている企業や研究会社と連携して、それぞれ対策を変えていく必要がある」とお話されていました。

山下さん、貴重なお話、ありがとうございました。 

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