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キヤノンマーケティングジャパン presents Solution in my life
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Every Monday 8:38 〜8:48
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「ITの浸透により、人々の生活をより良い方向に向かわせる」
そんな概念である“デジタルトランスフォーメーション”と
いう言葉が広がり、
私たちの暮らしは、より豊かに、より便利に、
日々ポジティブに変化しています。
このコーナーでは、暮らし、仕事、社会、私たちの身近な
ところにあるデジタル化の動きを紹介していきます。
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2022 01.03
シニアと地域の求人を結び付けるマッチングサイト「GBER」

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このコーナーでは「暮らし、仕事、社会」、私達の身近なところにあるデジタル化の動きをご紹介しています。

去年の9月、「敬老の日」を前に、総務省がまとめた推計によると日本の65歳以上の高齢者は3640万人で過去最多を更新。総人口に占める割合も過去最高の29.1%で、世界で最も高くなっています。
超高齢社会という言葉、よく耳にしますが、様々な問題が懸念されています。
そんななか、今回はシニアの就職・労働力確保という課題を解決するためのデジタルテクノロジー「エイジテック」を紹介しました。

いったいどんなものかというと、その名も「GBER(ジーバー)」。シニアと地域の求人を結び付けるマッチングサイトです。
名前の由来はウーバーにちなんでいるそうで、「地域の元気なシニアを集める」の頭文字からできているそうです。

今回は、このジーバーを開発した東京大学 先端科学技術研究センター、身体情報学分野の檜山敦特任准教授に、詳しくお話を伺いました。
まずは開発の経緯についてお聞きしました。
「開発の経緯ですが最初は、シニア就労を活性化させていきたいっていうところから始まりました。
シニアが働くっていうことを考えた時に、どんな働き方であれば無理なく参加することができるのか?調べていくとフルタイムよりもパートタイムで働きたかったり、決まった会社に毎日通うっていうよりかは、自分の生活圏内の中でできることで頑張れたらいいなってことを考えていらっしゃる方が非常に多かったりします。
そうすると従来のジョブマッチングのやり方で、人と仕事を繋ごうとするとかなり頻繁にマッチングしないといけなくなるし、即戦力として活用できないとなかなか雇ってもらえなくなるので間に立って人と仕事を繋ぐ人が求人側だったり求職側両方に対してのキメ細かなヒアリングをして繋いでいかないといけないっていうところがあるんですね。
そうすると非常にコストがかかる。だからこそ、そこにコンピューターの力を借りることによって、いつどこでどんな人がどういうところにどれくらいいるのかという情報を集めてそれを適宜、その地域の中での求人が発生した時につないでいく。
その繋ぎ方としては一人がフルタイムで働くっていうのではなくて、地域の中にいるたくさんのシニア人材の力をモザイクのピースのように組み合わせてみんなで、ひとり分の仕事をするっていうような無理のない働き方としてのモザイク型就労を提案してその仕組みを実現するというところで研究開発をスタートさせております」

つまり、就労条件をスキル、時間、場所の3つに分けてそれらを組み合わせることで、バーチャルにひとり分の労働力として提供するという仕組みなんです。

さらに、ジーバーは仕事のマッチングだけでなく、高齢者の地域活動のマッチングにも力をいれているそうです。
「働く仕事とのマッチングだけではなくて様々な種類の地域活動とのマッチングっていうものを思考するようになってきています。
地域活動がさしている内容は、趣味の活動もありますし生涯学習っていうところもあります、あとボランティアですね、それから企業のインターン的なところからだんだんお金をもらってやっていく仕事まで含むような形になっていています。
多くのシニアの方々は定年退職した時には、自分が住まう地域の中での自分の拠点という基盤みたいなものを持っていなくて、今まで会社と自宅っていう関係の中で生活してきたところから突然地域っていうところに放り込まれるようなところがあるんですね。
で、そういった様々な種類の活動に参加していく敷居を下げて、その地域のことを理解していく中で地域にはどんな企業があってどんなことを課題として抱えていたりするんだっていう様々な地域の状況っていうものを理解していきつつ、自分だったらこういうスキルを提供することで、地域産業のこの部分とこの部分とかで役立てるんじゃないだろうかっていような形で、その地域の中での活躍する場を自分から開拓できるようなことを応援していくことを目指したシステムになってきています」

たしかに、セカンドライフにおいて、趣味仲間やコミュニティへの参加は大切ですよね。
すでに、千葉県柏市にあるシニア就労を扱っている団体や熊本県のシルバー人材センターで活用実績があり、今年からは東京の世田谷区でのシニア就労にも活用されています。
さらに今年度末にかけて、東京都八王子市や福井県の方でも実験的に活用される予定だそうです。

利用者からの反応について伺いました。
「一番多いのは自分のペースで地域参加してみたいと思った時にアクセスして興味があるものに対して応募できるって言うところが、非常に喜ばれております。
例えば、従来のシルバー人材センターだったりすると、事務局に電話をかけてどんな仕事がありますかって聞いてという流れになりますが、そうすると事務局の方が忙しかったりすると、またかけ直さないといけなくなったり。
逆に事務局の方も登録されている会員の方々に電話で、こんな仕事あるんですけどどうですかみたいな営業をされていたりするんですね、そういったところにこういう情報通信技術が入り込んでいくことで、それぞれのペースで電話営業の煩わしさから解放されていって、効率的にマッチングが行えるようになっていって、地域の中で様々なシニアが参加する活動が広がっていくっていうところもメリットとして挙げられていらっしゃいます」
今後、高齢化社会の問題は避けて通れませんが、このジーバーは、とてもいいシステムですよね。
それぞれ、みんなが幸せになるマッチングシステムですよね。今後、どんどん広がっていくといいなと思いました。

檜山さん、貴重なお話、ありがとうございました。

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