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Every Monday 8:38 〜8:48
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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
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日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2023 09.04
レーザーを使った農作物を荒らす蛾を撃墜する技術

このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

世界の農作物生産額は165兆円と言われていますが、そのうちの、およそ26兆円の農作物が害虫や害獣被害によって失われています。
日本の人口は減少傾向ですが、世界で見ると人口は増え続けていて、今後の世界的人口増加に伴う食糧不足が心配されています。そういう状況の中で、生産量を大幅に増やすためには、この病害虫の被害の低減が喫緊の課題と言われています。ところが、近年、その害虫が薬剤抵抗性を持つようになり、そうした農薬が効かなくなってきているという指摘があるんです。

そこで今回は、薬剤抵抗性を持ち、農作物に大きな被害をもたらすことで知られる蛾の一種の「ハスモンヨトウ」の急所が胸部や顔部であることを突き止め、レーザーで撃墜して駆除することに成功した大阪大学レーザー科学研究所の藤寛特任教授と山本和久教授にお話を伺いました。
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まずは、この技術の概要について藤さんに伺いました。

「まず、カメラで飛んでいる害虫を撮影します。その映像から、蛾がどこに飛んでいるかという位置を検出します。3番目に、その検出した位置に向けて、レーザー光のパルス光を照射します。以上の構成になっています。ですので、カメラで捉えた画像中の蛾を検出して、それを瞬時に打つということができるようになっています。レーザー光は直進しますので、まっすぐ害虫に向けて光を絞って狙いを定めて、瞬時に撃墜できるというところに特徴があります」

さらに、気になる人間への影響について藤さんに伺いました。

「まず、画像認識をしますので、例えば、蛾とそれ以外のものはAIで判別することは、今の技術では十分に可能ですので、危険性のようなものは低いと思っていますし、蛾が飛んでいるそこにだけ焦点を当てますので、それ以外の距離ですと、レーザー光は広がって非常に弱くなっていますので、特に問題ないと考えています。
急所を打ちますので、レーザーの出力も下げられますし、それをやればやるほど安全にもなっていきます。それから従来は、蚊をレーザーで打つという研究が既になされているんですが、蚊の場合は、別に小さくて羽も薄いので、急所などを狙わなくても、蚊全体に照射すれば駆除ができたのですが、蚊よりも蛾はかなり大きいため、蚊と同じようにやってもすぐには落ちませんので、やっぱり急所を狙うということが重要になってきます」

実は、プロジェクターなどに使われるレーザー光を当て、蚊を熱で撃ち落とす技術は、アメリカで成功しているそうですが、蛾のような大きな虫では大きなエネルギーが必要で難しかったそうです。そうしたなか、この実験を行うなかで、急所が胸部や顔部であることを発見しました。

最後に今後の展開について山本さんに伺いました。

「現在は飛翔する蛾等を打ち落としているんですけれども、実験では、一応バッタ等も落ちるということを見ていまして、それは2年ぐらい前、大きな被害があったサバクトビバッタがアフリカで発生して農作物を食い荒らしたということがありますので、そういうのにも対応できるかなと思っています。
あと例えば、これはまだ実験してないですけれど、スズメバチの被害というのはかなり大きくて、毎年数十人が日本だけでも亡くなっていると言われているので、そういうことにも適用できるかなと思っています。今は昆虫の話をしましたけれど、害獣の被害、例えば熊とかイノシシとかもかなり被害がありますので、そういったところにもこの技術は適用可能かと思っています。
さらに、雑草があります。雑草の被害というのもかなり大きいので、それも同じ技術で雑草除去というのをレーザーでできますのでそういったところにも展開していきたいと思っています。
日本における食料自給率は40%しかないので、何かがあると大変なことになります。なので、こういう生産効率を落としているものはなくして、40%を50%、60%と少しでも上げていければと思います」

山本さん、藤さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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