イメージ
イメージ
キヤノンマーケティングジャパン presents Solution in my life
カラー
カラー
カラー
Every Monday 8:38 〜8:48
Every Monday 8:38 〜8:48
「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
2024年度以降はこちら
2023 06.12
ロボット開発の技術力を競う競技会「ロボカップ(Robocup)」

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

今回ご紹介するロボット開発の技術力を競う競技会「ロボカップ(Robocup)」は、世界的に研究者が集まってサッカーロボットを題材にロボット技術と人工知能を研究開発しようというランドマークプロジェクト。人工知能を持った完全自立のサッカーロボットが縦9メートル横6メートルのコートで4対4のサッカーを行って、どちらのロボット(人工知能)が優秀なのかを競います。

そのロボカップの世界大会「Robocup 2022」が去年、3年ぶりにリアル開催され、千葉工業大学の有志メンバーを中心とするチームが優勝しました。
そこで、今朝は千葉工業大学 先進工学部 未来ロボティクス学科の林原靖男教授にお話を伺いました。
null
まずは、大会に参加した経緯と、ロボットの概要についてお聞きください。

「人型ロボットでサッカーをするということは非常に難しい課題がたくさんありまして、そういう意味では、世の中に技術を還元していくときに、人工知能を搭載したサッカーロボットで自動的にサッカーができるようなものができれば、社会に色々と還元していけるということで、技術の集大成みたいなところがありますので、それに挑戦するというのは結構楽しいかなと思って始めたところはあります。
自立型ということでいうと、ロボットとしてはまず、見て、考えて、動くことが必要になります。ロボカップのサッカーロボットというのは、人に持っていないような特別なセンサーというのをつけられませんので、基本的には頭にカメラがついていますので、そのカメラで見た映像から、どこに何があるのか、特にボールを見つけるというのが重要になるんですけれども、ボールを見つけて敵のロボットであるとかゴールの位置だとか、そういうものも見つけていきます。
それらのデータに基づいて、どのような行動を選択すべきかということを決定して、さらには人型ロボットですので、手足とかを動かしながら、ちゃんと近寄って、蹴って、相手ゴールに入れると。キーパーの場合は、実は飛んできたボールを飛び込んで止めるというようなことも必要になります」

今回の優勝の裏には、こんな戦略があったそうです。

「今回、2022年の大会ということでいいますと、ひとつ新しい戦略を入れていまして、どんな戦略かというと、今まで相手ロボットが近づいてきた時に、我々はゴールに向けてボールを蹴っていくわけなんですけれども、相手が前にいてもボールを蹴ってしまうので、結局相手に対してのパスになってしまっていたんですね。それはちょっと戦略的に賢くないかなということで、相手が近づいてきたら、相手が近づいてきた以外の方向に蹴り出すというような戦略を入れて、相手と対面してずっとボールを蹴り合うというような状況から、相手の横を抜いて、相手ゴールの方にボールを近づけるというような戦略を入れて、それが最終的にうまく噛み合ったという感じのところはあります」

最後に、今後の展開について林原教授に伺いました。

「ヒューマノイドロボットということでいいますと、やはり家庭内で人の代わりに家事を手伝ってくれるであるとか、仕事を手伝ってくれるとか、そういうものを最終的には作っていければなと思っています。もっと前の段階としては、すでに実用化されているものもたくさんありまして、例えば、Amazonの倉庫は今ロボットがほとんど働いているんですね。そういうAmazonで使われているようなロボットシステムを研究開発した方は、実はロボカップで培った技術を応用してそういうことをやっていたりするんですね。
さらに、最近車の自動運転というのが非常に実用的になっていますけれども、ロボカップ等でロボット技術およびAI技術に接した方が、実は自動車業界にたくさん入っていまして、ロボカップで培った技術というのを応用して、自動運転等のシステムを作っていたりします。
ですので、最終的なゴールは人型のロボットのようなものが家庭内に入っていくというのはあったりしますが、もうすでに、そこで作られた技術というのはいろんなところに波及しています」

林原教授、貴重なお話、ありがとうございました。

ツイッター Facebook
Top